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ワトゥルの風 Part2(11月号)

「はじけろ ベストを尽くせ 73」

学校長 美谷添久男

 

天候にも恵まれた中で、プレップ、G1の開会宣言から始まった第29回メル校運動会は、来賓の方々の臨席を賜り、盛大に催すことができました。結果は、白組の勝利によって幕を閉じましたが、団体種目で健闘を見せた赤組の戦いぶりも見事でした。

今年度、児童生徒会は、『はじけろ ベストを尽くせ 73』をテーマに、2週間という短い取組み期間の中ではありましたが、今年も素晴らしい成果をもって終えることができました。

最終演技種目は、毎年恒例となった中学部『南中ソーラン』でした。グラウンド内では、伝統を守り抜こうとする生徒たちの力強い、見事な舞が披露されました。踊り終わった後、G9の代表から突然の挨拶がありました。激しい踊りの後、呼吸を整える間もなく、グラウンドに響き渡る声で

「僕たちの最後のソーランを観ていただきありがとうございました! 僕たちは苦しいこともありましたが、そんなとき後輩や保護者の皆様、多くの方々に支えられて今日まで来ることができました! G9の伝統は、G7・8が受け継いでくれると信じています。G7・8託したぞー! ありがとうございました!」

 

これまで支え続けてくれた家族に対する感謝と伝統を託そうとする後輩へのメッセージでした。自信をもって堂々と語る姿に、会場内のだれもが心を揺さぶられたことでしょう。

また、閉会式における児童生徒の代表による感想発表にも心を打たれました。

小学部のリーダーとして、プレップやG1の子たちがダンス演技で戸惑うことのないように、優しく丁寧に教えてきたことが脳裏をよぎったのでしょう。自分たちの願いを叶えるためには、準備や練習がいかに大切かを幼い子たちにもわかるように語ってくれたことです。

中学部の代表は、プレップからのすべての学年を束ねていくことに悩んだ中で、やはり苦しい練習を積み重ねたことが、ほんものの楽しさを味わい、仲間とともに感動を共有できたと語ってくれました。

二人の感想発表には、小中学部のそれぞれ立場や役割は違ってはいても、運動会という行事を通して練習など準備の大切さと、あきらめることなく挑戦し続けることで、一人では得ることのない大きな自信を手にできたことを教えてくれました。

また、赤白の団長を務めた2人の生徒の見事な采配も見逃すことはできません。練習は2週間ではありましたが、それ以前から、応援の振り付けや隊形移動や発声方法など、多岐にわたる内容を工夫して全校児童生徒を動かしていかなければなりませんでした。リーダーとして悩み、投げ出すことのできない瀬戸際で踏ん張り続け、当日の応援はもちろん、競技や演技も赤白の垣根を越えて、メル校生全員が満足できる運動会に結び付けてくれました。感謝するばかりです。

私たち教職員は、日々の学習においても、ここまではやり切らせたいという指導計画の中で、実態に合わせ、適度な負荷を子どもたちに課して進めています。今回の運動会でも、リーダーを中心として児童生徒たちには、困難なことも乗り越えてくれると信じて挑戦させてきました。子どもたちはその期待に応えてくれ、だれもが弱音を吐くことなくやりとげてくれたことに、ひとまわりも成長した子どもたちの姿を見ることができました。

大きな行事はこの運動会をもって終わりましたが、児童生徒たちは、こうした学習を契機にさらに成長し続けることでしょう。

最後まで参観いただきましたご来賓、保護者の皆様には、心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。

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