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Andy Murray、ついにグランドスラム制覇!

ども~。
パラリンピックもUS OPENも終わってしまいだいぶ燃えつきました。この2週間はとてつもなく濃かったですね。


今年も天候に振り回されたUS OPEN。男子決勝は5年連続月曜日に。これは確実に男子準決勝2試合と女子決勝を行うスーパーサタデーが悪い。もういい加減US OPENの運営はスーパーサタデーには無理があることに気付くべきでしょう(笑)US OPENの会場にはインドアコートはありませんから、雨が降ったらとにかく試合が進まないのですよ。
そんな中今年の男子決勝は第2シードNovak Djokovic対第3シードAndy Murrayの組み合わせとなりました。もう今更この二人の説明は入りませんよね?同い年、誕生日も1週間違いの親友の二人の今年の対戦は2勝2敗のイーブン、Australian Openの準決勝、4時間50分のフルセットの死闘を繰り広げDjokovicが勝利、試合が終わった頃には日付が変わっていました。Masters 1000の決勝はDjokovic、オリンピックでも準決勝で顔を合わせた二人、この時はMurrayのストレート勝ちでした。今大会の準決勝前の練習前にはスコットランド対セルビアのサッカーの大会が行われており、選手控室のパソコン1台で二人並んで見ていたという目撃情報もTwitterでありました(笑)。ジュニアのころには二人でダブルスを組んでいたこともありましたね。お互いに知り尽くしている間柄、過去の戦績も8勝6敗でDjokovicのリードですが大差はありません。この二人の大きな差は、やはりGSの優勝でしょう。Murrayは過去4回決勝に進んでいますが、優勝はありません。しかしオリンピックという大きなタイトルを掴んだ今のMurrayには自信があるでしょう、どちらが勝つか予想し難いものでした。


今年のAustralian Open準決勝後

実はこのコラムは火曜日の朝、つまり決勝をリアルタイムで見ながら書いているのです。コラムをアップロードするのは火曜日の正午、10時から1時間大学で授業なので、とんとんと行けば試合は大学前に終わりそうですが、終わらなくても6時スタートの試合ですし、US OPENはファイナルセットもタイブレークですから、さすがに午前中に終わるだろうし、コラムは時間通りに上げられる。ただどうしても、Murrayファンとしては彼の初のGS優勝は生で見たい。そしてリアルタイムに見た感想を書こうと思ったのです。つまり、リアルタイムで見たいが、大学のプレゼンは外せない葛藤に悩まされる、本家とは違い自分ひとり分刻みの時間に追われる
「勝手に一人24(たった今命名)」
を、このコラムでお届けしようと、誰にも望まれない形でスタートしています(苦笑)。


いざ試合が始まると、立ち上がり2ゲームはお互いブレーク、第5ゲームDjokovicサーブをMurrayがブレーク、第8ゲームでDjokoがブレークバック、その後はキープが続きタイブレークの末12-10でMurray。。。
ここまで1時間半以上。繰り返し言いますが、今日の大学はプレゼンがあるから休んでみるわけにいかないし。。。
自分ってつくづくUS OPENの決勝には縁がないのですよね。昨年のDjokovic対Nadalも火曜日でその日は1時間の授業だけだったのですが、その週にちょうどその科目唯一のテストがスケジュールされるという。US OPENの運営責任者、お願いですからスーパーサタデーは廃止にして、オーストラリア時間の月曜日の朝には男子決勝が終わるようにしてください。月曜日、火曜日と早起きして試合見るのはきついのです。

第1セットをタイブレークの末に奪ったMurray、準決勝までのキレが見られないDjokovic相手に果敢に攻め、第二セット5-2で自身のServing for the Setとします。しかしここで油断できないのがDjokovic。彼のプレッシャーの乗りこなし方は天下一品です。第2回WBCの決勝、一打逆転の場面で値千金の逆転打をセンター前に放った、大会通じて絶不調だったイチロー並みのメンタルの持ち主ですから。Djokovicは昨年のこの大会の準決勝のFederer戦、2セットダウンで迎えたFedererのサービスゲームのマッチポイントを引っくり返し、大逆転をしました。今年のFrench OpenでもThongaにマッチポイントを握られながらも勝利しています。ここから驚異の粘りを見せ第2セットを5-5まで持ち直します。今までのMurrayだったらこのまま盛り返されていたでしょう、しかし今年からLendlがコーチに就いてから、今までのディフェンシブなテニスを軸に残しつつも、今までより早いタイミングで攻撃に移るようなテニスに変えたのが功を奏し、Djokovicのサーブをブレークし7-5で優勝まであと1セットとします。

