インタビューinterview

LEAP MELBOURNEleap

LEAP MELBOURNE -Kazuto Yoshihara-

頼られたことに裏切りなく応える

2012年4月30日掲載

これからメルボルンへ来る若者・学生達へ、

一足早くその地で頑張っている皆からの熱いメッセージ。

 

このシリーズは、さまざまな目的や目標を持って学び・仕事に取り組んでいる人たちの経験談を広めることで、読者の方々の刺激や発見になればという思いから始まった。

「Leap Melbourne」

このタイトルには、メルボルンで過ごす時間をさらなる跳躍につなげてほしいという気持ちが込められている。

 

Kazuto Yoshihara
大学で言語学を専攻しながら日本語教師免許を取得し、卒業後はバンコクで日本語教師として働く。その後、英語を勉強するためにオーストラリア・メルボルンへ渡り、語学学校に通ったりレストランで働きながら二年間生活する。

 

教える楽しさとの出会い

 大学時代にタイのいろいろな町で学校建設のボランティアに参加したのが初めての海外経験。『日本の文化を伝えたい』と思ってたくさん持って行った『こま』を使って子どもたちと一緒に遊んだり、お互いの言葉を教えあったりしたときに、『教えることが楽しい』と感じたことと、昔から持っていた『言語を使った仕事をしたい』という目標とが合わさって、日本語教師になりたいと思うようになりました。それから大学の空き時間を利用して日本語教授法を勉強して資格を取得。卒業後はバンコクで日本語教師として働くことができました。

 ところが半年ぐらい経った頃、日本語教育もタイ語も英語もどれも中途半端にしかできていないような気がしてきて、このままでいいのかなという疑問を持つようになりました。どうせならどれかを突き詰めたい。そこで今度は英語圏で英語を勉強しようと決め、バンコクでの生活を終えて帰国。日本で約一年間かけて留学資金を貯めてからメルボルンに渡りました。

 


メルボルンでできた新しい目標

 メルボルンでは語学学校に通ったり、飲食店でアルバイトをするかたわら、教育関係の現場に関わっていたいという気持ちが強かったので、毎週末、現地の小中学校でボランティア教員としても働いていました。一週間に一日しか休めない生活が続いたけれど、得るものは大きかった。
 教員の仕事で難しいと感じるのは、それぞれのクラスや生徒とはじめて接するときの第一印象の作り方。やり直しがきかない『ファースト・コンタクト』にはいつも気を遣います。最近では、子どもたちと接するときにどう応えたらわかりやすいか、どう目線を合わせたらいいかもわかるようになって、経験も自信も少しずつ着いてきたと思う。

 それに、子どもたちと触れあっていくなかで新しい目標もできました。それは、海外の小中学校で正教員として働くこと。今持っている日本語教師の資格は私立の語学学校で教えることはできるけど、現地の小中学校で教えることができない。だから必要な資格や経験を得るために、もう一度大学で教育学を勉強するつもりです。

 

人の繋がりの大切さを痛感

 メルボルンで生活して感じたのは、人の繋がりの大切さ。ボランティアをしていた学校の先生が推薦してくれたおかげで日本語弁論大会の審査員を務めることができたり、農場での仕事を探さなければいけなかったときに友人が紹介してくれたり、いろんな人が思いも寄らない機会を与えてくれるとが多かった。

 だからこそ、そうして与えられた機会や頼られたことにはきっちりと、裏切りなく応えたい。もうひとつ心がけているのは、いつどんな風にやってくるかわからないチャンスに対して柔軟に構えていること。『きっちりやる』こと、『ひらかれている』こと。それを大切に毎日過ごしたい。

 

Interview & Photography: Ryo
ryo@studioimonsoon.com
studiomonsoon.com

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