うら「URA」shop
日本の伝統とモダンがうまく混じる雑貨屋といえばここ!
2011年3月15日掲載
昨年の8月にオープンしたこの店「URA」
日本の雑貨屋を思わせる店。しかしよく見てみると、オーナーのこだわりに溢れていて、ここはただの雑貨屋ではない雰囲気が漂う。
元々大阪出身のオーナー’まつさん’。メルボルン在住3年半。以前は現地のカフェで働いていたという、とても話し易く気さくなオーナー。一度来たお客さんは、そこでオーナーと友達になってしまうケースも多々あるとか。それも納得できる彼には気軽に話しかけやすい雰囲気がある。まさにお店のオーナーにピッタリの人だ。お店ではセンスのいい音楽がいつも流れていて、つい「これは誰の曲?」と聞きたくなることも。実はまつさん、音楽のバックグラウンドも持ちDJなんかもしたりするという。さすが曲選びにも余念がないわけだ。
「URA」を開こうと思ったキッカケは、ここメルボルンでリアルな現代の日本文化を見せたかったという。現代の日本は伝統とモダン、和と洋が入り交じった独自の雰囲気を持つ。まつさんはそんな混沌とした日本独特の雰囲気を、商品やお店を通して表現したかったらしい。
名前の由来を聞いたとき彼はおもしろい例えを教えてくれた。よく日本の食文化を話す時、外国人が’’日本食=刺身や寿司、最近では照り焼きチキン’’と思いがち。しかし日本人が実際食べている日常の日本食は、’’納豆や漬け物、肉じゃが’’そういったものである。「URA」はまさに肉じゃがの部分、外からでは見えにくい日本の裏の部分を見せたいということがコンセプトになっている。外国人にとって裏(ウラ)「URA」と感じる部分も、実は日本人にとっては表(オモテ)な部分。ここで勘違いしてはいけないのが、この店は外国人向けというわけじゃない。ここには、日本人が見て「あーこれ懐かしい」と手にとりたくなるような物がたくさんある。そしてそれは外国人にとって、新鮮な部分であることは言うまでもない。
半年に一回の割合で日本に帰国し、京都の骨董市なんかで仕入れをしているというから、この店で掘り出しもの、一点ものを見つけられる可能性もある。まつさんの趣味で選び抜かれたユニークなTシャツ、鞄、ソックス、フィギュア、湯のみセットと、とにかく置いてあるものは多種に渡りおもしろい。
その中の一つで注目するものに、京都の知る人ぞ知る’‘Sou sou’’さんから仕入れ品、足袋、のれんなどがある。このお店は、日本伝統の軸線上にあるモダンデザインで、伝統工芸を新しい世代の人に伝えるというコンセプト。衣類から家庭用品の家具、食器まで幅広い品揃えだ。京都に行く際には是非注目したいお店の一つだ。メルボルンでは唯一この「URA」から販売されているというから要チェックだ。
お休みの日にBrunswick street のカフェでコーヒーを飲んだ後、Johnston streetにあるまつさんのお店に行ってみてはどうだろう。一人でも友達とでも、きっと彼は楽しい関西弁で温かく迎えてくれるはず。ここにいつもなら載ってるはずであろうまつさんの写真がないと不満の方にも、是非直接会いに行ってみてはどうだろう。決して損はしないと思う。
うら 「URA」
28 Johnston street, Fitzroy Victoria 3065
telephone (03) 9416 4503
写真・文 兼重貴子
(Written and photographed by Takako Drew)
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