グルメgourmet

レストラン検索restaurant

Mitsuno

美的センスの優れたシェフが生み出す一皿

2009年5月25日掲載

 

Hide Shibata - Mitsuno



5年前に、タスマニアからスタートしたという『みつ乃』。そこで手ごたえを掴んだ後、メルボルンへと拠点をうつし現在に至る。
大人気を博していた店を完全に引き払い、2年半前にメルボルンに来たという、その潔さには驚かされる。
「外から見た方に、なかなか日本食レストランと分かっていただけないんですよ」と語ってもらったように、モダンな雰囲気の店内作りが特徴的。オーナーシェフである柴田氏が自ら施したという照明や、センス良く配置された家具や写真プロダクトたち。この店内を見るだけで、今後出てくる料理達についつい多大な期待を抱いてしまう。


Hide Shibata

その丁寧な仕上がりに、“日本食”の素晴らしさを改めて感じさせられた料理達。そんな料理達を作り出している柴田氏に“シェフ歴”を尋ねたところ、予想外の返答が。「5年です」…ということは、店をスタートさせたのとシェフを始めた時期がぴったりと重なる。「その前からも料理は好きで自分で作っていましたよ」とは言うものの、それを商売とする際、全くキャリア無しでお店を構えるという、大胆とも思える行動はなかなか出来ることではない。数で表現してしまうとキャリアは5年となってしまうが、その内容はそれに見合わないと感じるほど素晴らしい。


言葉で表すとすれば“創作日本料理”ということになるだろうか。伝統的な日本食に柴田氏独特の感性をプラスして生み出されている料理達。その料理を目の前にして感じるのは“見せ方”の上手さ。色彩、盛り方、バランス…この全てが計算され尽しているのだ。様々な形状のお皿がまるでキャンバスかのように、その限られたスペースの中で形を変え美味しさが表現されている。味は当然のことながら、この“視覚”に訴える技術は目を見張るものがある…その訳は柴田氏の前歴を聞くと納得できた。実は柴田氏、シェフという肩書きを持つ以前はカメラマンとして活躍していたのだ。長年のカメラマン人生の中で培った美的センスが、今は形を変えお皿の上で表現されているということになる。

カメラマンから料理人へ…一見すると真逆にありそうだが、職人という点では同じである。

「ハッキリ言って、オーストラリアうけする盛り付け方や見せ方は簡単ですが、僕は自分できちんと納得できるものしか出せません。」
この言葉が、柴田氏の職人魂を物語っているのではないだろうか。

 
では、そんな柴田氏が手がけた料理達を味わってみたいと思う。


サーモン寿司(6貫) $16.00

勿体ない気もするが、実はこのサーモン寿司はメニュー表には明記されていないため、どうしても食べたいという方は、店と要相談。通常の握りずしとは見た目も食感も違う押し寿司で、脂の乗った肉厚のサーモンと、さっぱりとした米の相性が抜群。大きさも小さめサイズなので、6貫でもすぐに平らげてしまう。そして見た目にも色のコントラストがきれいなソースとの相性。9割以上が現地の客だということもあり、日本食にプラスアルファが必要となる。そこでプラスされたのがこのソース。もちろん日本人の口にもしっくりとくる味の組み合わせを楽しんでみてほしい。
  
なす田楽 $13.00

日本では馴染みの深い“田楽”の味だが、オーストラリアでは口にする機会は少ないのではないだろうか。濃い目の味噌の味とジューシーな茄子が互いの良さを引き立てており、ご飯のお供に最高。日本の庶民の味を思い出させてくれる1品である

柴田氏が料理を手がけた「KAZ TAKEMURA氏プロデュース WAGYUの夕べ」の記事はこちら
http://www.gogomelbourne.com.au/society/1439.html


みつ乃 Mitsuno
住所:16 Glenferrie Road, Malvern VIC 3144
TEL:
03 9576 2151
営業時間:LUNCH 火ー金 12:00-14:30
     DINNER 火ー土 18:00-22:30  
定休日:日・月
loading Google Map ...

関連記事

最新記事

アクセスランキング

  1. メルボルンの基本のコーヒーメニュー
  2. Cargegie の酒屋 Carnegie Cellars の紹介
  3. バリスタ体験記③金藤 智也
  4. 持ち寄りに♪ズッキーニ スナック
  5. 荒金育英シェフ、日本食普及の親善大使に任命される

トップ20リストへ

人気の記事