インタビューinterview

LEAP MELBOURNEleap

LEAP MELBOURNE -Dan Ednie-

たくさんの人を言語で繋げたい

2012年1月30日掲載

 

これからメルボルンへ来る若者・学生達へ、

一足早くその地で頑張っている皆からの熱いメッセージ。

 

このシリーズは、さまざまな目的や目標を持って学び・仕事に取り組んでいる人たちの経験談を広めることで、読者の方たちの刺激や発見になればという思いから始まった。

「Leap Melbourne」

このタイトルには、メルボルンで過ごす時間をさらなる跳躍につなげてほしいという気持ちが込められている。

 

 

Dan Ednie

メルボルン大学で言語学を専攻しながら日本語と中国語を習得。卒業後はオナーズ(成績優秀者がさらに一年間大学で研究できるプログラム)に進み、より深い研究に携わる。言語交流イベントを開催するグループ「ランゲージ・コネクション」の設立者・代表。

 

言語学のおもしろさ

 研究分野は「言語試験法」。たとえばIELTSやTOEFLの試験をつくるときにどうすれば試験を受ける人の能力をより正確に測れるか、どうすればその人の潜在的な言語能力まで見極めることができるか、そういったことを研究している。
 いま取り組んでいるのは留学生と現地の学生の会話を動画で記録して、その間で行われるコミュニケーションを分析する「談話分析」という研究法で、単に言語による伝達だけではなくて話題の選び方、ジェスチャー、会話をさえぎるタイミングなど、さまざまな要素を視野に入れて研究する。異なる母語や文化背景を持つ人同士のコミュニケーションのなかで、どのように信頼関係が築かれるかとか、誤解が生まれるのかとか、そういうことを考えるのがおもしろいと思う。

 

言語学習で人と人を繋ぐ

 大学の研究のほかには、日本人留学生と現地の学生の文化交流を目指して設立した「グローバル・ハート・ツアーズ」と、そこから派生した言語交流会「ランゲージ・コネクション」の運営に携わっている。「ランゲージ・コネクション」は毎週数回言語交流会を開催するほか、年二回メルボルン大学の協力を得て言語学者による講演なども含む大規模なイベントも主催している。
 こういう言語交流を目的とした団体をつくりたいと思ったのは、自分がそういう言語交流会に参加することで言語の習得に成功したから。僕が日本語を勉強しはじめたとき、メルボルンにはたくさんの英語と日本語の言語交流会があって、そこに行くことで自然と日本語を勉強できたから、大学でほとんど日本語の授業を取らなかったけど日本語を話せるようになった。でも中国語の勉強をはじめたときには英語と中国語の言語交流会はひとつしかなくて、中国語を練習する機会があまり持てなかった。だから自分ではじめようと思って。「ランゲージ・コネクション」、そして僕の目標は「たくさんの人びとを“言語”でつなげる」こと。そういう環境を作って、自分がしてもらったことを今度は社会に返していきたい。

 

上達の鍵は友だちと過ごすこと

 言語を上達したいなら、その言語を話す友だちをつくって、とにかくたくさん話すのがいい。いちばんの言語学習は人とコミュニケーションを取ることだと思う。語学学校に払うと思って、友だちと飲んだり食べたりするためにお金を使えば、友だちと過ごした分だけ学校ではできない勉強ができるよね。人と交流することにお金を使うのは大切な投資。語学学校にお金を払うのと同じだよ。
 どうやって友だちの輪を広げればいいのかわからないなら、自分がしたいことをしている人たちが集まるグループに参加すればいい。好きなことが合う人たちとなら、あまり言葉が通じなくても友だちになりやすいから。友だちと過ごす時間が増えれば話す機会が増えて、自然と言語が上達すると思う。

 

ランゲージ・コネクションLanguage Connection)はウェブサイトのほか、フェイスブックのグループ・ページで。
ウェブサイト:languageconnection.org.au
フェイスブック・グループ・ページ:facebook.com/groups/207085169338950/

 

Interview & Photography: Ryo
ryo@studiomonsoon.com
studiomonsoon.com

関連記事

最新記事