インタビューinterview

ライフスタイルlife

日産自動車 セグメント・チーフ・プロダクト・スペシャリスト 土井 三浩氏 インタビュー

“MICRAの父”土井三浩氏が来豪!

先日行われたMICRA(日本名:マーチ)の発表会にて、MICRAの生みの親である日産自動車本社 生産企画部 部長の土井氏にお会いしお話をうかがった。この日のために1泊2日でメルボルンへ来られた土井氏にMICRAや自動車市場の現状について気さくに語っていただきました。GO豪メルボルンの単独インタビューをお楽しみください。

インタビュアー:河内 雄大、長谷川 潤

 

 

【プロフィール】
土井 三浩 Kazuhiro Doi
日産自動車株式会社 商品企画本部 商品企画室所属。日本でも人気のある日産マーチの生みの親。

--まずは今回のMICRAの発表、おめでとうございます。日本のマーチが遂にオーストラリアでデビューですが非常に楽しみですね。

ありがとうございます。MICRAはさまざまなニーズにお応えできる車に仕上がっています。
オーストラリア市場の特徴として、お客様の要望の幅が広いということがあります。
価格重視や燃費を気にされるお客様もいらっしゃいますし国土が広いので純粋にドライブを楽しみたいというニーズなどもあるでしょうね。
どうやってこれらの広いニーズをカバーするかということが非常に大事だと感じています。だからエンジンも燃費のいい1.2リッターのエンジンと楽しい走りを重視した1.5リッターのエンジンの両方を用意しました。


--それは細かいニーズをカバーするためですか?

燃費を考えるお客様、‘走る’ことを楽しみたい方それぞれへ向けてですね。お客様のニーズによってエンジンの排気量が変わってきます。
先ほど聞いてびっくりしたのですが、オーストラリアには50社くらい自動車メーカーがあるそうですね? さすがに競争も激しいですし、その中でも日本勢は健闘しているのではと思います。
また最近ではHYUNDAI(韓国製)さんが非常にシェアを伸ばしていますね。
価格も非常にリーズナブルで、しかも「安かろう悪かろう」ではなく性能もしっかりしています。我々も頑張らないといけないと思っています。


--オーストラリアのマーケットの特徴は?

マーチは世界160カ国以上で販売をするのですが、たとえばエンジンの種類としてオーストラリアのように1.5リッターがある国はあまりありません。日本は燃費指向がとても強く、1.2リッターの車しかありません。タイも燃費指向で、2010年からエコカー優遇制度ができました。実はタイの中でMICRAが最初にエコカー優遇制度該当車に指定された車なのですが、未だその制度に該当する車はMICRAしかなく、タイで一番環境に優しい車ということで評判を頂いています。またインドですとディーゼルの車が多いですね。国が異なれば車の嗜好も異なります。
さらに色ですが、MICRAは世界中でだいたい9色で販売されていますが、オーストラリアだけは10色を揃えました。オーストラリアのお客さまは、それこそ10人10色で嗜好の幅がとても広く、頑張ってそれにお応えする努力をしてきました。


--ちなみにそのエキストラの色は何色でしょうか?

もともと世界各国でのコミュニケーション・カラーとしてオレンジとグリーンの2色を設定しました。でも従来では販売国の特徴を加味してどちらかの色しか使っていません。たとえば日本ではグリーンを使用しており、インドであれば オレンジを使用しています。
ところがオーストラリアでは、オレンジとグリーン両色が販売されています。
オーストラリアは空気もきれいだし、空も青いのでやっぱり綺麗な色の車が人気なんですね。これもまた多様化したニーズへの対応という戦略の一部ということです。

 

--今回のイベントの狙いは何ですか?

