インタビューinterview

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メルボルン日本人学校校長 小鍛冶 光弘先生 インタビュー

校長先生は、みんなの優しいお父さん。

メルボルン日本人学校は、メルボルン日本商工会議所によって設立され、ヴィクトリア州政府による認可を受けた全日制の私立学校。
 
インタビュアー:大喜多 良美
 

URL: http://www.jsm.vic.edu.au/
 

 

--まず初めに簡単にメルボルンに赴任されるまでの経緯を教えていただけますか?

奈良県出身なのですが、現在も奈良県にある奈良市立春日中学校に籍はあります。海外赴任を希望し、文部科学省を通してメルボルン日本人学校へ2006年に派遣されました。


--メルボルンの印象はいかがですか?

公園も多く、少し郊外に行けば緑も多いですし、シティもオーストラリア第2の都市なのでとても大きいです。いろんな物、要素がすぐ近くで手に入れることができるため、本当に良い街だと思っています。とても気に入っています。個人的にはグレート・オーシャン・ロードやバララットなどを訪れました。とても興味深く、面白かったです。


--では、生徒さんを指導されるに当たって、心掛けていることはありますか?

日本国憲法・教育基本法・学校教育法等の趣旨に沿いながら、日本の教育を提供し、しかも「質の高い教育」を提供することを目指しています。そして少人数制指導の良さを生かし、生徒個人に応じた授業を展開しています。自ら学び続ける力を育てるため、基礎学力の確実な定着と、問題解決の能力を身に着けることを重点においています。


--現在、生徒数は何人ですか?

小学生40名、中学生11名、合計51名の生徒がいます。
 

--メルボルン日本人学校において、日本の教育と異なる点はありますか?
 
特に異なるところはありませんが、少人数制での授業と「質の高い日本の教育」を掲げていますので、レベルの高い学力を身につけることができると自負しています。そして、今年は「理科」の教育に力を入れています。平成23年度より日本の学習指導要領が「理科」に焦点を当てることになっています。そこで本校では日本の先取りをしようと考えました。将来は日本に帰国する子供たちも多いので、帰国後に子どもたちが困らないためにも大切なことだと考えています。さらに実験室も完備し、生徒一人で一つの実験を行えるように道具、備品も整えました。薬品の数も日本の学校よりはるかに充実しています。


--ここ数年、生徒さんによるソーラン節のパフォーマンスが評判ですが、現在もパフォーマンスや練習をされているのですか?

毎日昼休みを返上して練習をしています。生徒たちが自主的に練習をしています。北海道の稚内市立南中学校(「南中ソーラン節」の母校)から派遣されてきた教師が生徒に教えたのが始まりです。現在も年4回程度、公の場で披露しています。先日も“ジャパン・フェスティバル”で披露しました。“メルボルン日本人学校デー”、“国際子供フェスティバル”でも披露しています。


--現在、生徒さんや学校一丸となって取り組んでいることはありますか?

今は特に大きなものはありません。学校自体の本年度の目標は「理科好きの子どもの育成」です。生徒の本年度の目標としては3つあります。

・挨拶がしっかりできる子になろう
・先生(人)の話をしっかり聞こう
・好きな教科を去年より一つ増やそう

この3点を年度初めに生徒に提案し、毎月の全校朝礼でも話しています。毎朝教師が校門前で出迎えたり、また放課後も送り出したりして挨拶運動も行っています。教師の目標は、「質の高い教育」を提供することです。


--保護者の方々にお伝えしたいことはありますか?

「質の高い日本の教育」を目指して学校一丸となって取り組んでいます。研修等を通じて、教師陣も高いモチベーションを持って取り組んでくれています。そのことをご理解していただけたら、とてもありがたいです。そして、安心して子供さんを登校させていただければと思います。


--では、これからメルボルン日本人学校への入学を検討されている方へメッセージをお願いします。

たくさんの子どもたちに日本人学校へ来てほしいです。日本を離れる前に転入先の学校を決められる方も多いと思いますが、是非日本人学校を選択肢の一つに入れていただきたいです。子どもたちが日本の教育内容とはまったく異なる現地の学校に入学した場合、あるいは日本へ帰国したときの状況を考えると、子どもたちが抱える問題が大きいこともしばしばあります。慣れ親しんだ教育を受けることも大事なことかもしれません。短期間の通学でも、先生方が親身になって教えてくれます。是非一度日本人学校の門をくぐっていただきたいです。


--校長先生から見たオーストラリアの教育の印象はどうですか?

現地の小学校では「社会」、「理科」といった、生きていくために必要な能力を身につけるための総合的な学習の時間がありません。教科書に沿わないこともあるようです。ただオーストラリアで教師になるためには、大学卒業後も特別な教育を受けなければいけないため、オーストラリアの教師の質はとても高いと思われます。それぞれの社会的・歴史的背景はまったく異なり、そしてそれぞれ良い点、悪い点があるため、日本とオーストラリアの教育のどちらが良いとは言い切れません。そういった意味では、本校の生徒は両方の教育の良い部分を吸収できるのでラッキーだと思います。


--現在の日本の教育について思われることはありますか?

学校自体が「地域の情報発信センター」としての役割を担いすぎていると思います。学校の外側での仕事も受け入れすぎて忙しくなり、問題を抱え込みすぎていると思います。そのため本来の教育機関としての学校の本当に大事な部分である、子供たちにかかわって教育をすることに時間を使えないこともあります。しかし子供たちのすべてを引き受けることができるメリットもあると思います。
本校では学校内のことにはすべて責任を持って対処しているため、教師は学校内のことに本当に集中することがでます。そして一旦校門の外に出たら、すべて外側での責任として区別をしています。その「住み分け」によって、非常に効率よく物事を進めることができています。


--近々、メルボルン日本人学校でのイベントや発表会はありますか?

9月14日にバザーを中心とした、“メルボルン日本人学校デー”を開催します。現地の方にも学校を解放し、毎年多くの方に参加していただいています。また10月19日には運動会も開催します。学校の近くの公園を借りて毎年開催しています。赤組、白組に分かれてさまざまな競技を行ったり、日本の曲に合わせてダンスを踊ったりと、まったく日本の運動会と同じ内容で行っています。


--将来、メルボルン日本人学校で催してみたい企画やイベントなどはありますか?

“メルボルン日本人学校デー”を今以上に、広く地元の方々に知っていただきたいです。そして日本、日本文化を理解していただくきっかけになれば良いなと考えています。


--最後に校長先生の座右の銘、休日の過ごし方などを教えていただけますか?

最近のお気に入りの言葉は『何かに憧れる気持がある限り 人の心は老いることがない』です。前向きですよね。
映画も観ました。『インディ・ジョーンズ』と『アース』です。どちらもなかなか良かったですよ。
 
 

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