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Cafe Segovia 

人生は楽しむものだから、ね。

2009年09月21日掲載
 

Life, Music, Food and Passion



 リトル・コリンズ・ストリート(Little Collins Street)とコリンズ・ストリート(Collins Street)。を結ぶ小路、ブロック・プレイス(Block Place)。ただの路地裏かと思いきや、そこに足を踏み入れると予想外に、途端に忙しなく行き交う人々の波にのまれる。次に目にするのは、そうして動き続けている人々とは対照的に、この場所に根を生やしてところ狭しとひしめき合っている、小粋な店の数々。店の照明が薄暗い石畳の路地を色づける。古い映画の冒頭に迷い込んだような錯覚に陥り、何かが始まる、そんな思いを起こさせる。


 出会ったのはRod。路地の中ほどにある、『Cafe Segovia』の前で通り過ぎる人々に声をかける彼。背筋をしゃんと伸ばしまっすぐ前を向いている、その立ち姿が印象的だ。

「やあ、いらっしゃい。よく来たね。」

 彼は私がここを訪ねるのを前から知っていたのだろうか。昔馴染みの友人を招き入れるかのように、自然に手を差し延べた。


 店内に入ると、正面に天井まで幾何学紋様の描かれた壁が目を引く。右手の壁にはメニューが手書きされた大きな黒板。それらふたつが空間を広々と見せている。左手にあるカウンターを私の居場所に決めて、腰掛ける。


 店名にある「Segovia」とは、スペインの都市の名である。けれども内装を見ると、どうもスパニッシュという感じではない。店内にちりばめられた様ざまなオブジェは、色いろな国からの土産物みたいにも見える。Rodに問えば、「どこの国をイメージしている訳でもないよ。」と言う。このカフェがひとつの違う国なんだろう、と思う。どこの国かはわからない、どの国にもなりうる。それゆえにどんな訪問者をも快く受け入れてくれる、そんな雰囲気。

 奥の壁の紋様の一部は厨房のドアで、スタッフたちはその秘密の部屋からふいに現れては消え、また現れる。躍るように弾むように動き続けているスタッフ。店内に流れる音楽のリズムに身体をあずけ、彼らが動いているのがわかる。みんな、笑顔を絶やすことがない。それが店を訪れる客に安らぎをもたらすのか、彼らの表情は幸福感に満ちたものだ。

 

 コーヒーマシンを前にして何杯ものコーヒーを次々と作りだしていくRod。テンポよく動きにひとつの無駄もなく、それはコーヒーマシンという楽器を奏でている姿に他ならない。

「人生、音楽、料理。それから情熱がここにある。このカフェが他と違うのはね、明らかに動いているんだ。」
 Rodの謎めいた言葉。躍動感がこのカフェの全ての物から伝わってくる。そういうことなんだろう。
 

Roasted tomato & fetta  $13.50(写真左) ・ Eggs San Pedro  $17.50(写真右)


 Calamari Salad  $16.50

 雨の日も曇天の日も、『Cafe Segovia』はここにあるのだと思うと安心する。この場所に出会えて本当にうれしい。その雰囲気が、スタッフの笑顔が、悩みや怒りを取り去るように、気持ちよく心に染みていくように思う。

「また来るよ。」その言葉を心をこめてRodに伝えた。


毎週金曜の夜はスパニッシュ・バンドの生演奏を楽しめる。

 
『CAFE SEGOVIA』
住所/33 Block Place, Melbourne VIC
電話番号/03 9650 2373
営業時間/月ー金 7:00~till late
     土 7:30~till late
     日 8:00~till late

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