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DRALION

いよいよファイナル・ウィーク!!

2009年4月14日掲載

DRALION
@Docklands 2009.4.9~6.14

※動画は下にあります

東洋のDRAGONと、西洋の LIONを組み合わせて作られた造語『DRALION(ドラリオン)』。日本では2007年末から2008年に上演されていたこの演目が、オーストラリア全土を渡った末に、遂にメルボルンに上陸した。
 
 
会場はまだ席への誘導が続いている最中、スポットライトとともに突如としてクラウン(ピエロ)の姿が現れ、まるでチャップリンの無声コメディ映画のように台詞無しで笑いを誘う。席に着いた皆が次々に一体何?と顔を動かすこの時点から既に公演が始まっていたのだ。今思えば、公演開始からほんの数分、この短時間でこのサーカスは既に人々の心を掴んでいたことになる。
 
この公演を一言で表現しろと言われれば、私はこう言いたい。
人間業を超越した、人間味溢れる大道芸
または
計算し尽くされた、2時間30分のミュージカル



私は今まで二次元の世界しか見ていなかったのかと思うほどに、三次元の世界を見せつけられたサーカスであった。ドーム状の会場内で、見逃す部分がないほど全ての空間を使って披露される大道芸。サーカスの定番とも思える動物芸がなく、あくまでも人間が体を使い表現するサーカス、それが「シルク・ドゥ・ソレイユ」だ。彼等のウリは一体何なのか? それは、まるで一本の映画を見ているようなストーリー性ではないだろうか? 

このサーカス内には全く無駄がない。一見、要所要所で登場するクラウン達が、その無駄役を買って出ていようにも思えるのだが、そのクラウン達でさえもこのストーリーの重要な登場人物であり、ストーリーを進めていくうえで重要な役を担っているのだ。
 
なぜ、このサーカスをストーリー仕立てと表現したかと言うと、一瞬先の展開すら読めないのである。良い意味で、私達の想像を見事に裏切ってくれるのだ。



『ドラリオン』は、そのタイトルの通り西洋と東洋が入り交じった内容となっているため、登場人物も東洋人が多い。そのためではないかもしれないが、私達アジア人にとって、更に見やすく親近感がわくのではないだろうか? 今回のテーマは地球、風、火、そして水―そのため、登場人物が身につけている衣装やセットには、各々を表現したヴィヴィッドなカラーが使われている。

そして、同セット内では常時オーケストラの生演奏。高度なテクニックのサーカス技に一寸の狂いなく音をのせるのは至難の業である。それを難なくやってのけ、更に素晴らしい音を聞かせてくれる彼等にも注目してほしい。そしてその音も、通常のサーカスとはひと味もふた味も違っている。

ひとつ言い忘れたが、登場人物の中には技を見せる者だけではないのだ。中にはオペラ歌手もいる。生演奏で生オペラ、そしてその音にのせてパフォーマンスが見れるこれはもうサーカスという括りを完全に超越している。


 
その数あるエンターテイメントの中で、個人的に目を奪われたのは“トランポリン”。観客の目から見ると地面から90度垂直に立っている壁を、まるでそこが地面であるかのように錯覚させられた。およそ10mはあろうかと思われる高さから、背中を向けたままトランポリンへと落ちていき、そしてそのまま舞い戻る…その時90度垂直の壁の“地に足を着けて”静止した状態になる。この画を見ている最中の気持ちは言葉では言い表せないほど“変”なのだ。一切の恐怖心を捨て去れなければ、この大技は決して成功することはないだろう。それを軽くこなし、観ている者を不思議な感覚に陥れる技術の高さには心底驚かされる。
 
とにかく全員が人間技とは思えないテクニックを駆使して魅せてくれる。なのに、その中には時折冗談を交えている。これは、テクニックがあってこそ、自分らのテクニックに自信があってこそなせる事なのだ。そしてこの“冗談”がお腹を抱えて笑うほどに面白い!

 
さらに、登場人物が全員笑顔でパフォーマンスをしているのにも注目していただきたい。はっきり言って彼等のテクニックは半端ではない。それをいとも簡単にこなしているように見せているのは〝素晴らしいの一言に尽きる。この技を披露するために費やした時間や体力は計り知れないであろうが、決して“必死さ”を垣間見せることなく“魅せる”ことができる彼等は真のプロフェッショナルである。
 
この、各分野のプロフェッショナルが終結して作り上げた、〝世界一のエンターテイメント集団を見ずしてサーカスは語れないであろう。


 
今から観に行こうとお考えの方へ一言忠告しておきたい。
「何も考えずに、ただ感じよ」
あ、あと重要なことをひとつ。
「クラウン達を信ずるべからず」
 


◆会場の様子はこちら◆
 
 
シルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil
大道芸人だったギー・ラリベルテが、1984年にカナダで設立エンターテイメント集団。40カ国以上にのぼる国から集まった1000人のアーティストを含む、約4000人の従業員を率いている大規模な会社でもある。カナダ・モントリオールに国際本部を置き、世界中で複数のレジデントショー(常設公演)、ツアーショー(巡回公演)を平行して行っており、日本では、シルク・ドゥ・ソレイユ・シアター東京(東京ディズニーリゾート内)公演劇場で『ZED(ゼッド)』 が常設で公演中。
1984年の創設以来、200以上の都市で8千万人以上の観客を熱狂させている。
2009年は、世界中で20のショーを同時に上映する予定。

DRALION メルボルン公演 インフォメーション
公演期間/2009.4.9-6.14
公演場所/Under the Grand Chapiteau, 453 - 507 Docklands Drive, Docklands VIC 3008

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DRALION メルボルン公演HP
 
 
シルク・ドゥ・ソレイユ 日本語HP
 
 

 

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