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ANE News October 2013

ANE 2013プロジェクト

10月3日4pm ACMI Theatre

『毎日がアルツハイマー』上映会

Alzheimer Australia Victoria協賛

歌手・邦楽・音楽家募集

 

 

日本映画 毎日がアルツハイマー

 2003年に ヘーゼル・ホークさん(元オーストラリア首相の奥様)がテレビ番組で「わたしはアルツハイマー」と発表し彼女の勇敢さに驚きました。日本では、今でこそ「認知症」という言葉が使われていますが、一昔前は脳軟化症、ボケとよばれ、「年寄りだからしょうがない」と、思われてきました。

 2060年代には 85歳以上の3人に一人65歳以上の10人に一人が 認知症になり政府の医療負担が多くなることが見込まれています。原因は脳の中にBeta amyloid あるいは Tauと言うたんぱく質の一種が蓄積するからという説があり薬の開発も進んでいますが、まだ画期的な原因や治療法はわかっていません。癌研究には一億六千二百万ドル、心臓病には九千三百万ドル糖尿病には六千三百万ドルが使われていますが、アルツハイマー研究にははるかに少ない二千百万ドルです。

 アルツハイマーの診断テストがありますがとても難しいですよ。Q1:「ここにある6つの絵を覚えてください。」 ほかの話を少しして「さっき見た絵はなんでしたか?」 Q2:「百から6づつひいて言いなさい」 Q3:「野菜の名前を知っている限り言ってください」。あなたは自信がありますか?

 2013年8月1日発行の ライフ・プランニングセンターの教育医療機関紙に新老人の会の会員佐藤雅彦さんが 「認知症の人でも楽しむ権利がある」と寄稿しています。 「あなたは認知症」とお医者様から言われた時はじめは混乱や不安がありますが、それを乗り越えて生きがいや楽しみを持ちながら生きましょうと勧めています。施設に入っている認知症患者の皆さんは「判らないだろうからほっておいても大丈夫」と扱われていますが、だからこそ話しかけてあげて、同じ話を繰り返すことで昔の楽しいことを思い出してくれればうれしいです。

 人事ではなく、次はあなたの番ですよ。 毎日がアルツハイマーの上映会10月3日(木) Federation Square ACMI Theatre1。開場1時から。170席と限られていますので、予約をお忘れなく。 

― 真理ヘーゼルウッド TEL 9397 8421 / Eメール: asiaaccess@bigpond.com

 

 

リタイア・セミナー: レポート

 7月25日リッチモンドの綺麗な会社の建物内で行われたリタイアメントセミナーに行きました。1時間半の説明会に男性4人女性4人の方が出席。スライドを利用したスーパー、老齢福祉年金、銀行預金やセンターリンクのAged pensionに関しての解説の後、質問にも丁重に答えて下さいました。

 歯医者帰りの私は残念ながら頂けませんでしたが、美味しそうなお寿司も出て和やかな雰囲気でした。午前の部に続き今日2度目のセミナーで、50歳以上向きとありましたが、30歳後半から40歳代の世代、こちらで数年の滞在経歴者にとっても必要な知識だと感じました。

 オーストラリアのペンションと日本の国民年金制度などは似ているようで違い、その相互関係についてよく知らない人も少なくないと思います。政府からの保護を上手く利用しゆっくり過ごしたいですね。両国から100%づつの保護はなく、各国から50%ずつの援助を利用することは可能だそうです。スーパーやアニュイティーなどの商品を使うことによってよりセンターリンクの保護を受けることも出来るそうです。同じ収入でこういったプランの組み合わせにより、退職後の収入に大きな違いが出てきます。リスク込のファイナンシャルプランを選ぶべき年代は40代までで、50歳代になると確実な対策が不可欠になります。

 国を超えた知識、アドバイスや金融会社への紹介手続きも手伝ってもらえるので、一度は相談してみたいですね。今日のお寿司も本当に美味しそうでしたよ。

― かじおか・ななお(記)

次回、ご希望の方はお気軽にお問い合わせ下さい。
ウェルスプロテクション 吉住京子(ファイナンシャルプラナー) TEL 03 9014 9678

 


▲絵提供: 脇田 芳樹氏

 

柚子(ゆず)茶レシピ

 桃栗三年柿八年、柚子(ゆず)の大馬鹿十八年…というのを聞いた事がありますが、実がなるまで大変なのか、メルボルンで生の柚子を見た事がありません。ほんの少しで存在感たっぷりの柚子。子供の頃に毎年入っていた、柚子のプカプカ浮いたお風呂がすごく贅沢に感じられます。

 こちらでも韓国の柚子茶ならアジアン食材店で簡単に手に入ります。柚子茶でお風呂は無理ですが、香り付けとして色々お料理に使っています。柚子茶レシピの紹介です。

 

柚子茶で鮭のマリネ

(オーストラリアの大さじ1は小さじ4、日本の大さじ1は小さじ3です)

大きめのボールにだし汁180ml、砂糖小さじ9、醤油小さじ9、酢小さじ12、柚子茶小さじ6、塩小さじ1/2を入れてよく混ぜ、玉ねぎスライス1個分、人参千切り1/2本分を加えマリネ液を作る。

