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ANE E-News December 10-001

1) 教育医療 2010年 11月号  Life Planning Centre Newsletterより

人生を豊かに過ごすための整形外科の話 広尾整形外科院長 雨宮章哲先生

今日はロコモテイーブシンドロームで要介護になりそうな腰、膝、骨粗しょう症についておはなし致します。ロコモテイーブシンドロームとは、高齢になって骨や関節、筋肉などが衰えて介護が必要になる危険性が高い状態を言います。次の7つの状態のどれか1でも当てはまるものがあればロコモテイーブシンドロームです。

1. 2kg程度の買い物の持ち帰りが困難
2. 家のやや重い仕事が困難
3. 家の中でつまづいたり滑ったりする
4. 15分くらい続けて歩けない
5. 横断歩道を青信号で渡りきれない
6. 階段を上るのに手すりが必要
7. 片脚立ちで靴下がはけない


腰部脊柱管狭窄症

年齢とともに背骨が変形したり脊柱管が狭くなり、背骨の中に通っている神経が圧迫されて足や腰がしびれたり、痛むといった症状が特に足に現れます。この病気は歩きはじめてしばらくするとふとももや膝から下にしびれや痛み、つっぱり感が出て歩きづらくなりますが、こし掛けたり前かがみで少し休むと、神経の圧迫が軽減されてこれらの症状が楽になります。この病気と似た症状を示す病気に閉塞性動脈硬化症がありますが、この病気の場合は、前かがみになっても症状がよくならないところが異なります。腰部脊柱間狭窄症の症状を軽減するには内服薬としてオパルモン、プレタールの投与と神経への注射などを行います。この病気の手術には十分な検討が必要でしょう。


変形性膝関節症

関節のクッションの役をしている軟骨が磨耗して痛みや腫れを起こす疾患です。膝関節は全体を滑膜という膜で包まれています。変形性膝関節症は、男性より女性に多い傾向があります。高齢になると軟骨を作る能力が下がるため軟骨の損耗がおこります。軟骨はヒアロン酸とアグリカンにII型 コラーゲンのネットが組み合わさった構造をしており、水分を多く含む性質があり、荷重がかかると変形して水分を出します。軟骨はスケートリンクの10倍すべりが良いと言われています。

治療としては、痛み止めとしてロキソニン、ボルタレンを処方しますが、これらの薬は胃に負担がかかります。その他抗炎症薬として、CoX II 阻害剤セレコックス、モービックなどを使用します。関節への注射としてはヒアロン酸とステロイドがありますが、ステロイドは変形を悪化させるので原則使用禁止です。摩耗により剥離した軟骨の破片が滑膜を刺激して炎症をおこすと腫れて、いわゆる水のたまった状態になります。変形性膝関節症にはヒアロン酸を注射により直接関節に注入します。この注射は滑膜炎の防止になります。この注射を繰り返し受けても副作用や害が出る心配はありません。ただし注射の角度が悪いと、滑膜を傷つけ、かえって水が余計にたまってしまうことになります。一般に飲むサプリメントがいろいろ宣伝されていますが、消化されて血液中に吸収され、その一部が膝の滑膜に届くかもしれませんが、過剰な期待はできません。また、軟骨には血管がありませんので直接軟骨に行くこともありません。サプリメントには過大な宣伝もありますので、注意を要します。

リハビリテーションと筋肉トレーニングは、腰掛けて膝をまっすぐ伸ばして脚を浮かせる方法が一般的ですが、その方法より、上向きに寝て太ももを立て踵でおす動作をお勧めします。膝装具は、ある程度の効果はありますが装着が大変です。一人一人の歩き方を診て靴の中敷を設計制作するインソールが良いと思います。人工関節の手術は、手術を受ける前に充分に主治医と相談してください。


骨粗しょう症 (Osteoporosis)

