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Australian Open 2013予選開幕!

追記;守屋選手にコメントいただきました。

2013年1月10日追記
2013年1月9日掲載


守屋選手


AAMI Kooyong Classicの熱戦も見ごたえがあるが、こちらも負けていない。Australian Open 2013本戦の残り8枠を懸けた予選である。選手の意気込みで言えば、こちらの方がはるかに上だろう、自身の生活が懸かっているのだから。
予選は、男女ともに3セットマッチのトーナメント制。3試合勝つと本戦行きの切符が発行される。Australian Open予選に出場できる選手(ATP・WTAランキングで300位以内)の中、特にヨーロッパやテニスの市場規模が母国で小さい国出身の選手によっては、遠征費が賄えないために、スキップすることが多い。しかしアジア圏にとってみれば、ヨーロッパほど遠征費は懸からないため、意外と日本人選手の参加が多い。


男子では、現在ATPランキングで300位以内に入っているのは、錦織圭・添田豪・伊藤竜馬・杉田祐一・守屋宏紀・ダニエル太郎の6人であり、錦織・添田・伊藤はご存じの通り本戦にストレートインしているので、今年の予選参加者は杉田と守屋となった。ダニエル太郎はスペインを拠点としている、現在19歳のアメリカと日本のハーフの若手選手である。出場資格はあるが今回スキップしているようだ。ちなみに彼の現在の用具契約はラケットのみのため、ウェアやシューズは自前。スペインのアカデミーではFerrerと練習したり将来を期待されている選手であるにも関わらずだ。しかし彼曰く、スペインの同じランキングの選手は、練習場所さえ確保できずに探し回る人もいる。自分はまだ恵まれていると話しており、このハングリーさがあれば、近い将来Grand Slam予選、そして本戦に顔を出してくるだろう。
女子では、森田あゆみ・クルム伊達公子・土井美咲・奈良くるみ・瀬間詠里花・瀬間友里加・波形純里・大前綾希子・青山修子らが300位以内におり、本戦には森田・クルム・土井の3選手が出場し、残る選手のうち青山以外が予選に参加する。

 


守屋選手の対戦相手Brown選手

予選初日の9日は男子のみの試合となり、守屋・杉田が試合に臨んだ。守屋の初戦の相手は、ドレッドヘアーで一躍有名になった、元ジャマイカ、昨年よりドイツ国籍でプレイしている、Dustin Brownだ。強力なサーブを武器にネットに詰め、見た目の厳つさとは裏腹に繊細なタッチも得意とする、初戦の相手としては手強い組み合わせとなった。
第1セット・第2ゲーム、守屋のこの試合初のサービスゲームをブレークされてしまう。しかし持ち前の図太さ・マイペースさから動じることなく、第5ゲームでブレークバックに成功し、試合をイーブンに。ここで勢いに乗ったか、第9ゲームでもう1つブレークに成功し5-4、Serving for the Setを迎える。順調にストロークで押し切り相手のミスを誘い40-15としセットポイントを迎えるが、ここから2連続でダブルフォルトを犯し、デュースに持ち込まれてしまう。しかしこのミスで気合いを入れなおしたか、2度目のデュースで第1セットを6-4で終わらせる。
続く第2セット、開き直ったBrownがリターンから果敢にネットに詰める作戦に出てくる。立ち上がり第1ゲームでブレークされるも第2ゲームですぐさまブレークバックに成功。このセット最初にチャンスを奪ったのは守屋だった。Brownのサービスの第6ゲーム、0-30と先攻する。普段のBrownならば、第1セットを取られたことでやる気をなくしプレイが雑になるが、今日は珍しく目先の1ポイントに執着しているように見えた。つなげるショットから、守屋を走らせ球が浅くなったところで、ネットに詰めてくる。このパターンがぴったりとはまりキープに成功、カウントを3-3とする。ゲームが動いたのが守屋から4-5で迎えた第10ゲーム。果敢にボレーで点を取りに来たBrownに押され、15-40になりセットポイントを与えてしまう。パッシングなどを決めデュースにするが、最後は押し切られ4-6で第2セットを落としてしまう。
最終セット、お互いにキープが続き2-2で迎えた第5ゲーム、0-15から守屋の放ったスライスが線上に乗りインの判定、しかしBrownが不服とし主審と揉めた。当然覆ることもなく0-30と守屋にチャンスが回ってきたが、今日の守屋はここでポイントを奪うことができない。結局キープされ3-2、続く第6ゲームでドロップショットを2本連続で決められ、自身のミスも重なり、0-40とブレークポイントを与えてしまう。最後は自身のフォアをミスしてしまい、終盤に手痛いブレークを許し、2-4に。第7ゲームもBrownを崩すことができずにキープされ、2-5で迎えた守屋のサービスゲームである第8ゲームもブレークを許し、6-4、4-6、2-6でゲームセット。
試合終了後に、今大会に守屋に帯同していた、石井弥起(やおき)コーチにお話を聞くことができた。
「チャンスがあっただけに、悔しい敗戦。第1セットを奪い、第2セットの出だしでブレークして完全に流れが守屋に来ていたので。そこで一気に行ければ良かったのだが、相手を振り払うことができなかった。第3セットも先にチャンスが来たが、そこで勝負しきれず、ブレークされたのはしょうがないにしろ、先手先手を打っていければ良かった。今後の課題としては、サービスゲームの安定性をもっと上げていくこと。

