世界一周に挑戦中 犬伏 仁志さん
21歳にして世界を見てきた男が背中で語る
2010年2月13日掲載
2009年9月14日に日本を出発し世界各国を旅行中の犬伏さん。2010年1月末にメルボルンに立ち寄った際、話を聞いた。穏やかな物腰だが、重いバックパックを背に世界を旅する体は逞しい。
【プロフィール】
犬伏 仁志 HITOSHI INUBUSHI
1988年生まれ。大阪府出身。大学を休学し、21歳の若さで単身半年間の世界一周旅行を決意。
インタビュアー 小原みなみ
--世界一周旅行に出ようと思ったきっかけはなんですか?
就職活動もあるし、やりたいことのできる今のうちに日本だけでなく世界を自分の目で見てみたくて。世界の今を感じたかったんです。また、世界から見た日本というものがどういうものなのか分かるのではないかと思いました。しかし、世界の人々は車や電化製品など日本の製品は認めているけど、日本の文化や日本人の気質などはほとんど知らないんだな、とこの旅で感じました。
--今まで周った国はどこですか?
ヨーロッパはフィンランド、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、オーストリア、スイス、フランス、ベルギー、スペイン、イタリア、イギリス、ギリシャ。アフリカ大陸はエジプト、モロッコ。南米はアルゼンチン、ペルー、ボリビア、チリ。そしてニュージーランド、オーストラリアです。オーストラリア内ではゴールドコースト、ブリスベン、メルボルンです。
アルゼンチン
--これから周る予定の国はどこですか?
オーストラリアはアリススプリングスとウルル、そしてケアンズです。そのあとはアジア方面、香港、タイ、カンボジア、ラオス、ベトナム、マレーシア、インドネシアに行く予定です。
--メルボルンの印象はどうですか?
アジアの文化とイギリスの文化がうまく交じり合っていて、きれいで素敵な街だと思います。少しシティから外れると、フィッツロイ(Fitzroy)など個性的でアーティスティックな街があって楽しいですね。カジノの規模の大きさにもびっくりしました。完全に雰囲気にのまれてしまって、メルボルンのクラウン・カジノでは全く結果が出ず・・・もうカジノはこりごりです(笑)。
--今回の旅で一番感動したことはなんですか?
人に親切にしてもらったことですね。先日、メルボルンのトラムの中でチケットを買う時に助けてくれた人がいて、嬉しかったです。また、気軽に話しかけてくれたり、目が合うとウインクしてくれるようなフレンドリーな人に出会えるのも楽しいです。日本ではそういったことは中々ないですからね。
ボリビア
--今回の旅でくじけそうになったこと、もう日本に帰ってしまいたいと思ったことはありますか?
デンマークで足を捻挫した時と、モロッコで騙され続けた時は正直帰りたくなりました。でも、先に言ったとおり、優しい人もたくさんいますからね。
--騙されたとは?
日本人だからと思って屋台やタクシーなどで高い金額を請求されたりしました。日本人は狙われやすいと言うけれどさすがに人間不信に陥りそうになりましたね・・・。
マチュピチュ
--世界各地で、これだけは必ずする、という自分なりの習慣や決まりはありますか?
ポストカードは世界各地のものを集めています。それ以外にも服やミサンガなど、ちょこちょこと買い集めています。特に南米では物価が安いし、エキゾチックな小物などがたくさんありました。一番のお気に入りはボリビアで買った財布です。機能性もしっかりしているし、何と日本円でたったの200円だったんです!
--日本から持っていって便利だったものはなんですか?
ドライヤーは髪を乾かすだけでなく半乾きの洗濯物を乾かしたり、さらには寒い時に温まったりと便利でした(笑)。また、大きめのタオルはホステルなどで目隠しのカーテン代わりにできます。大人数で部屋をシェアする場合も、即席の個室をつくることができますよ。
スペイン
--世界一周をしてみて、変化したことはありますか?
一人旅なので、寂しく感じる時もあるし、悲しさを分け合ってくれる人もいない。しかしその一方でたくさんの人と関わる機会も増える。そんな中でささいな優しさをとても嬉しいと感じれるんです。そして、大事なことは例えば家族や友だちを大切にするなど、とてもシンプルなことなんだな、と思うようになりました。
--最後に一言お願いします。
日本にいたら日本のことは見えないし、海外に出ると日本にいたら分からなかったことが分かります。ぜひ旅に出てみてください!
ウルル(インタビューの数日後、現地から)