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ワトゥルの風 Part2(12月号)

    「職場訪問から社会人基礎力を学ぶ」
                                             

                                             学校長 美谷添久男

 枝先を薄紫の花びらで染めたジャカランダが街路にも見られるようになりました。メルボルンにも夏の訪れが目前に迫っていることを感じさせてくれるこの頃です。
 中学部は「総合的な学習の時間」の中で、11月に職場体験学習を実施いたしました。例年この職場体験は、現地の学校に出かけて保育実習をおこなっていましたが、今年度は、日系企業四社の協力を得て、はじめて職場訪問という形で実施をいたしました。
 大きなねらいの一つに、将来を見据えた職業観について考えさせるとともに、企業の方々がどのようなことに配慮して仕事に取り組んでおられるのか、インタビューを通して学ぶ機会としたことです。
職場訪問を終えた生徒たちは、これまで将来の職業を意識することはあまりなかったようですが、企業スタッフのみなさんからの言葉に感銘を受け、職業選択に関わって貴重な体験ができたことに感謝の気持ちでいっぱいだったようです。中でも、生徒たちが積極的に尋ねていた「社会人として必要な力(社会人基礎力)」についての説明には強く印象づけられたようです。
 生徒たちの声から、学んだいくつかのことをまとめ挙げてみると

〇世界の国々から信頼される企業になるためには、まず、自分自身がお客様から信頼される人間としての研鑽を 積まなければならないこと
〇過去の先輩たちが、様々な困難をどのように乗り越えてきたのかを学ぶことは明日につながる第一歩であること
〇個人の能力として、一つの言葉(他国の言葉)、一つの芸術、一つのスポーツ、一つの専門を磨き、幅広いものの見方や考え方ができるようになること
〇日本という国のことを詳しく知り、誇りをもつことは、他国の人々の考え方や文化を大切にする国際人としての第一歩であること
〇今、学校で学んでいることは将来社会人となるための基礎基本であること。今日の一日を疎かにすることなく生活することが、将来の選択肢を着実に広げていくこと

などでした。
 短い時間の中で、他にもたくさんのことを教えていただきました。
 この「社会人基礎力」についてある本の中では、「チーム力、情報把握力、思考の柔軟性、規律性、 傾聴力、発信力、ストレスコントロール」の7つの力が必要だとも述べてありました。これらすべてに合致 する人になることは困難かもしれません。しかし生徒たちは、この職場訪問でのインタビューを通して、 将来において必要な力はどのようなことかをしっかり学んでくれたと感じています。
 また、国際社会を相手に身を投じておられる各企業の方々のお話に耳を傾けることで、オーストラリアなど、海外で同じように働いている自分たちの父親の仕事についても考えることができたのではないかと思っております。
引率した教職員も示唆に富んだ様々なお話をいただけたことに、価値ある時間を過ごすことができました。
 企業の方々には大変ご多用の中にありながらも、生徒たちのためにご協力を賜りましたことに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。


 この研修成果は、12月4日(木)、中学部授業参観において、各グループがまとめたことをプレゼンテーションにより発表します。さらには、本校の学校運営理事長様を講師に迎えての「進路講演会」も予定をしており、生徒にとっては、自らの夢の実現につながる実り多い進路学習となっていくことでしょう。
 

 


 

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