骨、皮を取り1口サイズに切った鮭約400gに軽く塩、胡椒をふり、小麦粉小さじ9をまぶす。180度の油で 揚げ、熱い内にマリネ液に漬ける。2、3時間味をなじませる間、冷蔵庫で保存して下さい。

― ヒューズ博美

 

 

映画評 - Quartet

 私たちシニアの映画を観る会がACMI のシニア・シネマで観たQuartet は、引退したクラシック音楽の音楽家たちが居住するホームでの話。ホームにかつて世界的名声を誇った年老いたオペラ歌手が入所して波紋が起きる。ホームの資金集めの目的で開く音楽会でオペラの四重唱を歌ってもらおうと、自分の部屋に引きこもって自分のCDを聴いている彼女を回りがやっきになって説得して、やがて彼女もホームの仲間とうちとけて「最後の舞台」で歌うという物語。名をなした音楽家たちは、お互いに嫉妬やエゴをむきだしにして、「私のときは拍手が何分続いた」「いや、私のほうがアンコールの数が多かった」といい年して言い争う場面など、華々しい人生の舞台裏をのぞかせて興味深い。

 ハリウッド映画俳優として有名だったDustin Hoffman が75歳ではじめて監督したことで話題を呼んだ作品である。映画でのホームはイギリスになっているが、イタリアのミラノにある引退したクラシック音楽家が居住する実際のホーム(Casa Verdi)がモデルになっている。美しいイギリスの田園風景を目にしながら、絶えまなく流れているクラシック音楽を耳にし、4人のイギリスの名俳優による余裕ある演技でコミカルに仕立てられたこの映画は、楽しめる要素が十分そろっていた。

 老人ホームとはいえ、記憶喪失から起こるおかしさ以外あまり老人ホームでの現実を描かない、いささか浮世ばなれした設定の中で、ある出演者は本物の音楽家でその人たちの吹き替えでない演奏を見聞きできたことは、現実性をあたえてくれた。映画の最後でベルディのオペラRigolettoの中の四重唱が高らかに歌われるシーンが吹き替えの音楽が聞こえるだけで、俳優たちが映されなかったことが唯一心残りだった。映画は、老人になることにコメントする意図はまったくないと思われるが、人間は年をとったら過去の成功に固執せずに、ホームメートと協調しなければ共存できない事実を感じさせられた。

- ピンカートン曄子

 

 

ユーカリ・エコー Warrawee Aged Care訪問

 Warrawee Aged Careは、Glen Eira City Councilによって運営されている公共施設です。約90人の高齢者が1つのコニュニティーをつくり、生活しています。

 メルボルンを基点として活動している日本女声コーラスが、高齢者のために日本語と英語の歌を歌い楽しいひと時を過ごしていただきたいという願いから、この高齢者レクリエーション・コンサートを致しました。特に冬という季節柄、どうしても単調で受身的な生活になりがちな高齢者に、歌や音楽を通してリラックスし楽しさの増進、外部の人たちとの交流、音楽からうける癒し(硬い表情が穏やかになった)気分転換などの効用があげられます。これらの効用は、わたしたちにも同じように作用したことをお伝えしたい。

 おなじみの英語の歌は、彼らの今までの人生の思い出と結びついているのでしょうが、私たちと共に歌い、手拍子をすることで、現在に適応できる能力を促進するという音楽の力を垣間見ました。

- レポーター 宮崎あい

 

 

日本の今、ひろい読み 第4回

 2年ほど前に国が定めた制度(サ高住)が高齢者に大きな関心を呼び、急速に普及してきた。従来は、特別養護老人ホームなどがあったが、現在40万人が入居待ちであ り、有料老人ホームは入居費用・維持費が高く、年金だけで暮らす多くの中間所得層にはなかなか入居は難しいことが背景にあった。

 多くの民間会社が競って提供するサ高住は、割安なタイプの供給が増えて一般住宅とほとんど変わらない費用で年金の範囲で入居・維持が出来る手軽さが受けて急速に普及してきている。 ひとり暮らしが出来なくなり介護が必要な人が食事の世話をしてもらったり、日常生活全般の手助けをしてもらったりできる高齢者を支えている。

 国は60万戸の目標を掲げており、現在の登録戸数は11万戸強である。具体的な例としては、家賃、共益費、生活支援サービス、一日3食の食事提供も含めて月 額13万円台からと安い施設も出てきた。厚生年金の平均受給額は月15万円ほどと厳しい年金環境だが、なんとか入居し維持できる金額である。サ高住の入居者の多くは単身高齢者であるが。夫婦でもOK。25㎡以上の台所、水洗トイレ、浴室、収納設備も法で義務付けられている。

 もちろんバラ色の話ばかりではな い。東京都心部には低廉な施設はほとんどなく20万円台から50万円までと高額の施設が多い。認知症や持病がある高齢者の場合は受け入れてもらいないケースが目立つ。施設面での充実も今後の課題である。

