なぜメルボルンに来たの?
更新日: 2013-12-08
メルボルンに到着した当日の話。
日本から約13時間のフライトも終わりに近づき、機体は着陸体勢に入っていました。
勤めていた会社に1年間の休職期間をもらい、僕はここに何しに来たのか
エンジンのゴーゴーという音が、新生活への期待や不安をさらに高めているかのようでした。
いろんな事があいまいな中、ただ1つ明確だった事は
”メルボルンでバリスタとして働く”
という目標でした。
いろんな人から、カフェでバリスタとして働くのは難しいよと言われましたが
やるだけやってみたかった。
挑戦せずに諦めるような、そんな生き方はしたくない。
この気持ちが自分に暗示をかけ、また背中を押してくれメルボルンに到着したのでした。
空港に到着後すぐにバスで30分かけて、シティの主要駅サザンクロス駅に移動しました。
早速コーヒーを1杯飲もうかと思い、辺りを見回しました。
「あれ、カフェが全然ない。。。やばい。」
そう、メルボルンに来れば沢山のカフェが溢れかえっていて、勿論駅前にも沢山並んでいると思っていたのです。
「まーなんとでもなるか」
と思い直し、宿を探すことにしました。
シティをぐるぐると2時間程歩き、サザンクロス駅近くのバックパッカー向けの宿に宿泊費用を尋ねることにしました。
ドアの外から中を覗きこむと、宿泊客がみんな仲良さそうにトランプをしたり、ビールを飲んだりしていました。
この扉を開ければ、英語漬けの人生が始まる。
英語はまだわかんないけど、それでも英語を使って話すぞ。
と心に誓い、「指差し会話帳」という指をさせば伝わる本を片手にカウンターに行き
泊まるところを探していると英語で伝えました。
「I'm looking for a place to stay.」
「…ニホンジンデスカ?」
そう突然話掛けてくれたのは、そこに宿泊していた日本語ペラペラのアメリカ人女性でした。
僕は目標を数秒で諦め、そこに宿泊することにしました。
※そらさん。バックパッカーに住んでる間、僕の事を心配していろいろ助けてくれました。ありがとうございました。
「はい。。日本語上手いですね」
「ソンナコトナイデス。ワタシハ、ニホンに5ネンスンデマシタネ。
ココ二、ニホンジンイルカラ、ショウカイスルヨ!」
運よく宿泊していた日本人のグループまで紹介してもらい、メルボルン生活がスタートしたのです。
バックパッカーを見渡してみると
裸足で歩く人、シャワーに3日入らない人、出稼ぎにきた人、ただ寝てる人、世界中を旅行している人、バンドをしている人、ポールダ
ンスをしている人、自国の内戦から逃げてきた人…
いろんな人がいました。でも、話しかけると決まって聞かれる共通の質問が1つ。
「なぜメルボルンに来たの?」
そう、僕はここに何しに来たのか。
この言葉は常に僕に問いかけてくれました。そして、いつも僕の心を奮いたたせてくれました。
コーヒーの文化を体感したい。
実際にコーヒーを作って、お客様に提供したい。
この想いを胸に刻み、メルボルン1日目は床に就くのでした。