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イベントレポートreport

Good Food & Wine Show 2009

feed your inner foodie

2009年6月9日掲載

5th-8th June, 2009 @ Melbourne Exhibition Centre

 今年もメルボルンで〝グッド・フード&ワイン・ショー(Good Food & Wine Show)”が開催された。大規模なイベントとして多くの人々の関心と注目を浴びるこのイベントは、メルボルンのほか、シドニー、パース、ブリズベンでも開催される。4日間を通して数万人が訪れるとされ、メルボルンの売り上げだけでも目玉が飛び上がるほどではないだろうか。

  

会場が近付くにつれ、不思議な光景を目にする。自前のトロリー(ショッピング・カート)を引いて会場入りする人々の姿が目立つようになるのだ。その訳は会場に一歩足を踏み入れれば明らかになる。目の前に広がるのは様々な食品会社による自慢の製品のオンパレード。人々は普段あまり見かけない〝美味しいモノ”を真剣に求めてやってきているのである。会場で紹介されているのは、どれをチョイスしても確実に美味しいものばかり。しかも嬉しいことに、ほとんどのブースでは試食や試飲ができるのだ。

   

このイベントは、いわゆるオーストラリアの特産品展でもあり、またヴィクトリア州の豊かな食文化を知ることができ、「地産地消」の目的をも果たしているようだ。またイベント期間限定で通常価格より割安にしている商品もあり、メルボルンの人々がここぞとばかりに購入していくのも頷ける。イベントの名前のとおり、フードとワインのブースおよび、チーズや調理器具やなどの紹介をする100以上のブースが目移りばかりするほどに並んでおり、活気あふれるデモンストレーション販売を行うものも数多くある。オーストラリア・ワインが集められた〝World of Wine”では、グラスを片手にワイナリーのブースを巡る人々の多さには目を見張る。さまざまなブドウの種類やその特徴を熟知している人も多く、メルボルンの人々の舌は本当に肥えていると言える。

  

また今年のハイライトは、メルボルンとシドニー限定で開催され、東京を含め世界中にレストランを経営するシェフ、ゴードン・ラムゼイ氏(Gordon Ramsay)によるライブ・パフォーマンスだ。オーストラリアでも屈指の人気を誇り、そのカリスマ性は去年のオーストラリアのテレビ視聴率No.1獲得という功績、彼を見るために集まった観客は数万人にのぼることで証明されているだろう。彼のレストランはミシュランでも星を獲得しており、実力は本物。今回のライブショーで魅せつけられるそのすばらしい腕前には、ただ感嘆するばかり。そして照り焼きからインスパイアされたかのようなメニュー『Glazed Salmon with Spinach and Radish Salad』もラムゼイ氏の実力は充分表れている。醤油、ショウガなどを使用し、オーブンでタスマニア・サーモンを焼き上げたこの一皿で味わえるのは、和風ソース、柔らかいサーモンとシャキシャキの赤カブ、その絶妙なハーモニーと歯触り。そして同時に、日本の調味料をも知り尽くした彼の料理に対する情熱からもうかがえる。

 

しかしラムゼイ氏の最大の持ち味は放送禁止用語を連発するということ。自称「Mr. F-word」でもあり、自身の番組も現在放映中だが〝ピー”いう音を入れようものなら、番組開始から終了まで鳴りっぱなしといってもよいかもしれない。

  

ラムゼイ氏は期間中、一日3回ものショーをこなす。そしてお馴染みのF-wordやS?tという言葉も飛び交う中、緻密に計算されつくしたような手際の良さで、あっという間に一皿を完成させる。1時間弱のパフォーマンスで3品を紹介してくれた。

  

またラムゼイ氏をはじめ、テレビ番組『MasterChef』の審査員も務めているGary Mehigan氏、そして『Ready Steady Cook』でもお馴染みのTobie Puttock氏、ブリズベンにあるレストラン〝Bretts Wharf”のシェフAlastar Mcleod氏の4人のエグゼクティブ・シェフが手掛けるメニューを味わえる特設レストラン〝Lindemans Early Harvest Restaurant”も登場している。ライブショーで披露したラムゼイ氏の3品はこのレストランで味わうことができた。そのほかにももちろんワインやチーズの講習会、クッキング・スクールの紹介などが詰まったプログラムも多彩。

   

そんな中、去年の同イベントより〝Sake Japan”として参加し、日本酒の販売を行っているブースがある。オーストラリアでの日本酒は、少しずつではあるが認知度が上がってきており、本物の日本酒の味をオーストラリアで広めたいと尽力する前田幸俊氏の今年の手ごたえはいかほどだったのだろうか?

  

「今年は去年よりも人手が多く、嬉しいことに日本のお酒に興味を持って、自らブースへ足を運んでくれる人が多いですね。また去年は梅酒に人気が集中しましたが、今年は日本酒にも人気があります。また売上も順調ですので、非常に大きな手ごたえを感じています」

  

オーストラリアの食文化は「乏しい・味気ない」というのはウソである。この会場内で紹介されたのは、本物の味を追求した美味しいものばかり。メルボルンの食文化は世界中からの移民の文化を反映し、とても豊かで素晴らしいものであると〝Good Food & Wine Show”が証明している。

  

◇会場の様子


Good Food & Wine Show
URL: http://www.goodfoodshow.com.au/

Gordon Ramsay Home Page
URL: http://www.gordonramsay.com/

SAKE JAPAN E-shop
URL: http://www.sakejapan.com.au/

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