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ANE E-News April 10-001


1) 4月になりました。日本では桜の下で新学期を迎えていることでしょう。新しい事を「創めて」みませんか?「企画」 のお勧めです。

今は時間が無い人たちが多いのですが、それだからこそ、E−mailや電話で企画構成が必要とされている時代です。学生さんたちは理論を勉強しても実験する機会が少ないので、「企画」参加してみてください。「子どもがまだ小さいから」・・・?でも、子どもはすぐ大きくなります。お母さんも負けずに時代に追いついていってください。「企画」になれていると再就職の時にResumeに加える事ができ、就職の時にクレジットになります。「企画」だけに終わらせず、実行する時には喜びが伴います。「完了」の喜びは、また、ひとしおでしょう。

加藤英敏著 「企画の技法」 中央公論新書

主婦の家事から宇宙開発計画にいたるまで、今日は企画の時代である。企画とは、いわば知的冒険であり、その能力を企画力と呼ぶ。では、企画力の構造とはどういうものなのか。イメージ、勘、ひらめきから、主題の設定、企画の現場での与件の検討、調査、実験計画から集団思考による方法、学際的ということの意味、企画を立てる際の段取りの問題、横目の効用、ゆとりとあそびを持つことなど、個人レベルから集団レベルまでを解明する。

集団思考

3人寄れば文殊の知恵。共同研究。集団研究 

1つの企画を立てるためには複数の人間が参加し、その共同事業の結果として何かが生み出される。お互い譲らない。自分の仮説や思想を証明するために材料を提供し、本気で論戦をする。大きな企画になればなるほど厳密な意味での学際的な知恵の結集が要求される。Brain Storming-みんながそれぞれに考えていることを自由に発言する。そして相互に刺激しあう。

学際的ということ

今日の社会、とりわけ日本社会であまりに多いのは「専門家」であり、あまりに少ないのは「知識人」である。「知識人」とは何かというと定義は難しいが、おおざっぱに言えば 「あらゆることに知的好奇心を持つことのできる人間」ということになろう。

「先生といわれるほどのバカでなし」「学者かならず間抜け面」。”われこそは学者ナリ”とおのれの存在を鼻にかける人物は「あまり面白くない人間」と相場が決まっている。あらゆることに知的好奇心を持つことのできる人間は「雑学者」。なんでも知っているわけではないが、何についても好奇心の目を輝かせる。

日本の学問の世界は「専門」に偏りすぎる。アメリカの大学が日本の大学よりはいいとは言わないが、日本の大学よりはるかに柔軟で伸びやかだ。多くの領域をわたり歩いた人物をアメリカの学会は評価する。(注:オーストラリアも発明者が多い国です。のんびりした時間で考える時間が多いからでしょうか。残念な事に政府のR&D(Research&Development)がないため、研究開発された頭脳はヨーロッパやアメリカに引き抜かれていってしまいます。)学際的研究 (interdisciplinary approach)とは、異なった専門分野の人々が互いに交流しあい、 専門を意識せず共同で特定の問題を研究しようとすることです。

スペシャリストの交流がよい企画を育てる土壌だ。(注: お洗濯のスペシャリスト、買い物の好きなスペシャリスト、だれでも何かに秀でたスペシャリストです。)

流動する社会

小さな石を池の真ん中に投げ入れると、そこから同心円状の波紋が幾重にも広がる。波及効果は社会現象の中でほとんど無限の広がりを持っていく。企画という行為もその例に漏れない。ある企画が立てられそれが実行に移されれば、ほとんどその瞬間からその周辺に波及効果が及んでいく。

1つの企画をたてることは、人為的に波紋を巻き起こす事とほぼ同義であるように思われる。

Think Tank シンク・タンク =前例の無い事だけを、つまり誰も手掛けた事がないような事柄を、誰も考え付かなかった方法で行う。第3者的な立場で物事を考え、客観的な調査、企画立案にあたる。

企画の周辺

段どり 

ある化学の先生が「お茶を習うといいですよ」と意外な事を教えられた。お茶をたてる人の手さばきをみていると、その動きは一切の無駄が無いことに気づく。お茶の道具の配置などは極めて合理的にできている。手順に合わせていろいろな道具が並べられている。自然に手が伸びたところに必要な道具がちゃんとある。科学の実験も似たもので、試験官、ビーカー、フラスコ、ガス・バーナーといった、一連の道具が、茶道の心得があれば手順よくぴたりと応用できる。

あらゆる企画は、その実行に当たって「段どり」の問題を含む。企画が大きくなればなるほど、段どりは決定的な意味をもつ。

本当の新企画は段どりをつけても思うに任せない。段どりは必要だが、こういう場合には「当たって砕けろ」と自らに言い聞かせる事である。(注: ここが一番気に入りました。)

ゆとりとあそび

発明というのは、精神のあそび、ないしはゆとりなくしてうまれない。あそびは「理論上には無意味かつ不必要であって、現実的には有意味かつ必要なもの」 (注:現代の子どもたちは遊びが無いのでおかしくなっているのではないですか?コンピューター・ゲームはあそびではありません。次の雑談もあそびです)。

雑談の効用

人間の行動は一般に目的合理性をもったものだと考えられている。企画というような不定形な作業には、精神のゆとりが大事である。企画会議は皆がいろいろな事を発言しているうちに話題が傾いていくので、ものごとは事務的に運ばないのが普通なのである。

