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Cilicが初優勝

うにょ〜ん。

 

先程15日間行われたUS OPENが全試合終了し、男子シングルスに錦織圭が決勝に進出しましたが、3−6、3−6、3−6のストレートで破れ、クロアチアのMarin Cilicが初のGS制覇を達成しました。また女子シングルス決勝は昨日行われ、Serena WilliamsがCaroline Wozniackiを6−3、6−3で破り6度目のUS OPEN制覇を達成しました。ダブルスでは、男子はBryan Brothersがペア通算100勝という偉業を達成、女子ではMakarova / VesninaがHingis / Pennettaを破り優勝、ミックスではMirza / Soaresが優勝しました。そして車いすテニスでは、国枝・上地の両選手が単複制覇、国枝選手は年間GSを達成しました。

 

さて、今朝終了した男子シングルスですが、Cilicの完成度は素晴らしかったですね。ビッグサーバーでありながら、リターン・ストロークの安定性が強く展開も早く、ここまで完璧なCilicを見たのは初めてでした。初めての決勝ながら非常にリラックスしているように見え、対する錦織は表情や動きが固く、準決勝までに見られたキレがありませんでした。

結果や戦況は他のメディアに任せるとして、このコラムでは少し別の話をしましょう。

 

錦織の 準決勝進出の時点で日本人初という快挙でした。決勝進出はアジア人でも初めての快挙。日本でも大騒ぎのようで、テニスをやったことも、みたこともない叔母と祖母も自分に連絡をしてくる程でした。ようやく一般にも広がってきたのは嬉しいですね。これっきりにせず、今後続いていくようにするには、錦織の活躍はもちろん、その次の世代も育たないと一過性で終わってしまいます。ダニエル、西岡、そして今回ジュニアダブルスで優勝した中川など期待の若手は出始めています。ただ御存知の通り、錦織は14歳でアメリカに渡った、「アメリカ産」。ダニエルはアメリカで生まれスペインで育った「スペイン産」。西岡、中川もアメリカを拠点にする「アメリカ産」です。 錦織の下の世代で唯一「国産」としてGS本戦出場を果たしているのが、一つ下の守屋です。

日本のテニス人口は世界でもトップ、環境も素晴らしく至るところにインドアコート・スクールがあります。テニスメディアも自分が小学生の頃は、知っている日本人選手でGSに出場し成績を残しているのは杉山愛のみ、という状態でしたが5誌ありました。今は3誌に減ってしまいましたが、情報量で言えばかなり恵まれた環境でしょう。言わばテニス先進国と言える環境ですが、実績ではいえばテニス後進国、ようやくそのレッテルも剥がせるようになりました。

国産のテニス選手が育たない背景に、日本特有のオムニコート(人工芝に砂をまいたコート)があります。現在では韓国やオーストラリア、ニュージーランドにもありますが、国際的に認められたコートではないため、プロが使う大会はありません。現在のテニスの主流はクレーコート。ヨーロッパ、南米の選手がこのコートで育ち世界を席巻しています。ここ数年、アメリカ・オーストラリアもクレーを取り入れジュニアの育成に励んでいます。それぞれの国から有望株が活躍し始めています。日本にも20年ほど前はクレーが主流だったようですが、維持に手間がかかることから、安価で手入れが楽なオムニコートが普及しました。日本もナショナルテニスセンターにはクレーを配備していますが、やはり普段の練習からクレーで行うことが重要でしょう。

 

またメディアに関しても、今回の組み合わせに関して言えば、ランキングも錦織が上、成績も5勝2敗とリードしていますが、いとも簡単に優勝できるように盛り上げるのは間違っているでしょう。そもそも100位の選手が決勝に来たとしても、そこまで勝ち上がってくる時点でランキングなど関係なく強さを持った選手なのです。まして今回のCilicの勝ち上がりを見れば、どれだけの実力をつけたのかは明白でしょう。Federerをストレートで倒し、セットでゲームが先行されても焦ることなく、自分のテニスを貫きました。その結果、Federer自身が今日のCilicは完璧だったと認める程のテニスを見せたのです。そうした相手の情報もしっかり伝えるのが重要なのではないでしょうか?ワールドカップでも日本は予選突破確実と伝えながら、敗退が決まると誰が機能しなかったかなど戦犯探し、そもそも日本以外のメディアは、ほぼグループリーグ最下位と予想していましたよね?野球などは情報量も多く、長い歴史があることから、日本<アメリカという実力は皆さんわかっているでしょう。しかしまだまだ日本のテニスは始まったばかり、正確な実のある情報を提供して、いかにこの舞台に立った錦織が凄いレベルにいるのかを伝えて欲しいですね。そもそも、決勝進出決定後に見たニュースでは、世界に錦織が注目!として伝えていますが、もともと注目されており日本より世界のメディアの方が錦織を評価していました。どの分野でも日本人が世界に出ると、世界が注目している日本人として祭り上げますが、そもそも世界が気付く前に、自国の選手の凄さに気付くべきでしょう。まだまだ知られていない世界だからこそ、プロとして情報はしっかり伝えて、ファンを取り込むのがメディアの役割ですね。

 

車いすテニスでは、単複共に日本人の国枝・上地選手が優勝しています。Federerはかつて自身が生涯GS達成前に日本の記者に、なぜ日本から優勝者が出ないのか?と聞かれた際に、国枝がいるし彼の方が自分より先にGSを達成するだろう。と話しています。競技人口も、試合フォーマットも違いますが、同じ大会で行われた試合で優勝した日本人の結果ならもっと伝えて欲しいですね。ましてや東京でオリンピックだけでなく、パラリンピックも行われるわけですからね。最近でこそ新聞のスポーツ欄に乗るようになりましたが、まだまだ扱いは小さいです。車いすだろうと、聴力がなくとも、盲目でもテニスは出来ます。歳も性別も関係なしに楽しめるスポーツはなかなかないですからね。今後日本でメジャーになるには、こうした活躍をする日本人選手の情報はしっかり報じて欲しいですね。

 

GSは終了しましたが、今後アジアシリーズ、そして初出場が期待されるTour Finalsが行われます。車いすテニスもシングルス・ダブルスマスターズもまだまだありますから、今後の活躍にも期待したいですね。

 

ほいだらの。

 

 

http://raymelb91photo.com

 

 

 

 

 

コメント

以前のコメント

さば   (2014-09-09T14:47:59)
私が思っていることを全て言ってくれて、ありがとうございます(笑)。スッキリしました!

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