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琉球舞踊 演出家・振付家・ダンサー 大田 礼子さん インタビュー

琉球のうない心をメルボルンへ

[ 18/Dec/2013 ]

 伝統的な琉球舞踊とモダンダンスを融合した沖縄歌舞劇団「美(ちゅら)」によるパフォーマンス『The Tale of Southern Winds』がメルボルンで公演。リハーサルの合間を縫って今回の舞台を手掛けられた大田さんにお話しを伺いました。

 

 

 

大田 礼子 Reiko Ota

 琉球舞踊の演出家・振付家・ダンサー。1997年より琉球舞踊の玉城流玉扇会の玉城秀子氏に師事。沖縄県の舞踊コンテストなどで数多くの賞を受賞。1994年に女性だけで構成される沖縄歌舞劇団「美」に参加し、国内外でパフォーマンスを行う。2006年より同劇団の代表。

 

 

 

 

 

 

―今回オーストラリアで公演するきっかけは何でしたか?

 沖縄県の観光促進事業の一環で、県内から選抜された4チームの中から、オーストラリアで公演するチームに抜擢されたのがきっかけです。

 

 

―シドニーでは既に公演をされましたが、オーストラリアのお客様の反応はいかがでしたか?

 とても舞台をしっかり観ていただいていて、終わった後も皆さん喜んでいただいたと思います。

 

 

―今回の舞台の特徴は?

 今回は琉球舞踊の伝統的な古典の世界から、斬新な創作舞踊もふんだんに取り入れましたので、いろいろな形で観ていただく方に喜んでいただけると思います。

 

 

―女性だけで構成されたグループですが、その理由は何ですか?

 沖縄の女性―「うない」と言うのですが―は精神が強く、戦後から女性たちが男性を支えて、底力で苦しい時も辛い時も笑顔で歌って踊って乗り越えてきた、といううちなんちゅ文化があり、そういう精神を私たちも継承しながら、沖縄の人たちのうない心を受け継ぐという意味も込めて、敢えて女性だけのチームで、そういったことも私たちが汲み取って残して行けたらと思い、女性だけで構成されています。

 


▲沖縄歌舞劇団「美(ちゅら)」の皆さん

 

―今後世界での公演のご予定はありますか?

 私たちは今年結成13年目で、今まで30カ国以上で公演しています。今回のオーストラリアを含め、再来年に北アフリカで公演を予定しています。ですので、ちょうど15周年の年に五大陸制覇になります。

 

 

―沖縄の良さを大田先生から教えていただけますか?

 そうですね・・・、島自体もとても南国で暖かくて食べ物もおいしくて、人も温かいという風土ですので、日本国内外からの観光客の方に、温かいおもてなしを提供できると思います。

 また沖縄は日本の島と言っても、本土とは全く違う風習があります。東南アジアやアメリカの文化も取り入れた独特の文化・アイデンティティを持っています。それはどこにもない沖縄のみの味だと思います。

 

 

―私自身沖縄に初めて行ったとき、国際通りにある市場のお肉屋さんとお話しをしたことがあるのですが、自宅に帰ってからお肉を1kgほど送ってくださったんです。なんていう島なんだと思いました。

 もう、それはうちなんちゅらしいですね。普通に歩いていても車に乗せてくれてお家でご飯までくれますから。そういう島です。沖縄には「いちゃりばちょうでー(出会えば兄弟)」という言葉もあるくらいですから。

 

 

―『The Tale of Southern Winds』のスバリ見どころは何でしょうか?

 私たち女性たちが繰り広げる美しさと力強さですね。最後は一緒に踊っていただけますよ。

 

 

>>編集後記

 舞台に出演されているパフォーマーは3、4歳頃から琉球舞踊を習い始めている方ばかりで、それを基礎に創作舞踊を取り込んでいらっしゃいます。他の琉球舞踊の流派とは違い唯一のプロの劇団ですので、今回拝見するのがとても楽しみでした。斬新な舞台はどこの国でも高評を得ているそうで、使用している音楽も皆さんで作曲されているそうです。沖縄のうないは強し!

 お忙しい中、本当に有り難うございました。

 

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