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ジャズピアニスト上原ひろみさんインタビュー

“音にありったけの気持ちを込めたい”

2012年5月26日掲載

 

今年で15年目を迎える「メルボルン国際ジャズフェスティバル」が、6月1~10日に開催される。今年は日本人ピアニスト、上原ひろみさんも出演。メルボルンでの公演前の心境をインタビューしてみた。

 


Photo: Sakiko Nomura

<上原ひろみさん・プロフィール>
静岡県浜松市生まれ。6歳よりピアノを始め、同時にヤマハ音楽教室で作曲を学ぶ。ボストンのバークリー音楽院に入学し、在学中にジャズの名門テラーク・レーベルと契約。2003年にアルバム「Another Mind」で世界デビュー。毎年約100日150公演のツアーを続けている。ニューヨーク在住。
オフィシャルサイト<http://www.hiromiuehara.com/profile/index.html>より

 

―8才の時、ピアノの先生宅でジャズとの出会い。ジャズの一番の魅力はなんでしょうか?
ジャズという音楽で一番好きな所は、即興演奏です。クラシックやロックなどいろいろなものを聞いてきた結果、今の音楽があります。毎日何が起こるかわからないところが、魅力です。

 

―メルボルン国際ジャズフェスティバルでは、身近にジャズを感じてもらえるように、無料の家族イベントが多数開催されます。ジャズの本場、アメリカに滞在していて、生活にジャズが溶け込んでいるなあと感じる場面はありますか?
レストランに普通に生演奏があるところでしょうか。後は、生演奏がなくても、レストランの音楽のボリュームが大きい所。人が音楽を聴きに食事に来る、というよりも、食事をしにきたら、良い音楽に出逢えた、という事があったりすると、生活に溶け込んでいる感じがします。たくさんの素晴らしい生演奏に触れる事は、ピアノの上達にもよいのだと感じています。

 

―ひろみさんの演奏はダイナミック、電光石火、衝撃的だと世界中で大絶賛されています。ご自分の性格もこれに当てはまりますか?
性格は、衝撃的ではない事を祈りますが。笑。
エモーショナルな部分もあれば、のほほんとしている部分もあります。


音楽は音楽から創られるものではないので、いろいろな経験や出逢いを踏まえて、人生経験を広げたい。
そんな気持ちから、ひろみさんは日本の大学で法学を専攻したという。

 

―メルボルンでもたくさんの日本人留学生が夢に向かって進んでいます。バークリー大学での音楽留学で驚いたこと、日本のジャズピアノと違う点は何ですか?
日本で音楽学校に行った事がないので、違いはよくわかりませんが、やはり音楽だけではなく、文化も含めて、自分の培っていた倫理観が道理の通じない海外の文化に触れる事は、とても人生勉強になりました。

 

―6月2日の公演は、アンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップス と一緒に3人での共演。以前にも3人で演奏されたことがありますが、トリオ結成のきっかけ、3人ならではのハーモニーがあったら教えてください
私自身の最新作であるアルバム「VOICE」は、人の本当の心の声、感情の動きを表現しました。「VOICE」を創る時に、2人の音が頭に浮かび、そこからのおつきあいです。今は世界中を西遊記のように回っており、最高のメンバーで巡り合えて、毎日幸せです。

 

―6月4日はソロ奏宴。メルボルンの観客に届けたいもの、一緒に創り上げたいものは何ですか?
ライブは一期一会。毎日が一生に一度のステージです。その瞬間をともに出来る事に感謝しながら、音にありったけの気持ちを込めたいと思います。

 

―10年後は、どこでどんなことをしていると思いますか?
これからもずっとピアノを弾いていると思います。毎日一歩一歩積み重ねる事が、10年後に繋がると思うので、コツコツ山登りをしたいと思います。

 

上原ひろみさん、どうもありがとうございました。

 

 
時には大きな笑顔を浮かべながら、誰かと会話をいているかのようにピアノを演奏するひろみさん。
上原ひろみさんとのジャズでの対話に、あなたも参加してみてはいかがでしょうか。 

聞き手・文:久里類
 

Melbourne International Jazz Festival
日程:6月1~10日
場所:イベントにより異なる
料金: イベントにより異なる
WEB: melbournejazz.com

 

◆上原ひろみさんの公演◆
6月2日(土) Hiromi: The Trio Project

6月4日(月) Hiromi: Solo / Eli Degibri Quartet

6月5日(火) Hiromi: Club Session (SOLD OUT)

 

 

Photo: Sakiko Nomura

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