Barista 体験記 ②横井 里奈
更新日: 2015-10-01
こんにちは。
今回は私のバリスタスクール卒業生 横井 里奈 さんを紹介したいと思います。
大学を休学して来た横井さんはここメルボルンでバリスタを始めた1人です。コーヒー好きの彼女が仕事を見つけるのはとても簡単ではなかったようです。 彼女のストーリーが今後ここでバリスタを始める誰かの役に立てば幸いです。
では、横井 里奈さんのバリスタ体験記をお楽しみ下さい。
こんにちは。ワーキングホリデーで4 月から約1年間の予定でメルボルンに滞在中の横井里奈と申します。
7月にSuperrandomで働く友達の紹介で下山さんのバリスタスクールに参加させて頂き、日本でのバリスタ経験は全くない私でしたが、つい最近、Camberwellにあるカフェでバリスタとして働き始めることができました。まだまだ学ぶことばかりで、今でも自分がバリスタだということが信じられませんが、私の記事がこれからメルボルンでバリスタとして働こうとしている皆さんの役に立つのなら嬉しいと思い、書かせていただくことにしました。
日本を出る前から、カフェの街メルボルンでバリスタとして働くことは、コーヒーが大好きだった私にとって夢でした。それでも、特に未経験者にとって、メルボルンでバリスタとして働くことがどれだけ大変で、狭き門なのか全く知らなかった私のジョブハンティングは、簡単なものではありませんでした。
+バリスタレッスン
メルボルンに来た私は初めに語学学校のバリスタ1dayコースを2つ受けました。しかし、早口の先生の英語による大人数に向けてのレッスンは、まだコーヒーの種類でさえしっかり理解していなかった私にとって、ほぼ無意味といえるものでした。特にラテアートのコースでは、3時間のコースで何も描くことができず、「普通はみんな最低でもハートは描けるようになるのにがっかりだ」と先生に言われ、もう私にはきっと向いていないんだと、バリスタになることを諦めかけました。ジョブハンティングを始めてみたものの、どこへ行っても"Experience required"という壁に阻まれ、バリスタ1dayコースでもらったcertificateでさえ全く通用しませんでした。
そんな時に、Superrandomのバリスタさん達によるラテアートのワークショップ、そして下山さんのバリスタスクールを紹介してもらい、参加させて頂くことができました。内容は私が前に受けたコースとは比べ物にならないくらい丁寧で、ほとんど何もわかっていなかった私に一からひとつずつわかりやすくコーヒーの作り方を教えて頂き、バリスタになることを一度諦めかけていた私にとって、それは夢のようなワークショップでした。エスプレッソの抽出からミルクのスチームまで、私のペースに合わせて、私に合ったやり方で教えて頂き、数時間の間で私のコーヒーは同じ人が作ったとは思えないほど生まれ変わりました。また、初めてラテアートでハートを描けたときは、嬉しくて嬉しくて、涙が出そうだったのを覚えています!!(笑)
+仕事探し
その後、前よりも自信を持ってコーヒーを作れるようになった私は、最初に行ったコーヒースクールで与えられていた数回の自主練の機会を利用して、ワークショップで学んだことを基に練習し、再びジョブハンティングに挑みました。しかしそこで学んだのは、カフェの街メルボルンといえども、すべてのカフェが良いカフェではないということでした。レジュメを何十枚と配っても、ほとんど連絡は来ず、やっと連絡が来て雇ってもらえそうになったカフェは、私が未経験者かつ日本人でなかなかカフェで雇ってもらえないのを逆手にとって、無給で働かせようとするものでした。
+働く
もう無理かもしれないと、再び諦めそうになっていたときに、下山さんから連絡を頂きました。CamberwellにあるSuperrandomの常連さんのカフェが、バリスタを募集しているという連絡でした。Superrandomの常連さんなんて、そんな大事なお客さんのお店に私なんかがバリスタとして足を踏み入れて良いのか、不安な気持ちもありましたが、こんなチャンスはめったにないと思い、とにかく電話をして、トライアルを申し込みました。ワークショップで撮った動画やメモを何度も何度も電車で見返して、イメージトレーニングをして、ドキドキしながらお店に足を踏み入れました。トライアルといったら、言われたコーヒーを作ってそれをオーナーに飲んでもらい、オーナーが決める、そんなテストのような形式で行われると思って覚悟していました。しかし、混み合うお店のカウンターには、すでにコーヒーのオーダーがずらりと並んでいて、オーナーはまず私に、「じゃあカプチーノのオーダーが入ってるから作って!」と言いました。「え!お客さんに出すの?!」訳も分からずとにかくオーナーとバリスタの男の子に言われるがままコーヒーを作り続け、知らない間に1時間が経っていました。私のコーヒーは全くもって完璧なコーヒーではなかったし、これはお客さんに出せないと言われて作り直したりもしました。それでも、笑顔とハキハキしゃべることだけは忘れないようにして、バリスタスクールで教えてもらったことを頭で何度も繰り返しながら、出来ないなりに、私の出来る限りの事をやるしかないと、必死に1時間動き続けました。帰り道、オーナーが駅まで送ってくれる車の中で、「来週また来てね」と言ってくれました。もう、飛び上がるほど嬉しかったです。
こうして今、おかげさまでそのカフェで働かせていただいています。まだまだ新人で、毎日学ぶことが多すぎて頭がパンクしそうになりますが、この数ヶ月間ずっと夢見ていたことが今現実になっているんだと思うと嬉しくて仕方がありません。
メルボルンには長期、短期のバリスタコースを開いているスクールが沢山ありますが、そのようなところに大金を払ったからといって、必ずしもコーヒーメイキングのスキルが上がるとは限りません。私の場合、語学学校のバリスタコースで費やした時間よりも、下山さんのバリスタスクールで教えてもらったことの方が、何十倍もためになったし、何よりスクールのあとも私達スクール生のことを気にかけて下さって、特に私は素敵なカフェまで紹介して頂いて、今こうして働くことが出来ています。
私は縁あって、紹介からバリスタの仕事に就かせて頂くことが出来ましたが、私のような全くの未経験者でも、本当にやりたいという気持ちさえあれば、チャンスは巡ってくるんだと思います。諦めそうになっても、絶対に諦めなかったら、ここメルボルンでも、バリスタになることは可能だということを私は教えてもらいました。
大好きなコーヒーを通してメルボルンの素敵なお客さん達にハッピーを届けられる、そんな素晴らしいバリスタという仕事に就けた幸せを噛み締めながら、これからもっともっと頑張りたいと思います。
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店舗情報
Cafe:Bella Sistas espresso
Barista:Rina Yokoi
Address:970 Toorak Rd Camberwell
Business hours : 7:00-17:00
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次回へ続くのでしょうか。
バリスタスクールは毎週行っております。興味のある方はメッセージをお願いします。またスクールの様子はこちらからご覧下さい。
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