インタビューinterview

グルメgourmet

DDG CAFEバリスタインタビュー

コーヒーに人生を捧ぐ男

2011年9月15日掲載



最近Duck Duck GooseにオープンしたばかりのDDG Cafe (Deans Beans)で腕を鳴らすバリスタDean Fisher氏にお話を伺った。


      

 

Dean Fisher
Deans Beansの創立者。ただのコーヒーメーカーではなく「ラテアーティスト」として知識を積み約12年。豆一粒一粒に情熱をそそぎながらコーヒーを熟達。本人がコーヒーなしでは生きていけないと言う程、言葉通りコーヒーに人生を捧ぐベテランバリスタ。

 

-ディーンさんのコーヒーは他とはどの様に違いますか?

私にはたくさんの知識があります。また心を込めて、そして情熱を持ってコーヒーをつくっています。お客様に他では味わえない様な特別なものを提供する事に尽くしています。コーヒーの世界で自分は、ワイン界でいうソムリエの様な存在だと思っています。テイスティングはもちろんですが、違う文化や違う農園で育った豆に合わせ、それぞれの一番の味を引き出す事を楽しむのです。多くのカフェが簡素化され包括的になっているけれど、私は独特なスタイルを貫きたいと思っています。

 

 

-使っている豆の種類は何ですか?

ほとんどがアラビカです。コーヒー産業で扱われる豆には二種類の品種があります。ひとつはロバスタ、もうひとつがアラビカです。アラビカはパプアニューギニア、コロンビア、グアテマラなどたくさんの国で栽培されています。コーヒー豆は多くの場所で作られていますが、違いはというと、アラビカは標高の高い場所で、ロバスタは低い場所で栽培されるのです。ロバスタはとても早く育ち、比較的広く知られています。そのため、アラビカはより特別で、味もよりスムースです。ロバスタはカフェインに高く比較的強いと言えます。ロバスタがほんの少ししか使われないブレンドもあるのです。アラビカに比べ、安く生産出来るコーヒー豆です。

 

         



-どの様に良い品質の豆を選んでいますか?

完璧なコーヒー豆というのは存在しないのです。品質の高い単一農園産コーヒーを得られるよう努力しています。欠点の全くない味を出す豆を探すのは難しいもので、苦味が強いコーヒーや酸味が強いコーヒーがあったりしますが、ブレンドをする事によってバランスをとるのです。
 

 


-コーヒーを作る時一番重要な事は何ですか?

"コーヒーの科学”を理解する事です。重要なポイントはひとつではなく、たくさんあるのです。例えば、その日の気温や湿度、グラインドの調節、粗さや細かさ、コーヒーマシン、ポットフィルターやブリップハンドルの熱さ、お湯の温度、、。たくさんの要因が絡み合って、おいしいコーヒー、もしくはそうでないものが出来るんですよ。だから”コーヒーの科学”を理解するのが重要になるのです。

      

 

 


-コーヒーの本当の味を知りたいという人におすすめは何ですか?

今一番よく飲まれているのはラテです。飲みやすくおいしいと感じる人が多いのですね。エスプレッソやカプチーノと抽出は同じです。コーヒーと牛乳の比率、そのやわらかさやミルキーな舌触りが人気の理由です。

 
 

-サイフォンコーヒーの人気は上がっていると思いますか?

特にここメルボルンではたくさんの種類のコーヒーが出てきています。人々のコーヒーについての知識も増えてきているのではないでしょうか。サイフォン、ドリッッパーなどたくさんの抽出方法があります。培養コーヒーなんていうのもありますね。8日間培養して飲むと、繊細で花の様な、コーヒーというよりも紅茶に近い味が楽しめるんですよ。

 

     
 

 

-メルボルンのコーヒー文化をどう思いますか?

とても大きいですね。メルボルンのコーヒー文化が育ち発展して行くのがうれしいです。とても大きく、多様でヨーロッパなどの西洋人やアジア人まで皆に楽しんでもらえるコーヒー文化です。皆それぞれ好みが違うため、人々が何を望んでいるかを見分ける事が重要です。オーストラリアの他のどこよりもビクトリア州のコーヒー文化は優れているといえるでしょう。

 


-ディーンさんやディーンさんのつくるコーヒーのセールスポイントは何だとお考えですか?

