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CAVALLERO

あなたを潤すのがカフェならば。

2010年2月22日掲載

 
 
 トーキョーならばシモキタ、オーサカはホリエ、メルボルンならスミス。昔はどちらかと言えば目立たない、観光客や若者が好んで足を運ぶような場所ではなかったそういう場所。

 スミス・ストリート(Smith Street)は、メルボルン・シティからすぐという位置にも関わらず独自の雰囲気を醸し出す異世界。退廃的、とは昨今において賑やかさを増すスミス・ストリートにはもう似合わない表現かもしれない。しかしそこに足を踏み入れるとき、確かに抗い難い違和感があることは否めない。「異邦人」という言葉が胸の奥にちくりと針を刺すような。


 とまどいの中、自分の居場所を探し求めてストリートを歩きはじめる。 雑多な店が並ぶこの通りには、主張が強く、人々の好奇心を掻き立てるであろうものが多くある。しかし、異邦人として彷徨い歩いている者にとっては、そのような店より、むしろ落ち着きを与えてくれる場所が必要なのだろう。やがて足が止まったのは、装飾が施された黒い扉がそっと開け放たれ、コーヒーの香りと静かな音楽が流れてきた、そのカフェ。

  
 
 目立った看板はなく、歩道に面したガラス窓に「Cavallero」とつつましやかな細い文字が浮かんでいる。扉をくぐると、ファンが穏やかに風を紡ぐ天井の高い空間が現れた。奥には緑と太陽に包まれたコートヤードが見える。右手にある長いカウンターでカフェのスタッフが、その柔らかい雰囲気に調和するようにゆったりと動いている。

「誰もが落ち着ける場所、時間も、他人も気にせずにくつろげるそんなカフェを提供したくてね。」

  
 
フルーツと野菜のミックスジュース (左) $4.50
  
       Ice Coffee(右) $4.50       
 

   RobがCavalleroを始めたのは約3年半前。元DJの彼は、今はカウンターの中でレコード盤を選んではプレーヤーに掛ける。広々とした店内の白い壁に沿うように音が流れ、空間に広がりが生まれる。天井で弾かれた音がカフェでくつろぐ人々に優しく降り注ぐ。彼の肩書がDJでなくなっても、音楽を通して人と触れ合うそのスタイルは変わらない。

 
 
カウンターの向こうにはレコード・コレクション。
 

 カウンター、ゆったりめのソファー、小さなコーヒーテーブル。一人で訪れても仲間と訪れても、自分の居場所を見つけ出せる。ブレックファスト、ランチ、ディナータイムと、いつでも人々を迎えてくれるCavallero。そしてRobの言葉どおり、誰もが好きな時にその時間をそれぞれにくつろげる。音楽とコーヒーと、南地中海料理に彩りを添えられて。
 

 「Cavallero」とはスペイン語で「騎士」を意味する。Robの祖父が馬に乗る写真がカウンターの隅で静かにカフェを見つめていた。

 スミス・ストリートで人々の平穏を守る騎士のように佇み、オアシスを提供する。カフェにはそんな意味が込められているのかもしれない。
 
 


『CAVALLERO』

住所/300 Smith Street, Collingwood VIC 3066
電話番号/(03) 9417 1377
営業時間/月-木 AM8:00-PM11:00
        金・土 AM8:00-AM1:00
        日 AM9:00-PM11:00

 

 

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