MICRAはコンパクトカーであり「1.2リッターのエンジン」というと非力に聞こえるかもしれません。しかし乗ってみると全然違う印象をもたらせてくれます。決して非力ではなく特に街中を走るには十分な走りを活かすシティ・カーですので、是非、実際に乗って確かめていただきたいですね。
MICRAの容姿はシドニーのモーターショーでお披露目させてもらっていますが、試乗は本当に初めてです。本日いらっしゃっているメディア関係者の方々にとっても初めてです。モーターショウの中で、「で、走りはどうなの?」という話をたくさん頂いたようで、「では、試乗してみましょう!」ということになりました。

--新型MICRAの一番のセールスポイントは何ですか?

やはりシティ・カーとしての取り回しの良さ、それからきびきび走る車ということ、それに加えて燃費のいい車であることです。街中を普段日常使いしていただくのに、ベストマッチです。
オーストラリアという国土の広さからすると、かなり小さい車ではありますが、女性の方からは、世界中共通で取り回しのいい車が好まれる傾向がありますし、それから見た目も色も含めたかわいらしい外観を受け入れて頂けるよう企画をしてきました。
日産のシェアはオーストラリアではまだ6%ほどです。ですので私たちは2015年までのシェア拡大を目標にしています。やはりシェアを上げようとすると台数が売れる車を市場投入しないといけないですし、その第一弾がMICRAです。ここで弾みをつけて、次にまた何車種かをマーケットに投入して、シェアを上げていこうと考えています。

--そうすると、今日はものすごく大事なイベントですね?

大事ですね。大事なあまり無理やり日程をこじ開けて飛んできたのですが、おかげで1泊2日になってしまいました(笑)。おかげさまで、世界中でこの小型車は好評をいただいていますが、どこの国の販売も大事です。まさに世界戦略車ですから。

--オーストラリア以外で、成功例、あるいはリードしている国はありますか?

MICRAを最初に売り出したのがタイで、その後日本で販売を開始し、インド、中国、そしてオーストラリアと発表をしてきました。ヨーロッパもほぼ同時に立ち上がる予定です。一段落ついたら今度は南アメリカ大陸での販売を開始します。メキシコやブラジルなどですね。8月にはブラジルに視察に行ってきましたが、MICRAと同じコンパクトなハッチバックがたくさん走っていました。

--土井さんご自身のオーストラリア・マーケットの手応えや感触はいかがですか?

発売前ですから、まだ私自身はオーストラリアで走っているMICRAを一度も見たことがないですが、やはりポテンシャルが大きいゾーンであることは間違いないですし、他の強豪に対しても戦える自信は十分にあります。

--GO豪メルボルンのユーザー様やオーストラリアのお客様に向けて、メッセージをお願いします。

MICRAのベースになっている車のプラットフォームというのがあるのですが、そのプラットフォームというのは、日産の中で満を持して送り出すグローバルなプラットフォームです。どこのマーケットに持って行ってもベストのパフォーマンスをできる造り方をしているので、間違いなくオーストラリアの中で走っても皆さまに満足いただけると思っています。スターティングプライスも$12,990とお買い求めやすい設定をしています。是非ディーラーで試乗して、私が言ったことがウソでないことをお確かめください。次にオーストラリアに来た際には、MICRAユーザミーティングなんかが出来たら最高です!

 

お近くのNissanディーラーはこちらから検索!
http://www.nissan.com.au/PublicWeb/DealerLocator/dealer_search.jspx

 

 

初夏の夕暮れ、ドックランドにある立体駐車場を借り切り映画の撮影のごとくドライビングさせて頂きました。オープニングセレモニーにも関わらず貴重なお時間をいただき、熱くMICRAを語っていただいた土井さんに正真正銘、インターナショナルビジネスマンのスピリッツを感じました。思わず社用車で欲しくなる愛くるしさ満点のMICRAに我々も注目したい。
 

 

2010年11月29日掲載

コメント

以前のコメント

GO豪J   (2010-12-01)
土井さん、ほとんど突撃にも関わらず快くインタビューをお受け頂き、誠にありがとうございました。

関連記事

最新記事