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ワトゥルの風 Part2(1月12日号)

「小さな半歩を大切に」
                                            学校長 美谷添久男

 

保護者の皆様、学校運営理事会の皆様、新年あけましておめでとうございます。また、メル校の教育活動に平素よりご支援を頂いております日本人会の皆様、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
メル校では今日から3学期が始まりました。2学期末において2名の児童が転出をしていきました。この学校で学んだ時間はそれぞれ違ってはいましたが、多くの思い出をかかえて校門を後にしていきました。また、今日からは新たに9名の転入生が仲間に加わり、全校78名となってスタートいたしました。新しい転入生たちも、学級の仲間に温かく迎えられ、質の高い学習をめざして、毎日を一所懸命がんばってくれることと思います。
さて、日本の新年は初詣だけでなく、毎年恒例の高校サッカー、ラグビーや箱根大学駅伝などスポーツイベントも盛りだくさん行われており、こうしたイベントをTVで見るのもお正月の楽しみの一つです。
2~3日に行われた箱根大学駅伝における様々なドラマには胸が熱くなりました。
往路最終区間、青山学院大学の神野選手は、それまで先頭を行く選手を一気に抜き去り、往路優勝の立役者となった走りは圧巻でした。創部してから96年目、監督としてチームを引き受けてから11年目にして初めて総合優勝を手繰り寄せた原晋監督の手腕の凄さにも心を打たれました。
監督を引き受けた後の成績が思わしくなく、廃部の危機もあったそうですが、この快挙には驚きと称賛の声が上がっていました。歓喜の胴上げのあと、監督のインタビューがニュースで流れていました。
「半歩また半歩積み上げてきたものが、ようやく実を結ぶことができました。選手たち一人ひとりに感謝したい。」と興奮気味に話しておられました。
一歩ではなく、小さな半歩の歩みを大切にしてきた監督の考えに共感することが多くあります。
私たちも日本の学校ではいくつかの部活動を指導してきましたが、新しく赴任した学校でチームを任されたとき、強豪チームと呼ばれる学校ほど指導の難しさを強く感じることがあります。成績を落とすことができないプレッシャーと、前任者と同じ指導法を真似たとしても同じ結果が得られないというジレンマなどです。しかし、どんなチームでも大切にしなければならないことは、部員一人ひとりにチームとしての規律を浸透させ、人として当たり前のことが当たり前にできる環境を整えなければ、絶対に頂点に立つことはできないということだけは確信をもって言い切ることができます。
きっと原監督も、挨拶や時間を守ること、言葉遣いや身の回りの整理整頓など、小さなことから選手の意識を変え、個々の目標を達成させていくことで今回の結果につなげてきたと想像することができます。
今の私たち教師自身も、謙虚に見習わなければならない大切な指導と感じています。

3学期の授業日は43日間です。各学年における学習を仕上げると共に、新年度への決意をもって準備する学期でもあります。児童生徒が、3月の修了式や卒業式を迎えたとき、この仲間と学んだことが私を成長させてくれたのだと感じられるような一年の締めくくりを迎えたいと思っております。また、このメル校で培った自信と誇りを胸に、新たな目標に挑んでくれることにも大きな期待をよせているところです。そのためには、これまで取り組んできたことを再確認して、小さなことにもこだわりをもち指導に当たりたいと念じております。
今年も、皆様のご多幸をご祈念申し上げるとともに、本校への忌憚のないご意見と温かいご支援、ご協力をお願いして、新年のご挨拶とさせていただきます。本年もどうかよろしくお願いいたします。

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