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インディアンウェルズマイアミマスターズを第5のグランドスラムに?

うにょ~ん。

マイアミマスターズ、錦織圭は昨年同様、ベスト16まで勝ち上がり、今夜2時以降(つまり正確には明日の午前2時)に2勝2敗と5分の成績のDavid Ferrerと試合します。こちらもしっかり見ましょう。ちなみに同じドローのDel Potroが崩れたため、Ferrerに勝つとA RamosかMelzerの勝者と。もちろん簡単な相手ではないですし、最近はMelzerも調子を取り戻してきていますから油断できませんが、2011年以来のマスターズ準決勝を決めて欲しいですね。しかし、なんといってもFerrer。日本人のTwitterではFerrerはなぜか錦織の敵ではないみたいな書き込みが多々見られますが、かなりの強敵ですよね、勝敗は2勝2敗でも。インディアンウェルズでこけたとはいえ、休養は十分、錦織は腹筋を痛めてまだまだ回復してきてはいますが、本来のサーブは打てないとなると、かなり不利だと思います。もちろん勝ってほしいですけどね。良い試合が見られれば満足です。

さて、3月のこのマスターズの2大会が開催される、この時期に毎年議論されるとあるお話を。タイトル通り、この2つのMastersを第5のグランドスラムとしようという話があるのです。
あ、ちなみに

そもそもの発端は、この2つのマスターズ自身、そしてテニスメディアが、グランドスラム以外で一番の格式を誇る大会であるという認識、そして更なる高みを目指そうという意識から。そしてこの2つをグランドスラムと同等、もしくは既存のグランドスラムから入れ替えようという議論がこの時期は毎年行われます。テニスオタクの読者の方ならお気付きでしょう、入れ替え候補はもちろんAustralian Open。。。なぜAustralian Openが入れ替え候補なのか。

1、 毎年1月のAustralian Openのせいで選手のオフの期間が短い
2、 1月のオーストラリアの気候は暑過ぎて試合どころではなく、生命の危険がある
3、 気温が上がった時に屋根を閉じるヒートポリシーのルールが運営をスムーズに行うため、使われることがほとんどない

などなどこれらの批判は主に選手が声を挙げているのです。やるなら3月とかにしろと言われています。
また70年代、80年代は施設も悪かったのも事実。メルボルンパークに移ってからはオーストラリアきっての成功したスポーツイベントとして見られていますが、中東や中国の財力のある国がグランドスラムを買収するという話まで出ています。Victoria州政府とTennis Australiaとの共同出資によるメルボルンパークの改装によって、数年先の開催は約束されましたので、しばらくは大丈夫ですが。

また、ロンドンのO2 Arena (ATP Tour Finalsの開催地)、イスタンブールのSinan Erdem Dome(WTA Tour Finalsの開催地)などに集まる観客の方が質が高い上、上位8選手の内5人を1週間で倒さないと優勝できないという、グランドスラムより厳しい戦いにスポットを当てよう、こちらのレベルを引き上げるべきではという意見も。観客の質に関して言えばやはり上位8選手しか出られないというのがデカいと思いますが。

トーナメント自体もスケジュールが変わってきています。マドリッドは常に新しいことを取り入れていくトーナメントで、昨年賛否両論を巻き起こした(選手からは否以外聞きませんでしたが)ブルークレイ、そしてトーナメント唯一の3つの開閉式屋根を持つスタジアムを擁します。そして、マイアミやインディアンウェルズが開催期間を2週間に延ばしたのを参考に、トーナメント期間を10日に。

では実際にこれらのトーナメントを第5のグランドスラムにするか、もしくは入れ替えるか。僕の個人的な意見ではNo。
第一の理由は伝統と格式。現在はすべてのグランドスラムの歴史は100年以上。インディアンウェルズ、マイアミ、北京、マドリッドなどのトーナメントはまだ歴史も浅いです。言ってしまえば伝統がない。中国は2002年に初のツアーファイナルが上海で行われ、2005年から4年間続きまして、その後同会場はマスターズの大会が行われるようになった、いわばまだまだ発展途上の段階。ほかの開催国からグランドスラム優勝者は出ていますが、中国からは女子のLi Naのみ。そのLi Naをホストに来年は中国でWTAの大会を新設するそうです。この大会の時期が日本で行われる東レPPOの時期になるため、今年で東レPPOは終了とWTAに突然通達され大騒ぎになったニュースを覚えている方も多いでしょう。やはりグランドスラムはテニスが発展している国にあるべきだと思うのです。

続いての理由はコートサーフェス。もう一つグランドスラムを増やすならサーフェスを変えるべきでしょう。そうなると残るはカーペット。カーペットで大会を運営するにはすべてのコートをインドアにしなければなりません。そうなると莫大な予算がかかるため、ここまで懸ける必要性はあるのかということ。中東あたりは出来そうですけど、テニス人口が多いかと考えるとまだまだ途上国ではないのでしょうか?


テニスの大会が世界中に散らばっているのはテニスの発展を促すためです。小さな下部ツアーの大会から、マスターズまで大小様々な大会を開催することで、その地にテニスを根付かせることができ、全体のテニス人口の発展につながります。選手には大会結果はもちろん、その土地でのプロモーションも義務付けられているのです。同じ週に同じグレードの大会が行われる中で、選手が出場する大会を毎年入れ替えるのも少なくありません。そしてマスターズや500、プレミアの大会などによって、グランドスラムの価値は上がります。いきなりテニス途上国にグランドスラムを持っていっても、興行的な意味での成功には繋がらないでしょう。選手自身のモチベーションも同様。やはり既存のAustralian Open、French Open、Wimbledon、US OPENの「四大大会」というのが、ベストなのではないでしょうか?

コメント

以前のコメント

さば   (2013-03-26T12:19:57)
私も第5のグランドスラム化には反対です。ましてや、入れ替えなど、とんでもないと思います。一番の理由はやはり伝統。実際にその場に行ってみると分かりますが、グランドスラムは他の大会とは「空気」が違います。それは単に大会の規模の大きさや、かけるお金の額の違いだけではないような気がします。グランドスラムがF1のように、中国・中東に買われて、格式を下げてしまうような事態に陥らないことを切に願います。

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