 急速に高齢化社会が進む日本では避けては通れない道でもあるし、企業に取ってはビジネスチャンスとも云え る。低廉で高品質なサ高住の普及が日本社会では期待されている。

- 板屋雅博 日豪プレス駐日本代表 東京神田で叶屋不動産(株)を経営。http://kano-ya.biz/

 

 

ホームステイ希望

11月来豪予定の北海道の画家、柳谷龍さんの「地図絵」 >>

 26歳の日本人青年が10月からメルボルンにホームステイを希望しています。バイク事故からリハビリを続け、東京で独り暮らし、車椅子バスケと、仕事も始めている。日本人・オージー家庭のいずれでも60日以上希望。

岡田 繁 jacky@ozpro.net へメールお願いします。

 

 

 

 

ANE カルチャースクール 要予約

内容 連絡先 担当 場所 日程 時間 費用
バイリンガル
俳句療法
kicho-nobunaga@ hotmail.com 小紋寿ルミ Writers Victoria,
3F Wheeler Centre, City
第2木曜 10:30-12:00 無料
折り紙クラブ 0425 766 485 ヒュース博美 Moonee Ponds 第2火曜 2pm- 4pm 無料

 

 

 

人生50年といわれたその昔 …   Part 8

「そなたはゼイタクに慣れてしまいましたが、先方が質素でも、なじむよう努めるのですよ」       

「昨日も、そうおっしゃいましたよ、母上。近頃母上は物忘れをなさいます」

「何度でも申します」

「信長様は、百姓の子を集めて戦争ごっこをしているウツケと言われているけれど」

「元気でよろしいではありませぬか。人の価値をウワサで判断するものではありませぬ。弟の信勝様を押す家臣もあると聞いて気になりますが、たとえ婿殿が跡とりになれなくとも、母はそなたが幸せでさえあればよい。幸せとは分かりにくいもの・・・私の幸せは、夫が美濃一の権力者という事とは関係ありませぬ」

「母上がお幸せなのは、父上に愛されるからでございましょう?」

「いいえ、帰蝶」三十六歳の小見の方は、少女のように笑った。「私が幸せなのは、私がお屋方様をいとしく思うからですよ」

「母上・・・?」

「それから帰蝶。婿殿が側室を持っても、嫉妬はなりませぬ」

「どの殿方も側室を持つとは限らぬと、光秀は申して・・・」

 言いかけると、小見の方はピシャリと言った。

「光秀とて一城のあるじとなれば同じじゃ。夫の側室を大切にする事ができるようになって初めて、城の女主人の貫禄がつくのだと心得なされ」

「側室に嫉妬しないなど帰蝶には、できませぬ」

 上目づかいで母を見て、帰蝶はこまかく首を振った。父母の愛と、まわりの羨望を受けて育った姫の本心だった。

「心の中で嫉妬しても、不満を見せねばよいのじゃ」

「え?」帰蝶は目をパチパチした。

「子をなすのは家のため。複数の女性と関係を持って、妻に新たな情がわく殿方もあります」

 これは帰蝶にも、なんとなく分かった。

(父上は母上のご前で侍女の尻をなでながら、いじわるく母上のお顔をごらんになる時がある。そんな時母上が、嫉妬しているかしていないかのように振舞われるのが奥ゆかしい。そんな夜はきっと、父上は母上のへやで休まれる)

小見の方は、言った。

「そなたは正室、城の女主人。城主が兵をいたわるのと同じように側室を大切になさいませ。母もそう心がけています」小見の方は、心配そうに帰蝶の顔をうかがった。帰蝶はマジメに聞いている。「それから帰蝶、ねやで殿を満足させる事も武家の嫁の心がけですよ」       

帰蝶はホホを染めてうなずいた。

小見の方の居間では、帰蝶が生けたチンチョウゲの薄桃色の花が、柔らかな風と共になまめかしい匂いを運んできた。 

(続)

小紋寿ルミ
http://iflit.wordpress.com/2012-participants/rumi-komonz/

 

 

日本食共同購入プログラム

<< 絵提供: 脇田 芳樹氏

 10月の注文締め切りは10月2日午後9時で、配達は10日の予定です。ANE法人スポンサー、ダイワフード様のオンラインショップ、市場ジャンクションhttp://www.ichibajunction.com.au/ja/から注文したい商品を選び、担当のひろみ (ANEfood@gmail.com) までメールして下さい。(注:オンラインではご注文なさらないで下さい。)

 

 

故郷(ふるさと) 高野辰之 作詞

 10月3日の「毎日がアルツハイマー」上映会の締めくくりとして、新老人の会日野原先生がいつも会の最後に全員合唱をしておられる「ふるさと」を歌います。リードして下さる歌手募集受付中です。


 うさぎ追いし かの山 
 小鮒釣りし かの川

 夢はいまも めぐりて
 忘れがたき ふるさと


 いかにいます 父母
 つつが なしや 友がき 

 雨に風に つけても
 思いいずる ふるさと


 こころざしを はたして 
 いつの日にか 帰らん

 山はあおき ふるさと
 水は清き ふるさと

 

 

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