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ワトゥルの風 Part2(8号)

 

    第28回メル校運動会を終え

学校長  美谷添 久男

 

 熱戦を繰り広げたプリンセスパークのグラウンドには、児童生徒たちの活躍を讃えるかのような清々しい風が流れていました。戦いを終えた子どもたちは、掲げたテーマ【団結】を成し遂げたことで、心に残るすばらしい運動会になったと確信できたのではないでしょうか。

競技の結果は、白組が栄冠を勝ち取ることができました。しかし、運動会までの両チームの取り組んできた姿を振り返れば、ともに優勝トロフィーを手にすることのできる価値あるものと思っています。正々堂々と戦った対抗競技も見事でしたが、応援や演技種目、係の活動など得点に結びつかないところでも、テーマ【団結】に向けて、ひたむきに取り組む姿は見逃すことはできません。

演技種目では、プレップ・小・中学部ともに新しい内容を加えた見ごたえのあるものでした。小学部『ビクトリー』『花笠音頭』においては、異年齢の集団をよくここまでにまとまとめ、作品に仕上げることができたと、観ていて胸が熱くなりました。

リーダーの6年生は、9月はじめには踊りを指導できるまでに準備していてくれました。それぞれの踊りのポイントを一人ひとりが熟知していなければ、教えられないことを昨年の経験から学んでいたからです。サポートする側から見ていた昨年と違い、リーダーの有り様や責任の重さも学んでくれたようです。

さらには、中学部創作の『ダンスフェスティバル』です。今年は、ダンス経験のないメンバーがほとんどでした。不安を抱えての練習に、リーダーの悩みは尽きることがなかったでしょう。わずか十数分間の演技ではありますが、経験がないだけにオリジナルのダンスを参考にしつつも、動きの一つ一つのつながりを工夫するにはさらに大変でした。しかし、当日のダンスを参観された来賓の方々からは、見事な演技に称賛の声が聞こえてきました。踊り終えて、退場する生徒たち一人ひとりの表情にも、多くの困難な課題を乗り越えてきたという満足感を十分に感じることができました。

また、「応援」の練習一つとっても、幼いプレップの子たちのことを考え、順序や内容を説明するだけでなく、一つの動作にも手本を示しながら取り組んでくれました。応援リーダーの仲間を思いやる心に感謝したいと思います。

〔 テーマは「団結」でした。私は、メル校運動会を通して、メル校生には強いつながりがあると感じました。人数が少ない分、プレップからG9のみんながお互いを知っていて、全員で協力して、運動会をつくっているのを見てそう感じました。そんなメル校の中に入ることができてとても嬉しく、そしてこれからのメル校生活がとても楽しみになりました。〕

 閉会式では、9月中旬に転入した児童が小学部代表としての挨拶の終わりに、今のメル校のことを次のように話してくれました。

新しく転入してきて、わずか1ヶ月半でした。ビクトリーの演技リーダーとして慌ただしい中でも、メル校のよさを見つけ、素直に表現してくれたことにとても嬉しく思いました。【団結】という一つのテーマに向かって取り組んだことで、メル校生の心の絆は深まり、一層堅固なものにしてくれたと信じてやみません。

来賓の方々をはじめ、本校理事会、保護者の皆様には、最後までご参観いただき、温かいご声援をありがとうございました。心より厚く御礼申し上げるとともに、第28回メル校運動会の講評とさせていただきます。

  

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