骨量は20歳までは年ごとに増えますが、20歳をピークに40歳まではほぼ水平に推移し40歳をこえると急激に低下します。20歳の平均骨量にくらべて70%未満を骨粗しょう症といいます。わが国(日本)の骨粗しょう症は千百万人いると言われ、男性3に対して女性7の割合です。骨粗しょう症は骨折しやすくなり姿勢も悪くなります。背中が曲がると逆流性食道炎になりやすくなります。骨粗しょう症のリスクファクターは、酒、たばこ、ステロイド、運動不足、早い閉経、やせた体格などで、女性ホルモンのエストロゲンが低下すると骨が弱くなります。

骨は細胞と細胞外基質とから成り、細胞には骨細胞、破骨細胞、骨芽細胞があります。破骨細胞は古い骨を溶かし(骨吸収)骨芽細胞は新しい骨(骨形成)をつくります。これを骨代謝回転といい、そのバランスのよい事が骨の質にとって重要です。1年に10%の骨の組織が入れ替わります。3週間で骨吸収した部分を3ヶ月で骨芽細胞が再生します。エストロゲンが低下すると破骨細胞が活発化します。一定容積あたりの骨量を骨密度といいます。骨密度の測定は手首などで測る方法もありますが、骨盤で測るdexaという骨代謝マーカーを利用します。これは 朝の2番尿で試薬を作って破骨細胞の活動状況を診るものです。

治療薬として、ビスフォスフォネートやエビスタがあります。近い将来、月一回服用すればよいビスフォスフォネート製剤が発売されます。数年先にはパッチ剤も発売されると思います。

骨粗しょう症予防の食生活としては、カルシューム800MG/1日以上、ビタミンD、質の良いコラーゲン、魚、干ししいたけ、なっとう(ビタミンK)の摂取が推奨されます。ビタミンDはカルシウムを上げる作用があるので服用に際しては注意を要します。

高齢者向けの家屋の階段は両側に手すりをつけることが望ましいですが、完全なバリアフリーよりも適度にバリアーがあるほうが良いと言われています。

リハビリは姿勢を改善し、良い姿勢をつくります。横隔膜、骨盤、腹筋、背筋などを正しく保ち腰の安定を良くします。良い姿勢は骨盤が少し前に傾いていますが背骨が丸くなり頭が前に出てきますと骨盤は後ろに傾きます。脊柱管狭窄症の場合は前記の良い姿勢より前かがみの方が楽かもしれません。

(報告 松原博義)



2) South Yarra Community Centre  Kotoさんのクラス、最後の授業は“和菓子に挑戦”でした。

Centreのオーストラリアのかた3名、日本側応援団5名、試食にはセンターの世話役のかたも参加です。

Koto先生のレシピ Strawberry Rice Cake(いちご大福)の作り方

イチゴを洗ってへたを取ったものをあんこに包んでおく。イチゴは小さめの方が包みやすい。12個分くらい。

あんこの作り方はこちらを参考に!
http://www.dengonnet.net/articles/sweets/2009_09/

もち粉 (Glutinous rice flour)120グラム
水 180グラム
砂糖 40グラム

上記をだまにならないように混ぜ合わす。

レンジで1分加熱し、よく混ぜる

再度、レンジで1分加熱

しっかり混ざり、透明感がでたらOK。まだのようなら再度、レンジで1分加熱

片栗粉(コーンフラワー代用可)をひいたシートの上におく。

乾かないようにすばやく、小分けする。

熱いので注意!

イチゴをあんで包んだものに上から包んでいく。

できあがり♪
こちらも参考に!

http://cookpad.com/recipe/318480

※白玉粉はもち粉で代用?
レンジの加熱の時間は日本のワット数と異なるため、何度も試すのが早道です。

参加されたみなさんがたくさん手伝ってくださって、”Too many chefs spoil the broth”にならなくてよかったです。もち粉をつかって簡単に出来る所がみそ。みなさんにお土産ができて、今年最後のクラスも無事に終わりました。ありがとうございました。

Koto 

Koto先生にはフアンができて「来年もお願いします」といわれました。12月・1月は夏休み。来年の計画を検討します。他にも講師のご希望者を募ります。教えてもらいたい、教えたいかた、ご連絡下さい。



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