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メルボルンで日本庭園を作るキハラランドスケープス

日本庭園は五感で堪能するべきもの

2013年3月31日掲載

English - Japanese

 

木原元義(以下モトさん)、ブリジット夫妻が秘密兵器をもっていたとは誰も知る由もなかった。

彼らのビジネスは比較的新しかった。誰も彼らが表彰台に立つことを予想していなかったが、長年やってきた大きな造園家達を打ち負かし、最優秀庭園賞(住宅ランドスケープ建設$75,000〜$150,000予算)を獲得した。

彼らの秘密とは・・・血筋である。木原家は三代にわたり日本庭園の設計に携わってきた。
ランドスケープビクトリアの審査員たちは、この賞を受賞したブライトンの庭園について次のように語る。

「このプロジェクトは日本庭園に厳格に求められる基準を見事に満たしています。モトさんはこの庭園のすべての要素を考慮し、門、竹垣や照明などの詳細まで綿密に施工しています。」

モトさんは庭園のデザインと施工に携わる家系の造園家の息子として横浜で生まれ育った。10代の頃に高校、TAFE(職業訓練学校)を修了するためにクイーンズランド州に来た。日本に戻った際、父親の会社である鹿東園(株)にて造園家の資格を取得し、のちに妻となるブリジットさんに出会った。そして彼らはメルボルンを拠点とし、新生活を始めた。

2006年に夫妻はキハラランドスケープスを設立した。モトさんは庭の設計、施工を担当し、妻ブリジットさんは経営面を担当している。夫妻はこの業界で名誉のある賞をわずか6年で勝ち取った。彼らは最新のプロジェクトである庭園にて、キハラランドスケープスそして日本庭園について次のように語る。


「単なる日本庭園ではなく、高い技術の職人技を求める顧客のために他のスタイルも手掛けています。多くの人は和風テイストに魅了されますが、日本庭園を求める人が瞑想や禅の概念に興味を持つのはまれではないのです。私たちは中庭などの小さい空間の設計を担当することもあります。」

日本庭園はその洗練された美しさで名高いゆえに、安く仕上げることは出来ないと夫妻は述べる。

丁寧に施工された日本庭園はあまり手入れの必要ないものに見えるが、充分に満喫するには定期的な手入れが必要であるということを認識することが大切である。夫妻が、設計した各庭園の細部にまで手を込めることについて語るにつれ、この理由が明らかになる。

日本庭園の決まりきった型を求める人はがっかりするだろう。日本庭園を作り上げていく芸術はそれぞれの要素(岩、植物、木、装飾品)の配置で決まるからだ。これが揃って、日本庭園の美が完成する。

「日本庭園は竹の音、小石の手触りなど、五感で堪能するべきものである。」
モトさんは設計する際、まず太陽の位置や風といった空間的な要素を考慮する。そして空間の美を満たすため岩、植物選びに取りかかる。「50もの植物から形や色を見てひとつを選ぶこともあります。植物の形を自分で作ることもあります。」とモトさんは言う。

要素が決まれば、展望が見えひとつの形になってくる。それぞれの要素が配置され、形作られ、庭園が現れる。「その要素たちは、話が進むにつれ変わっていく小説の中のキャラクターのようです。」とブリジットさんは言う。

日本庭園は、自然の中のひとつの光景のように見えるかもしれない。小さな岩は池のカメ、大きな岩はひとつの島、丁寧に磨かれた小石に見られる輪状の線は波のようである。

モトさんはキハラランドスケープスが地域プロジェクトのために助成金を受けて手掛けたワトソニア図書館の庭園の写真を指差す。水の周りにはさまざまな色を使用し、飾りの周りの植物が湿気を充分活用し庭園が1年中色づくよう配置に気を配っているとモトさんは説明する。

「第六感ですね。」と誇らしげにブリジットさんは言う。「言葉で表現するのは難しいですが、主人はどの庭にも日本の質を入れることが出来るのです。」

日本庭園を作るには、近くの植木屋で竹やモンドグラス(芝生の一種)を買えば済む訳ではないという事が明らかになってきた。本質的な日本庭園を作り出す芸術には一つの決められた型はなく、忍耐と日本のよき師が必要である。

モトさんの父親の会社は最近50周年を迎えた。モトさん、ブリジット夫妻もキハラランドスケープスが同様に50周年を迎えることを目標としている。

 

Kihara Landscapes
Tel:  0424 982 876
www.kiharalandscapes.com.au

 

文: Peter Dewar
写真: Kihara Landscapes
翻訳: 森円香

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