私の積んできた経験だと思います。もうすぐでこの世界に入り12年になります。それでもヨーロッパではバリスタとしては私はまだ若いうちに入ります。ヨーロッパのバリスタの平均年齢は48歳なんですよ。だから、この世界で私は年齢的にはまだ若けれど、それでも知識はたくさん持っており、12年近い経験というのは大きいと思います。最近は数時間のコーヒー講座を受けるだけでバリスタになる事が出来ますが、何年も訓練を重ねて得られる知識や理解とは違います。そういう意味で私は経験が売りだと思っています。

 

 
 


-ディーンさんの一番好きなコーヒーは何ですか?
私は自分がつくったエスプレッソが大好きです。本物のバリスタはエスプレッソを飲み、それがどう味わわれるかを理解するものです。

 


-コーヒーはディーンさんの人生にどのように影響していますか?

私の人生の中で一番大きい物のひとつでしょうね。長い結婚生活にまで影響し、コーヒーが原因で離婚をした程です。私が献身し優先するものはコーヒーなんです。



 


 

-なぜ Duck Duck Gooseで働く事にしたのですか?

自分にとって良いチャンスだと思いました。 Duck Duck Gooseというブランドや認知度、立地もとても良いです。Duck Duck Gooseというすばらしいレストランと組めるという事もとても嬉しいです。おいしい食事においしいコーヒーと、お互いに良い影響を与え合える最高のコンビネーションです。

 


-ディーンさんの特製ドリンクはありますか?

コーヒーに関して、私はひとつの事を専門とするのではなく、すべてを掘り下げています。デザートコーヒーも得意です。フルーツ
アフォガートにも自信があります。エスプレッソのショットをアイスクリームにかけたもの、更にハチミツを入れとViolet Crumbleを散らしたハニークランチアフォガートなどが、強いて言えば特製ドリンクですね。



 

 

 

-カプチーノ、ラテ、フラットホワイトの違いを教えて下さい。

カプチーノはコーヒー約30ml、ミルク1/3、ストレッチミルク1/3にチョコレート塗します。ラテの場合ミルクの比率が少ないのです。ストレッチミルクが上に1cm程で、クリーミーな味わいをだします。フラットホワイトは逆にあまりミルキーさはなくアメリカンコーヒーの様に軽い舌触りです。

 


-どのような時にコーヒーを飲まれますか?

常に自分のコーヒーの味に問題が無いか確かめる為に1日に10杯エスプレッソを飲む日もあります。確認は怠れません。コーヒーはいつ飲んでも楽しめますよ。


 

-あまりコーヒーを飲まない人が挑戦するとすれば、何をおすすめしますか?

質の高いコーヒーです。そうでないものを飲めば、悪い印象しか残らないですからね。最初に出会うコーヒーがとても重要だと思います。プロのつくるコーヒーを試せば、間違いありません。何を飲むかは問題ではなく、知識と経験のある腕の良いバリスタなら、どんなコーヒーでも良いものをつくってくれます。



 


 

-GO豪メルボルンのユーザーに一言メッセージをお願いします。

日本人のコーヒーの消費についてはあまり詳しくはありませんが、とても早いスピードで発展し、コーヒー文化に適応してきているのではないでしょうか。日本の伝統的な飲み物はコーヒーではなくお茶ですが、ここビクトリアに住む日本人の方達はコーヒー文化を楽しんでくれていると感じています。おいしいコーヒーの作り方はたくさんあります。他のカフェに行った際にも、スペシャルドリンクをつくってくれるかバリスタに遠慮なく聞いてみて下さい。私達バリスタはお客様とコミュニケーションをとる事を大切にしています。何かメニューにはない特別なものが飲んでみたいと思ったら、気兼ねなく聞いてみて下さい。




-ディーンさんありがとうございます!

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