「家族」のように皆で歌って踊って楽しんで。
10/13 Japanesyでコンサート!
2012年9月24日掲載
Japanese - English
10月13日(土)にメルボルン市内のJapaneasy Japanese Language School(以降Japaneasy)でイベントを開催される、沖縄三線グループいちまでぃんさんにお話を聞きました。三線とは、沖縄の伝統的な弦楽器だそうですが…。
(左からチエミさん、ジュンコさん)
いちまでぃんプロフィール
2010年9月に結成。コアメンバーはシェパード千恵美と高濱潤子。どちらもメルボルンのセカンダリースクールで日本語教師をする傍ら、メルボルンで行われる様々なイベントや学校での三線演奏活動に励む。かつての短期メンバーも含め、沖縄出身は誰もいないが、三線の音色とオリオンビールをこよなく愛す。現在、Japaneasy日本語学校で月二回、三線教室を開いている。
ー三線(さんしん)って何ですか?
インタビュアー(イ):私、純粋な日本人ですが、「三線」についてまったく知識がございません。「三線」は三味線のようなもの、と伺ってはおりますが…。
チエミさん(チ):三味線の方が日本文化に密着しているので、三線は三味線の副産物のように思われがちかもしれません。でも、本当は、三線の方が歴史は長いんですよ。
ジュンコさん(ジ):もともと、「三味線」とは今でいう三線を表す言葉でした。しかし、この楽器が沖縄から大阪に広まったので、差別化をはかるために、沖縄のものを「三線」と呼ぶようになったのです。その名残か、沖縄では今でも三線のことを「三味線」と呼んだりもします。
イ:この二つの楽器の違いは何ですか?
チ:沖縄のものは蛇皮で作られていますが、大阪では蛇皮が手に入りにくかったため、代わりに猫皮を使用するようになったようです。素材が違うため、音色ももちろん変わってきます。
ジ:それぞれの土地柄をよく表した音色だと思います。三線はゆったりとした南国の印象を、三味線は厳しい日本海のイメージを受けますね。
イ:それにしても、なぜ、三線を始めようと思ったんですか?
チ:中学生の時に沖縄の音楽を聞いて好きになり、沖縄に行きたくなりました。高校の修学旅行先が沖縄だったんですね。というよりも、沖縄が修学旅行先だったので、この高校を選んだというか…(笑)なので、修学旅行前に気分を盛り上げるため、三線を始めました。
イ:修学旅行?二人とも、沖縄出身ではないのですか?
ジ:私は大阪、チエミちゃんは広島出身です(笑)二人とも、沖縄は何度か訪れたことがあるくらいですね。私は、もともと夏川りみとかが好きで、沖縄の音楽を聴くようになりました。 お酒を囲むと、どこからともなく鳴り響く三線の音色。大家族のように集まって、飲んで、歌って、踊って、楽しんで。そんな沖縄の雰囲気に強く惹かれ、三線を弾くようになったのです。三線仲間と沖縄料理店に出入りするようになったのもその頃です。
ーいちまでぃん結成までのいきさつ
ジ:せっかく三線を始めたのに、メルボルンに来て、まったく弾かなくなってしまって。埃をかぶった三線を見て、もったいないなぁと思い、インターネットの掲示板に、「一緒に三線をやりませんか」というメッセージを載せたんです。で、そこで出会ったのが、今はグループになき(笑)コウヘイ君。
チ:私がメルボルンで三線を演奏するキッカケとなったのが、Japaneasyのクリスマスイベントでした。そして、その翌年にJapaneasyの校長先生からコウヘイ君を紹介してもらったんです。その時、彼と一緒に練習していたのがジュンコちゃん。それで、せっかく3人いるんだから、一緒に演奏しようよ、と誰からともなく言い出して。
ジ:そして、「いちまでぃん」として活動するようになったんです。
イ:運命的な出会いだった訳ですね。「三線」みたいなマイナーな楽器を、しかも海外で弾く人って、そうそういないでしょうし。
チ:三線って、そこまでマイナーな楽器じゃないんですよ。日本では、「ちゅらさん」というドラマが放映されたことをきっかけに、三線が注目されるようになりました。地方にも教室はありますし、三線を弾く人は多いと思います。
イ:三線以外には、何をしてらっしゃるんですか?
チ:実は、2人とも本業は日本語教師なんです。私は、結婚を期にメルボルンへ来ましたが、日本が大好きなので、渡豪が決まったときは少しつらかったですね。今では、三線は私の心の支えになっています。
ジ:日本語教師としても、三線奏者としても、チエミちゃんは私の先輩です。私は、昨年モナッシュ大学を卒業し、日本語教師としての第一歩を踏み出したばかり。音楽以外でも、チエミちゃんから学ぶことはたくさんあります。
ーこれまで、そしてこれから。
イ: 2010年の結成から、どのような音楽活動をしてこられましたか?
