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ワトゥルの風

共に学び共に高まろうとする姿

校長 美谷添久男


 『日足が短くなり、本格的な秋の到来を感じるようになりました。この爽やかな実りの季節にご入学を迎えるみなさん、おめでとうございます』入学式の中で生徒による時候の挨拶が、いかにも南半球らしい、さわやかな風が流れるのを感じました。その言葉を聞いてからちょうど2週間が経ちました。メル校生の学校生活は、初めて赴任した私にとって、どの活動もすべてが新鮮で、強く印象付けられたことがいくつかあります。

 校門では、中学3年生が中心となり、仲間を迎え、さわやかな挨拶で1日が始まります。小さなプレップや新1年生の子たちも、お父さんやお母さんに手を引かれ、目を輝かせながら通ってきます。日本では、幼児から中学3年生が、同じ学び舎で学習することは考えられない光景ですが、これもこの学校の特徴のひとつです。
こうした異年齢構成により、上級学年になるほど慕われ、尊敬されるようにという心構えも身に付いてくるようです。また中学生にとっては、これだけの異年齢をまとめ、学校生活が楽しくなるような様々な工夫が求められることで、生徒一人ひとりの見方や考え方の視野が広いとも感じました。
 始業前の教室を見ると、先生による個別の学習指導を受けている子が目に入ってきました。どの子にもわかるまで、できるようになるまで指導の徹底が図られています。こうした補充的な指導は、課外にも行われ、少人数の特色を生かした教育活動の一環を垣間見ることができました。
 授業については、先日の授業参観で見ていただいた通りです。一つの問題を解いていくにも、いろいろな考え方をお互いに交流しあって、工夫した学び方ができていました。このように、仲間の考えに耳を傾け、真剣なまなざしで挑む授業姿勢は、一朝一夕にできるのでなく、緊張感のある授業を子どもたちとともにつくりあげてきたのだと感心しました。
今回は担任の授業でしたが、この学校の大きな特徴でもある少人数指導とともに、小学生においても、教科担任制による積極的な教育課程を組んでいることです。教科の専門性を生かした授業が行われることで、子どもたちにとっては、内容を理解するにはたいへん効果的です。前任校長も述べていましたが、「質の高い教育」をめざすよりよい方策であり、どの子にも<わかった・できた・やってよかった>と言える学習につながると考えています。

 遊びの姿にも、だれもが楽しくなるように心がけている様子もいたるところで感じました。2週間の子どもたちの姿で書くのは軽率と思われるかもしれませんが、こうして様々な活動を見ていて、一様に感じるのは、仲間と共に学び、共に高まろうとする姿が、当たり前にできるよう身に付けていることです。このことは、メル校の開校当初から、紆余曲折を重ね築かれてきた大切な宝でもあります。この宝が、さらに輝けるよう具体的な施策をもって今後も臨みたいと考えています。

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