170cmと上背のない守屋にとって、サービスは弱点となる。ビッグサーブではなくしっかりコントロールでキープできるようになればもっと楽になるので、得意のストロークを活かしたリターンゲームが展開できるのではないだろうか。昨年のFrench OpenからGrand Slam予選に参加し始めた守屋は、US OPENで予選から本戦に出場した。このまま持ち前のフラット系の速いストロークを活かしていけば、近い将来Grand Slam本戦出場が当たり前になってくるだろう。

 


練習に向かう前の杉田選手

男子最後の希望である杉田は、第5試合に登場。相手は、守屋と同じくドイツのMischa Zverev。過去に自己最高45位を記録した25歳の選手だ。Grand Slam Jr.ではUS OPENで準決勝進出、この時はAndy Murryに敗れている。杉田は昨年の今大会の予選で決勝まで進んでおり、その後はチャレンジャーを中心に転戦しランキングを上げ、シーズン終盤2大会で優勝すればAustralian Open本戦ストレートインに届くランキングに入るはずだったが叶わなかった。しかし準決勝に残ったことでランキングが上がり、この予選では第14シードに入った。
第1セット、ファーストサーブが71%で入った杉田だが、ポイントを獲得できたのは47%に対して、Zverevはファーストサーブの確率が58%と低いもの、ポイント獲得率で91%と杉田を圧倒し、6-1でZverevが先取する。第2セットはファーストサーブでのポイント獲得率を80%まで上げることができ、1ブレークアップの6-3で杉田が奪い、守屋同様この試合も勝負の行方はファイナルセットに委ねられた。第3セットはZverevのサービスが冴え渡り、杉田に一度もブレークポイントを与えずに、自身は2本のブレークポイントをどちらも決め、1-6、6-3、1-6でZverevが勝利し、杉田のGrand Slam本戦初出場の夢は、French Openへと持ち越された。

予選2日目からは女子が登場し、昨年も参加した瀬間姉妹、決勝まで勝ち進んだ奈良くるみなどが登場する。1993年生まれの大前綾希子は、2010年のAustralian Open Jrに出場し1回戦を突破している。全日本ジュニアでは単複3回優勝するなど、期待の若手である。

予選は無料で入場することが出来る。日本人は女子のみとなってしまったが、男子より選手も多い分、たくさん見ることが出来るので、明日はおすすめだ。今後出てくる期待の若者を先物買いしておくのもいいのではないだろうか。

 

1月10日追記:昨日惜しくも予選敗退してしまった守屋選手からインタビューを頂きました。

ー1日経って現在の心境は?
1stセットとってチャンスは十分にあったので、悔しさはありますけど、また1年始まって新たなスタートだなという気持ちです。

ー2011年の全日本選手権のタイトル獲得から、自信がついて転機になったように見えるが?
そうですね、気持ちの中で全日本を取ってから、世界に目を向けていこうってなって、タイトルが本当に自信になって、これからグランドスラムの予選にトライ出来るようになりました。

ー昨年のUS OPENで予選を勝ち上がり本戦に出場したが?
本戦はまああっけなく終わってしまったのですが(苦笑)、それはそれで残念ですけど、一つ一ついい経験になっているので、今年にしっかり活かせるようにしたいです。

ーその後のJAPAN OPENでは、Wawrinkaをフルセットまで追い詰めたが?
ランキングも上がっていけばそういう舞台で戦えるチャンスも増えるので、自信持っていきたいですね。

ー今年の目標は?
ランキングが100位代に入ってきたので、まずはトップ100目指して、昨日で一つ終わってしまいましたけど、残り3つのGrand Slamでしっかりいい結果を残せるようにしたいです。

ー今後の予定は?
この後はいったん日本に帰って、スケジュール考え直さないといけないですね。

ー今年はチャレンジャーを舞台にしていくのか?
そうですね、チャレンジャーで戦えるように思っています。100位を目指して頑張ります。

 

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