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キリン搾りたてトーク#2 箏奏者 ブランドン・リー

愛を奏でる吟遊詩人のように

[ 9/Jan/2013 ]

 メルボルンを拠点に箏奏者として活躍の場を広げられていますブランドンさん。箏のこと、これからの夢を聞きました。

 

 

ブランドン・リー Brandon Lee

マレーシア、クアラルンプール生まれ。メルボルン大学卒業。

大学から箏を学び、シドニーで小田村さつき氏、東京で沢井一恵氏に師事。箏、十七弦の古典曲と現代曲を修得。2011年、沢井箏曲院の講師優秀賞を受賞。現在はメルボルンを拠点に精力的に活躍中。

Brandon Leeホームページより抜粋)

 

 

 

―メルボルン大学を入学後に箏を始められていますが、そもそものきっかけは何でしたか?

偶然なのですが、マレーシアにいた頃に日本のバンドのDVDを観たんです。ロックバンドだったのですが、箏の音がちょっと入っていて、「なんか、音が綺麗だなぁ。」と思ったのですが、マレーシアで箏を勉強するのは難しかったんです。

それからメルボルン大学に入学して、日本語を専攻しました。教科書の後ろに文化関係者の連絡先がたくさん書いてあり、その中に箏の先生の連絡先があったので「やってみようかな。」と思ってやりはじめて、だんだん好きになって、やっているうちに面白い曲もあるなという発見もあり、今に至った感じです。

 

 

―どういう風に「音」が良いですか?

深いですね。一つの音が深いですね。

そして箏は人やその人の弾き方によって音も変わるんですよ。

沢井先生の「音」は一つの音だけでものすごく深いです。誰も真似できないですね。僕も全然真似できません。でもみんなそれを目指していると思います。

シドニーの小田村先生もとても素晴らしい演奏家です。よくシドニーにも行くのですが、いつも小田村先生の演奏を聞いて感動します。

上手な人たちの演奏を聞いて、もっとうまくなりたいといつも思います。

 

 

―日本(東京)でも沢井一恵氏に師事されているのですが、どれくらいの期間で、どのようなことをされていらっしゃいましたか?

大学2年生のときに日本へ留学しました。そのときは一般の生徒として月三回ほど沢井先生のレッスンを受けていました。その後メルボルンへ戻り、大学卒業後にすぐ日本へ戻って内弟子になりました。

内弟子と言うのは住み込みで先生の手伝いなどをするのですが、僕の場合は先生のお隣の家に住んで、毎日先生の家に行って掃除や楽器の準備、先生のお手伝いなどをしていました。その中で暇な時間に練習もしていて、結構楽しかったです。

内弟子は二年間ほどやっていました。

当時練習は毎日5時間ほどしていました。今は…ちょっと減りましたね(笑)。

 

 

―内弟子になるとご両親に相談された時、ご両親の反応はいかがでしたか? 住み込みになるわけですが?

反対されることはなくて、「好きなことをすれば?」という感じでした。父親も撮影関係の仕事をしているのと、姉たちも同様の仕事でアート系の家系だったのもあって理解がありましたね。

 

 

―箏には書道のような級などはあるのですか?

ありますね。初級、中級、上級、講師、師匠ですね。

僕は講師を取得するまで3、4年かかりました。

 

 

―日本滞在中に箏以外に何かされていましたか?例えば別にアルバイトなどは?

いや、何もやらなかったです。箏に集中したかったので。

 

 

―日本では人前で演奏されることはありましたか?

内弟子のときは少しやりました。演奏よりはほぼ練習が中心でしたが、合奏などもやりました。あと「おさらい会」というのがあって、他の生徒さん約50人の前では独奏しましたが、それだけでしたね。

メルボルンに戻ってきてからは独奏が多いです。

 

 

―ご自身で作曲はされますか?

いや、まだやったことないです。結構難しいのですが、機会があればいつかやってみたいです。

今のところは作曲よりも演奏をやりたいです。

 

 

―現在はオーストラリア中で演奏をされているのですか?

そうですね、これからもいろんなところで演奏したいですね。

 

 

―オーストラリアの人々の方は箏を聞いてどういった反応ですか?

結構良いですよ。「すごい楽器!」ということをおっしゃる方は多いです。

日本人の方も感動されていらっしゃるのですが、古典的なイメージもありますよね? 僕が現代曲を弾いたりすると、「あ、箏でこういうこともできるんですか?」と言っていただいて、それが嬉しいです。

 

 

―今後箏を通じて挑戦したいことはどんなことですか?

まずはやはり、オーストラリアの人々に「こういう楽器がありますよ。」と箏のことを知ってもらいたいです。

あとはレッスンもしているので、生徒も増やしたいなと思います。それでメルボルン箏合奏団とか作りたいです。

 

 

―もしジャンルを問わず誰でも共演できると言われたら、どなたと共演したいですか?

そうですね、特定のアーティストの方はあまり考えてはいないです。ジャンルとしてはいろいろやりたいです。ロックバンドともやってみたいですし、オーケストラと一緒にも弾いてみたいです。

日本では沢井先生がされているのですが、やっぱり難しい部分もあるので、頑張りたいです。

 

 

―最後の質問になりますが、ブランドンさんにとっての箏とは何ですか?

難しい質問ですが・・・。

僕は現代曲をよく弾くのですが、海外では現代曲は喜んでいただけるのですが、古典を弾くとあまり好まれない方もいらっしゃいます。でも僕は古典も大事にしないといけないと思っているんです。古典は古典でまた違った美しさがあります。一つ一つの音をよく弾かないと綺麗に響かないのですが、それもすごく素敵だと思っています。

今は現代曲に集中していますが、やっぱりときどき古典もみなさんに聞いていただきたいですね。

・・・うーん、(この質問は)難しい(笑)。

 

 

―ビールは良く飲まれますか?

そうですね、演奏の後に飲んだりします。

 

 

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Koto Player Brandon Lee ホームページ
www.brandonleekoto.com.au

 

ブランドンさんへの演奏依頼

ホールでの本格的なコンサートから、楽しいライブまで幅広く対応いたします。イベントでのデモンストレーション演奏や、学校訪問でもOK。まずはお気軽にご相談ください。

Email: brandonkoto@gmail.com

 

箏レッスン

当教室は個人、またはグループレッスン。

箏・楽器の経験や目標を考慮して、お一人お一人が楽しみながら上達出来るようレッスンを進めていきましょう。古典曲・宮城作品・沢井作品他現代曲まで幅広く指導しています。ご希望の方には、当教室の楽器をレンタルいたします。レッスン代$40/1時間、場所はOrmond駅下車徒歩約7分。

Email: brandonkoto@gmail.com

 

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>> 編集後記

 箏はオーストラリアでは手に入れられないとのこと、日本に行ったときに購入して持ち帰ることが多いと言うブランドンさん。日本では弦を張るのも専門職の方にお任せするのが一般的だそうで、オーストラリアで切れてしまったときは、自分でされているそうです。

 インタビュー後にイングランドの方が作曲された曲を弾いていただいたのですが、今まで抱いていた箏のイメージが変わってしまうほどでした。とってもなめらかなメロディに抱擁されるような感覚を抱きます。機会があればブランドンさんの演奏を是非お聞きください。

 

 

Interviewer: Jun Hasegawa, Yoshimi Okita
Edit: Yoshimi Okita

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