第3回サンマ・マーケティング調査
Kin sanの料理とコラボ!サンマ、本気の挑戦
2011年2月8日付の北海道新聞の1面トップに『道東サンマ 豪州開拓へ』という記事が掲載された。全国さんま棒受網漁業組合(全さんま)、磯田水産、阿部長商店などが本格的にさんまのオーストラリアへの輸出事業に着手したことを告げる内容だった。
3年前からのオーストラリア市場調査の結果、日本などを含む魚食の習慣があるアジア系移民が多いことや、品質の高いサンマの需要が見込まれることなどが判明し、本格的な輸出へと踏み切った。
シドニーやゴールド・コーストなどでも開催されるテイスティング・イベント。2月28日開催のメルボルンでのイベントは、カールトンにあるFront Cooking Schoolで活躍中のシェフ荒金氏(Kin san)、OCHAのヤスさんの協力のもと、ホスピタリティ業界、おもにレストラン関係者向けに開催された。
サンマは日本人であれば、家庭の味としてなじみ深い秋の味覚だが、オーストラリアでは「サンマ」を明確に表す英語がない。Sauryが一番近い言葉だが、この言葉を知る人は少ないため、Mackerel Pikeと表わされることが多い。サンマ自体の見た目が白身のサバ(Mackerel)に似ていること、カワカマス(Pike)と同じような魚肉であることからそう呼ばれる。
イベント招待者にはTaxi Dining RoomやEsposito、St.Ali、TOMODACHIなどから、シェフやマネージメントを担当する方々が招待された。この面々からも明らかな通り、サンマのオーストラリア流通と同時に、サンマへの注目度が高いことがわかる。
前回の教訓を踏まえ、今回はサンマをどのように調理するのか、健康効果やレシピの提案をまとめたビデオも準備され、初めてサンマを扱う方へ大きなヒントとなり得る内容で構成されていた。
ハイパーリンク先:メニューリストは以下の通り。
(写真上、左より)
• サンマの刺身と手まり寿司(Sashimi and Temari Sushi)
• サンマのピリから揚げ(Spicy Deep Fried Saury)
(写真上、左より)
• 締めサンマのあぶり(Broiled Vinegared Saury)
• サンマのゆず味噌焼き(Grilled Saury with Yuzu Miso)
• サンマの南蛮漬け(Saury Nanbanzuke)
(写真上、左より)
• サンマのサラダ(Saury Salad)
• サンマのタイ風サラダ(Thai Style Saury Salad)
• サンマのローズマリーカツレツ マスタード白味噌ソース(Saury Rosemary Cutlet with Mustard White Miso Sauce)
(写真上、左より)
• サンマの丸焼き 大根おろし添え(Charcoal Griled Saury)
• サンマのテリーヌ(Saury Terrine)
• サンマのかば焼き(Saury Kabayaki)
水揚げされたその日に冷凍され、鮮度を保ったままオーストラリアへ輸入できるので、刺身として食べられるのが大きな特徴。もちろん味も新鮮な状態のままをキープしたままオーストラリアへやってくる。
メルボルンのシーフード・レストランとして名高いEspositoのシェフにお話を伺ったところ、「サバに似ているから食べやすいよ。そんなに魚臭くもないし、美味しいです。」とのこと。刺身にしたときの青魚特有の見た目のギラギラ感もそんなに気にならない様子だった。料理の盛付を細かく見る人、Kin sanへ調理法についての質問をする人もあり、サンマへの興味喚起は成功したといえる。
「日本ではレストランで食べるのか、家庭で食べるのか?」といった質問もあり、サンマという魚が日本では一般的に普及した魚であることを理解してもらうことも含めて、サンマの市場開拓はまだまだ始まったばかりだ。
日本でのサンマ消費量が年々減っている中、オーストラリアでの新たな挑戦、市場開拓に向けて大きな一歩を踏み出した。
■第1回サンマ・マーケティング調査はこちら
■第2回サンマ・マーケティング調査はこちら
■Front Cooking School
URL: http://www.frontcookingschool.com.au/
242 Lygon Street, Carlton VIC 3053
TEL: 03 9663 3577
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