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トライアル

トライアルで自分のベストを尽くす。

 

朝8時30分。シャツにネクタイをして、ハットをかぶり自分の中で正装をし

リュックにミルクジャグと地図を入れ、勢いよく階段を走っておりた。

 

「今日はデート?」

とバックパッカーの受付の人に声を掛けられたが、

「I'll do my best!」

とだけ笑顔で言い、僕はトラム乗り場を目指した。

 

 

 

トライアルの時間は、”昼12時までに来て”と言うものだったので、カフェが暇そうな10時くらいに行くことにした。


 

お店はシティから電車で約25分のBrighton Beach というビーチの近くに位置していたが

電車はまだメルボルンで乗ったことがなかったので、トラムを使った。

 

トラムに乗ってみたものの、どんどん田舎になっていき、周りに店という店もほとんどなくなってしまった。

これは、選択ミスをしてしまった。。。

 

 

トラムの中から、そわそわしながら窓の外をずっと見ていたが、それも45分を過ぎた頃

僕はしびれを切らし、下車をした。

駅もなにもないところで降りてしまい、迷うこと1時間。

親切な人に助けられ、電車に乗り換えてなんとか最寄駅 Brighton Beach 駅に到着した。

それからも不安で仕方がなかった。もう10時45分だったからだ。

そんなきょろきょろしてる僕を見つけた親切な老人が

「大丈夫?どうしたの?」

と声を掛けてくれた。

「Olie & aRi というカフェにトライアルに行くんです。道に迷ってしまって…」

「あー、ちょうど今からそこにコーヒー飲みに行くところだから、連れて行ってあげるよ」

と神様に救われ、なんとか11時に到着した。

店に着くと、みんなせわしく働いていた。

 

「こんにちは。CISCO'S coffee のオーナーダニーの紹介でトライアルに来ました。Nobuと言います。」

「Hello. Im ラット。ダニーから聞いてるよ。じゃ、ラテとフラットホワイト作って」

と愉快な感じのオーナーが出てきた。

リュックからミルクジャグをだし、バリスタの女性に挨拶をした。

 

「こんにちは。日本から来ました。Nobuと言います。はじめまして。」

「はじめまして。私は、ジョディ。どうぞマシン使って」

「ありがとうございます。普段はエスプレッソは1ショット、それとも2ショットですか?」

と普段店で出しているコーヒーのショットを確かめた。

その間にちょうど、お客様のオーダーも入ったので、

エスプレッソの粉量やオペレーション、ミルクの温度をこっそりチェックした。

 

 

スチームをふかしながら、神経を集中し

ラテとフラットホワイトを作成した。

自分のコーヒーとジョディのコーヒーに大きな差が出ないように気を付けた。

 

 

■トライアル前にチェックした項目

・エスプレッソの粉量

・コーヒー1杯に使用するエスプレッソのショット数

・スチームの強さとスチームノズルの穴の数

・スチームしたミルクをカップに注ぐ前にデミタスカップ(小さいカップ)にいれ、飲んで温度チェック

・使用するカップやグラスはチップしたり、口紅などで汚れていないか

・ラテのフォームを厚さを目視

 

 

 

そして冷めないうちにオーナーにコーヒーを持っていった。

一口、二口飲み

「OK。ちょっとそこに座って待ってて。コーヒーいるなら作って飲んでていいよ。」

と言った。

 

 

どっちのOKだろ。。。

 

 

と思ったが、実際にカフェでコーヒーが作れてとても幸せな気分になった。

 

、、、、、、しかし待てどくる気配はなし。オーナーは忙しそうなキッチンを手伝っていた。

コーヒーマシンの方へ目をやると、バリスタも忙しそうにしていた。

コーヒー作っていいと言われたし、自分のコーヒーを作る事を口実にマシンの方へ近付くことにした。

 

「コーヒーの勉強をしたいから、このまま手伝っていい?」

「ほんと?いいよー助かる。」

 

それから、ロングブラックやショートマックなどのコーヒー類や、チャイラテ、紅茶などのオペレーションを教えてもらいながら

1時間、2時間とコーヒーを作った。一瞬暇になれば、洗い物もした。

 

 

途中オーナーがすまないと声を掛けてくれたが、

僕は予定はないし、勉強させて下さいと言った。

 

気付けば3時間半が経過していた。

 

覚えることも沢山あったし、ミスもしたし、忙しくてお客様の顔もみる暇もなかったけど

新しいドリンクを覚え、英語を話し、コーヒーを作ることが兎に角楽しかった。自分が出来ることはやった。

 

 

 

ようやく店も落ち着いたころ、オーナーが声掛けてくれた。 

「週何日くらい働ける?」

「4日か5日くらい働けます。どの曜日でもどの時間でも働けます。でも英語はまだ出来ないです」

「いいよ。いつか話せるようになれば笑。じゃあ、次のシフトは明後日。9時から14時で働ける?」

「はい!ありがとうございます!」(やったーーー)

と運よくバリスタの仕事に就くことが出来ました。

 

 

スタッフにお礼を言い、ロッカーで荷物を片付けているとオーナーが封筒を持ってきた。

「ノブ!これ今日の給料」

「え、今日トライアルです。なので申し訳ないです。」

「いいから、受け取って」

中身は3時間半分の給料とチップ。

この給料とチップは今でも忘れられないくらい嬉しかった。

人生初チップの$5に”初チップ”と書き、定期入れに大切に保管した。

 

 

帰りは、最寄駅から電車で帰ることにした。

 

その日、とても空がきれいだった。

 

 

 

 

 

 

次回へ続く

 

 

 

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プロフィール

ワーキングホリデーを通して世界でバリスタとして働きたい人のための情報。 下山修正(しもやまのぶまさ) 2012年 Vancouver International Latte Art Competition 1st place 2012、2013年 Seattle Coffee Fest Latte Art Competition 2nd place 2014年 Tokyo Coffee Fest 3rd place, 2015年 Tokyo Coffee Fest 2nd place 2016年 Coffee Fest Latte Art Competition @New York 2nd place 2016年 Coffee Fest Latte Art Competition @Dallas 3rd place 2016年 Coffee Fest Latte Art Competition @Anaheim 優勝 Superrandom 勤務

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