チ:最初は、Japaneasyの文化祭で演奏していましたが、徐々に他からもオファーが来るようになり、最近では和太鼓りんどうさん主催のコンサートに出演させて頂いたりもしました。
ジ:後は、Japan Festivalだとか、機会があれば積極的に出演させて頂いています。今年は演奏する機会をたくさん頂いて、いい意味で忙しくなってきましたね。
チ:他にも、月に2度、三線を教えたりもしています。
イ:生徒さんの反応は如何ですか?
チ:楽しんでやっていると思いますよ。ただ、伝統曲から始めるのは難しいので、ハードルを低くして、キラキラ星とか英語でできる曲から始めています。
ジ:日本の伝統的な楽器というと、敷居が高そうって思われるかもしれませんが、そんなことないです。三線って、以外と敷居が低い、身近な楽器なんですよ。
チ:そうそう。三線の楽譜も普通のものと違うので(写真参照)、難しそうに見られがちですが、弾いてみたら以外に簡単だね、皆さんよく言われます。
ー三線を通して伝えたいこと
ジ:沖縄の言葉に、「いちゃりばちょーでー」というものがあります。一度会ったら皆兄弟という意味なんですが、私たちの音楽を通して沖縄のそういった雰囲気を伝えたいですね。観客の皆さんには、私達の演奏を聴くだけでなく、心から楽しんでいって欲しい。実際に、前回のコンサートでは、最終的に皆さんに踊っていただいたんですよ。
イ:「ハイ、踊って!」って言って、皆さん踊ってくれます?
チ:最初に踊り方さえ簡単に教えれば、皆さん楽しんで踊ってくれますよ。
イ:10月にコンサートをされるとのことでしたが、何を演奏する予定ですか?
チ:皆さんによく知られている定番の曲を中心に演奏する予定です。「てぃんさぐぬ花」や「安里屋ユンタ」等のゆったりした曲から初めて、どんどんテンポを上げていって、最後は皆で踊って終わり、という風にしたいですね。
イ:「てぃんさぐ…?」
ジ:ホウセンカの花のことです。
イ:題名だけでは想像がつきませんので、ハイ、ではここで演奏をお願いします!
チ&ジ:いきなりですかっっっ!!!!
イ:素晴らしい演奏、ありがとうございました。三線は馴染みのない楽器なのに、すごく懐かしい気分になりました。とても心に響くものがありますね。
チ:そうですね。海外で生活する日本人の皆さんには、私たちの演奏を聞いて、日本に思いをはせて欲しいですね。
ジ:また、私たちの演奏をキッカケに、オージーの皆さんが日本に興味を持ってもらえればいいな、と思います。現在、メルボルン郊外の学校で日本語を教えていますが、日本に興味を持ってくれる人は少ないですし。
ーGO豪メルボルンの読者の皆さんへ
チ:さて、先ほど少しふれましたが、10月13日19時から、Japaneasyにてコンサートを行います。ゲストに和太鼓と篠笛の女性3人グループのFUEFUKUROさんとギターリストのToshihiko Ijuinさんをお迎えしています。皆さん、是非遊びに来てくださいね。皆で歌って踊って楽しみましょう!
ジ:当日は、チエミちゃんお手製の沖縄の民族衣装で登場いたします!
チ:Facebookのページもございますので、いちまでぃんの情報はここでゲットしてくださいね。
イ:他に読者へ伝えたいことはありますか?
ジ:メルボルンには沖縄料理店が無いので、誰か、沖縄料理店をオープンしてください!
チ:いちまでぃんが、ボランティアで演奏いたします(笑)
イ:いちまでぃんとは沖縄の言葉で「いつまでもという意味とのことでしたが、これからも末永く楽しく音楽活動を続けていってくださいね!
Okinawan Night with Ichimadin
日程:2012年10月13日(土)
時間:オープン7:00pm 開演7:30pm
場所:Japaneasy (L4 126-128 Russell St., Melbourne)
出演者:いちまでぃん、FUEFUKURO、Toshihiko Ijuin
チケット:$15.00
お問い合わせと予約方法:Eメールichimadin@gmail.com
web:http://www.facebook.com/pages/Official-Ichimadin-Site/145400942174048?ref=ts
聞き手・文:浅上香織
写真・動画:佐々木厳