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ワトゥルの風 Part2(12号)

夏休みの研修
学校長 美谷添久男

 3学期が始まったら、気温40度を超える猛暑が連続して4日間もありました。初めての経験に戸外へ出ると眩暈がするようでしたが、メル校生は、暑さに怯むこともなく、学習活動に取り組んでいました。
さて、夏休み終わると、学校には子どもたちの様々な作品が持ち込まれてきます。これらの作品の一つ一つを見ていると、中には家族で協力して制作されたものもあることがわかります。とくに低学年においては、その傾向を強く感じます。
私は、家族が協力して一つの研究を考えたり、作品をつくりあげたりすることは、低学年の子どもたちにとっては、とても大切なことと考えています。今回は、恐竜の研究や魚拓、クッションや編み物などがプレップやG1,2の学年の中から出展されていました。どれも見事な作品でした。きっとご両親による見通しをもった適切なアドバイスによって、ここまでの作品に仕上がったのだと思います。低学年の子に大切なのは、作品を仕上げていく順序や手順が、自身にわかることだと思います。まず『やってみせる』そして『やらせてみる』という過程を踏んでいくことは、学ぶ段階としての必要なステップだからです。
年齢や実態に応じた指導は、学校においても当然行っていますが、家庭においてもこのような段階を踏んで進めていくことは、決して否定するものではありません。長期の休みでしかできない家族での活動機会を活かすことで、ものづくりに興味を示したり、研究の手順を理解してさらに優れた研究にしたりする姿勢が身に付いていくものです。現に、一人で取り組んだと思われる高学年の作品の中には、目を見張るものがたくさんありました。来年も、またすばらしい作品に出会えることを期待したいと思います。

そして、私たち教職員も、夏季休業期間を利用して二つの研修を実施いたしました。
ひとつは、日本では、「お~いお茶」のCMでなじみの、伊藤園オーストラリアの工場と茶園での現地研修でした。茶葉の収穫期でもあり、多忙な中で荒茶までの製造過程について、事業部長様から詳細な説明を受けることができました。説明後には、100㎞以上離れた茶農園まで案内していただきました。緑の絨毯を敷き詰めたような、11㌶余の茶畑を目の当たりにして、その広さに圧倒されると共に、茶畑の除草には、山羊の食性を利用した無農薬栽培の方法を聞いて、さらに驚いた次第でした。お客様を第一に考え、安心・安全な商品を届けようとする企業の心意気を感じました。
もう一つは、派遣教員の現地研修報告会を実施しました。今回は、3年間の勤務を終え、3月に帰国を控えた4名の職員から話を聞くことができました。休日を利用して、それぞれがメルボルンにある公立学校や私立学校を訪問し、日本の教育システムやカリキュラムなどとの違い、教科書や児童生徒への指導姿勢等についての調査したものでした。報告では、どちらの国の教育システムがよいかではなく、オーストラリアの教育のよさを日本の教育に活かすことが研修目的の一つでもあるため、どの先生も、今後の教育活動において積極的に活用していこうとする発展的なものばかりでした。
また、これまでもメル校においては、様々な現地研修を通して、児童生徒の教育活動に還元できるように工夫してまいりました。今回の報告の中においても、教科指導等に生かせるものを見つけることができました。こうした研修成果を今後の授業に活用して、グローバルな社会に対応できる国際人の育成に尽力していきたいと考えております。

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