Emirates Melbourne Cup 2013

競馬が国を止める。

11月５日、２４度の暖かさに雲一つない快晴に恵まれたメルボルン、 Emirates Melbourne CupがFlemington Race Courseで行われた。オフィシャルの発表では104,165人が来場したという。

「The Race That Stops a Nation」

メルボルンのみならず国中の注目を集めるこのレースはかつてよりこう呼ばれてきた。メルボルンでは小学校の時から授業でMelbourne Cupを習う。伝統と格式が重んじられるこのレースも1861年にスタートし今年で153回目。大会期間は4日間にわたって各種レースが行われるが、一番のメインはビクトリア州では祝日となる5日火曜日に行われたG1レースである。

（2013年のレースの動画）

定刻通りに3時にゲートが開き一斉にスタートしたG1レース。レースコース脇すぐ近くのスタンドでは馬券を片手にドレスに着飾った貴婦人やスーツ姿の紳士達が自分の賭けた馬へ声援を送る。3200ｍ、3分少々のあっという間のレースだがそれぞれの結果に一喜一憂する。

（スタート直後、右の黒い騎手の乗る馬が優勝したFiorente）

1着はシドニーの女性調教師Gai Waterhouseが調教を努めたゲート５のFiorente。昨年のレースでもゲート５の馬が勝利したが、その縁起のいいゲートから出走したFiorenteが見事1番人気の期待に応え勝利を飾った。また、Waterhouseはオーストラリア人女性調教師初のMelbourne Cup Hall of Fame入りとなった。Fiorenteはイギリス出身の馬だが、昨年オーストラリアに転厩後初のレースとなったメルボルンカップで２着に入った馬である。騎手を努めたDamien Oliverは、1995年・2002年に次いで3度目の栄冠である。2着のRed Cadeauxは一昨年に次いで２度目 の２着、一昨年のレースのフィニッシュはメルボルンカップの歴史上最も接戦となったとして今も語り継がれるレースである。

（2011年のレースの様子）

3着のMount Athosは昨年の５着から順位を上げる結果となった。上位３着全て英国調教馬となった。結果は以下の通り。なお、最後のFFとなっているVeremaは骨折が見つかり競走中止となり、安楽死処分となった。

（優勝したFiorente）

（残り400ｍを切ったところ、右の黒い騎手が乗っている馬がFiorente）

写真・文：Raito Hino