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ワトゥルの風 Part2 (6月号)

『Camp Jungai』(宿泊学習から)

学校長 美谷添久男

アボリジニの知恵を学ぶ

 

メル校から北へ140㌔、木々が鬱蒼と茂る山々に囲まれた『Camp Jungai』という施設で、今年の宿泊学習を実施しました。「Jungai」とは、アボリジニの言葉では、「交わる」という意味もあるようで、過去にはアボリジニの人たちの交流の場でもあったようです。この歴史的背景をもった施設の中で、小学部4年生から6年生までの20名と中学部19名が、3日間それぞれの学部ごとに分かれて研修を進めてきました。

 

 

小学部は、6年生をリーダーとして、『真剣、発見、体験、宿泊学習』をテーマに価値ある活動を生み出してくれました。

キャンプファイヤーで語ってくれた一人ひとりの決意の言葉は、炎を囲んだ仲間の心に強く響きました。努力したい、あきらめたくない、責任を果たしたい、もっとがんばりたい・・・・火之神として、子ども達の言葉を聞きながら、これからのメル校生活が一層充実し、価値あるものになってくれることを願わずにはおれませんでした。

チームで取り組んだフォトラリー、操るのも難しかったカヌー、アボリジニの知恵の凄さに触れた体験活動など、仲間と一緒に歓声や悲鳴を上げながら活動に興じる笑顔が、これからも続くことを祈らずにはおれませんでした。その願いや祈りは、私以上に家族や担任、メル校のすべての先生が強く心に秘められていることと思います。

中学部では、仲間との信頼を高め、心の絆を強くしていく営みを随所で見せてくれたことが印象的でした。

強く降りしきる雨の中でもチーム全員が走りながら、与えられた課題を次々にクリアしてきたオリエンテーリング。

筏づくりは、紐と、板と、樽が用意されただけでした。まったく未経験の課題に戸惑い、悪戦苦闘の連続の中、時間だけは刻々と過ぎていきました。ようやく、浮かべた筏に乗り込んだとき、仲間の歓声がはじけて池の中に広がっていきました。

仲間と心を通い合わせながら、力を合わせてなにかを創りあげていく。そのときにこそ、本当の思い出が創られていくのでしょう。

大成功!

 

G9のリーダーたち3人は、悩みながらもよく頑張ってくれました。再びこの宿泊学習に参加することはありませんが、この学習を通して、G7,G8の力を随所において活かすことで、次を見据えたバトンタッチの準備を整えてくれました。

中学部も小学部も、一人ひとりが自覚と責任をもって取り組んでくれたことに心から感謝をしたいと思います。

施設での退所式、3日間を共に過ごした現地スタッフの一人ひとりから称賛の言葉がかけられました。話を聞く構え、Activityに取り組む姿勢、食事の準備から食器の洗浄までの手際のよさなど、集団における規律のすばらしさに驚かれたスタッフからの言葉でした。

メル校生にとっては、集団で生活する場合の基礎であり、基本として当たり前に身につけてきたことに評価をいただけたことは、児童生徒会の日々取り組んでいることが間違いではなかったと確信いたしました。

施設スタッフと共に

 

宿泊学習での目的は達成しましたが、まだ新年度が始まったばかりです。この宿泊学習の成果を今後の学校生活に十分に活かせるように、職員一同、誠意と情熱をもって教育活動を推進して参ります。

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