蕎麦をメルボルンに広め隊 大阪より参上!
~いつもソバにいたいから~
2012年5月30日掲載
「おいしいー!!」
ゆでたての蕎麦を口にした瞬間、手打ち蕎麦教室に参加した生徒さんから一斉に感嘆の声があがった。
5月21日、Hawthornにあるレストラン「OCHA」で、大阪より来豪した石川肇さん、梶谷清さん、森田啓二さんによる蕎麦つくりレッスンが行われた。
そば軍団:右より森田さん、梶谷さん、石川さん、OCHAオーナー吉田さん
手打ち蕎麦の工程は6つ。
まずはそば粉をふるい、水を回し入れながらこねていく。こねる回数は100回程度。そば粉同士がうまくつながって、球の状態になっていく。次に麺棒を使って丁寧にうすく伸ばしていく。球状の塊がゆっくりと平らに広がっていく様子は、見ていてとても楽しい。
60センチほどの四角形に整えられた蕎麦を折りたたみ、そば切り包丁で細く切ると、手打ちそばの出来上がり。生徒さんの表情は、作業中ずっと輝いていた。
今回、メルボルンを訪問した蕎麦職人の石川さんと、手打ちそば教室を企画した「OCHA」のオーナー、吉田康彦さんとの出会いは7年前の大阪でのそば教室。
「日本に一時帰国した吉田さんが、私の手打ちそばを習いに来たはったんですね。そばは栄養豊富な健康食なのに、メルボルンにはまだまだ浸透していない。
これからの日本食はそばが流行るんじゃないかと、吉田さんが注目したんです。
それじゃあ、一緒にそばをメルボルンへ広めようとアイデアを出しましてね。どんなそば料理をメルボルンで出したらいいのか試行錯誤しているんです。
そば料理にもいろいろなものがあるんでね。抹茶そばやミントの葉をみじん切りにして混ぜ込んだミントそば。クレープ、そばニョッキ、クリームやトマトソースとからめてパスタ風。
のどごしと食感をあじわってもらうために、どのそば料理がメルボルンの人に受け入れられのか、蕎麦のスタイルを模索中です。」
メルボルンのスーパーでも乾麺、真空パック入りのそばが手に入る。
本格的な手打ち用のそば粉も、北海道と気候が似ているタスマニアで蕎麦の実を育てていて、オーガニックショップなどで手に入るのだとか。
「やってみないと、食べてみないと。
みんな久しぶりにおそばを食べたって言ってくれた。
ジャパンフェスティバルでは蕎麦打ちの実演やったらすごい人が集まってきて、打ちたての蕎麦があっという間に売れてしまった。
いやー、すごかった。メルボルンで手ごたえを感じていますね。」
と石川さんは話す。
手打ちそばの実演は、子供達にも釘付けだ。親子そば教室やアウトドアでのレッスンなど、アイデアはどんどん広がっていく。
手打ちそば実演後、OCHAレストランでそば懐石でのディナーが開催された。
メルボルンの人達にも「センセーショナル!」と大好評。
「こんなに打ちたてのものを食べたのは初めてだからね。キレ、歯ごたえともにすばらしい」と絶賛している人も。イタリア人の夫婦は、「抹茶の味がうまくおそばに溶け込んですばらしい。しっかりした歯ごたえ、すべてが見事にできている」とベタ褒め。
「おそばを愛するのは日本人の心。
今回のイベントで沢山の人達に手打ち蕎麦の美味しさを味わってもらい、手打ち蕎麦をつくる楽しみもお伝えする事が出来た。
これからも手打ち蕎麦のメルボルン制覇を目指すぞー!!!」と、吉田さん、石川さんの熱意は増すばかり。
蕎麦は音を立てて食べても良いもので、見て、香りを嗅ぎ食感を味わってと、まさに五感を使って楽しめるもの。
今回の蕎麦イベントは大成功に終わり、「来年も同じ様に手打ちそばの講師陣をメルボルンへ招待する予定です。」と吉田さんは手ごたえを感じている。
まだまだ未開拓のメルボルンでのおそば。
そばブームを起こすためのみなさんのアイデア、どしどしお待ちしております。
聞き手・文:久里類
そば処「つくし」 (大阪)
http://www.tsukushi-soba.com/