わき道への脱線は 雑談と呼ばれる。

雑談から全く思いがけない新鮮な視角が開ける場合がある。それを通じてみなそれぞれが物知りになれる。自分の頭の中にはいっている知識の7割くらいは、あれやこれやで教えられた雑談によるものである。(注: 井戸端会議が必要なのです。)

横目の効用

模倣と独創の間は紙一重である。模倣の無い独創はありえない。横目をつかって似たようなものの外観をちらりととらえて、似たような物からのヒントをとらえて独自の企画を作る。

企画としての人生

年をとればとるほど扇面の開いている角度は鋭角化する。一旦医者になった人間は銀行員にはなれず、その逆もまた真である。中年から初老という年齢になってくると、老後の設計という企画にどうしても直面する。方向転換もすばやくはできない。企画の自由度の広いか狭いかにかかわりなく死にいたるまで、自分の人生を「企画」し続ける。人生の企画は個人が1人で立案し、実行しなければならない最も大事な
企画なのだ。ときには坦々と進み、ときには泥沼にはまりこみ、ときには明るくときには暗く――。人生の企画が一番むずかしい。「大きくなったら」という子ども時代のほほえましい夢のような企画から、みずからの墓碑銘の文案を考えるという人生最期の企画まで、とにかく 「生きる」ということは企画の連続なのである。多分人は生きるために企画し、企画するために生きている動物なのである。


抜粋おわり



2)5月29日 〔恒例の〕Camilo Olive Farm バス旅行 

オリーブの実は5月6月に収穫されて搾油します。ANEのスポンサーのCamilo Oliveのオリーブ園はジーロングの北、Teesdlaeにあります。いつもは6月にバス旅行をするのですが、今年は6月は忙しいので5月の終わりに予定を設定しました。メルボルン市から無料のバスを借りての1日旅行です。オリーブ園でオリーブの種類、実の収穫、搾油所でトローリ、トローリとオイルの搾られる様子を見ます。3月10日に市内でおこなった試食会のように、オリーブの味わいかた、比較の仕方を勉強をします。ワインのように底が深いです。まだ詳細は検討中。

5月29日10時半ごろ:バス出発 (ピックアップの地点をいくつか検討中)

12時ごろ:Camilo到着

1時ごろ:グルメ・ランチ (地元のおいしいものをあつめたランチ。毎年好評です)

午後:近くのワイナリーに寄ろうと計画しています。この部分がまだ未定。

5時ごろ:もどってきます。

参加費は20−25ドルを予定(バス代が30ドルぐらいかかるところを無料バスのおかげで安くできます。これからもバス旅行を計画しますが、需要が多いのではやめの予約が必要だそうです)。これは企画の一例です。 通常、企画を立てて根回しするのに2-3ヶ月かかります。


健康ノート 

3) 日野原重明・道場信孝共著 「高齢者の健康学」 創英社・三省堂書店
 
排尿障害のページから前回の続き 

治療

以前に比べると最近では多くの治療法が行われています。どのような治療法が選ばれるかは、失禁のタイプや重症度、そして患者のライフスタイルによって異なります。実際の訓練の詳細は主治医から指導を受けるとして、その概要は以下のとおりです。

(1) 骨盤筋運動療法 (ケーゲル運動)

排尿を停止させるために用いる一連の筋肉群を訓練します。これらの筋群を訓練する事で、尿を長く膀胱にためておく事ができます。この運動は簡単にでき、ストレス失禁や切迫失禁に有効です。訓練するのは骨盤底の筋群で、これらの筋肉を収縮させてしばらくその状態を保ち、次いで弛緩させるという訓練を1日に何回か繰り返します。

(2) バイオフィードバック 法

膀胱や尿道のコントロールを有効に行うために用いられる方法で、骨盤筋運動の際に体に感じる特殊なシグナルに基づいて筋運動を調整します。

(3) 定時排尿と膀胱訓練

排尿と失禁について記録をとりそのパターンを確認します。それがわかれば失禁する前に排尿のプランを立てる事ができます。

(1) と(2)を併用する事で、切迫性失禁や逸流性失禁をコントロールする事が可能になります。


そのほかの対応

a)女性のストレス失禁の場合には、使い捨ての当てものや膣に挿入するペッサーリーが用いられる事があります。

b)薬物の処方

薬物によって不随意な膀胱の収縮を抑制し、筋肉を弛緩させて完全に行わせる効果が期待されます。膀胱や尿道の括約筋を緊張させて失禁を抑える薬物もあります。しかしこれらの薬物には、口内乾燥や視力の障害、尿生成の異常などの副作用が生じる事があります。閉経後では膣内エストロゲン使用が有効な場合があります。

これらの薬物を長期間使用する場合には、その利害得失について主治医とよく話し合うことをお奨めします。

c) 膀胱の位置の異常や前立腺肥大で尿道窄が生じている場合には手術が行われます。ストレス失禁では、膀胱を吊り上げて固定する手術が行われます。重症なストレス失禁に対しては幅広いスリング(吊り帯)を用いて膀胱を吊り上げるとともに、尿道を狭くして尿漏れを防ぐ手術が行われます。

d) 尿を吸着する下着を用いる

尿失禁があれば我慢するのではなく、主治医に相談する事を強くお勧めします。治療によって完治する事もありますが、完治しないまでもより安心して暮らせるようになります。


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