さて、この時点であと1セットでMurrayの勝利ですが8時50分。大学には15分で着きますから家は9時45分には出なければなりません。ちょっと嫌な予感がしています。。。

第3セット、ゲームが動いたのはMurrayサーブの第3ゲーム、これまでの不調から徐々に勘を取り戻したように本来の動きが戻ってきたDjokovicがブレークポイントを握ります。このポイントを、お互いに攻め前後に揺さぶられながらも、最後はMurrayのフォアストレートのパッシングをせいいっぱい開脚したDjokovicがドロップショットで切り替えしブレークします。ようやくリズムに乗ってきたDjokovicが吠える。
第6ゲームダブルフォルトなどミスが続いたDjokovic、15-40とMurrayにブレークポイントを与えてしまいます。しかし、第2セット終盤から徐々に本来のらしさを取り戻し始めたDjokovic、臆することなく攻めこのピンチをデュースで防ぎます。
このセット、Djokovicの攻めがことごとく決まりだし、Murrayにもミスが目立ち始めます。続く第7ゲームMurrayのサービスゲームは逆に、15-40とDjokovicにブレークポイントを握られ、最初は防ぎ30-40とするも、最終的にブレークされてしまい、Murrayから2-5、DjokovicのServing for the Setです。Djokovicにチャンスです。この時点で試合開始から3時間10分。やはりすんなりは行きませんね。。。それだけレベルが均衡しているのです。続く第8ゲーム、Djokovicのサービスゲームで0-30とMurrayに先攻されるも、しっかりキープしこのセットを奪い、セットカウントDjokovicから1-2とします。


残念なお知らせです。
現在9時24分。ここから、20分で1セット終わるにはちょっと無理があるでしょう、95%の確率で、大学前に終わらないことが決定しました。。。しかし、ギリギリまで見続けます!

第4セット、Murrayのサービスゲームを早速Djokovicがブレーク、1-0とします。ようやく乗ってきたDjokovic、こうなった時の彼の無双は凄まじいものがあります、いかにMurrayが防ぎ、逃げ切れるかがポイント。このセットで取らないとかなりMurrayにはピンチでしょう。続く第2ゲームもDjokovicのキープ、スコア2-0とします。しかし最後のポイントは、シングルスラインとベースラインの角ドンピシャに逆クロスのフォアを決めえたDjokovic、Murrayもアウトと思いチャレンジを使おうとした様子。
9時35分、もうあきらめて大学に行かなければなりませんね。。。実況はここまでです。。。


この後はTwitterの実況によって状況は把握していました。便利な時代になりましたねえ。第4シードはDjokovicが6-3とし、試合をイーブンにしファイナルセットに突入です。ちなみに隣に座っていたクラスメイトも授業中にノートパソコンで中継を見ていました(笑)。みんな注目していますねやはり。恐らく今までのMurray VS Djokovicではここまで注目されなかったかもしれませんね。しかし、今年はなんといってもオリンピックの金メダルという自信がMurrayにはありますから。今回こそMurrayが行くよと皆盛り上がっていました。
そして、自分のプレゼンを終えたところで、レクチャーの先生から粋な計らいが。実はこの日はもう一組のプレゼンがあったのですが来なかったため、みんなでMurrayの勝利を見届けようということで、早めの解散!!!
ということで、自分はライブラリーに向かいましてiPadを通して観戦。本当にこの時代に生まれてよかった。スティーブ・ジョブスありがとうですよほんと。4-2でMurrayリードのところから見られたのですが、素晴らしい試合でした。Djokovicが第4セットを取ったところで、かなりピンチだと思ったのですが、今日のMurrayは本当に集中力が違いました。デビューしたころからムラッ気が問題視されていたMurrayでしたが、今日はよく集中していました。4-2で迎えたDjokovicサーブの第7ゲームをブレークに成功し5-2とすると、Djokovicはメディカルタイムアウトを要求したのですが、気持ちを切らさずに、Serving for the Championshipの自身のサービスゲームでしっかりとチャンピオンシップポイントを握ります。1本目はDjokovicに返されるのですが、2回目で、Djokovicのフォアのストレートがアウト!かなり際どかったのですがDjokovicは潔くチャレンジをせず、ゲームセット!Murrayが5回目のGS決勝の末、7-6(10), 7-5, 2-6, 3-6, 6-2のスコアでついに初タイトル!試合時間はなんと4時間54分。素晴らしい試合でした。図書館で人目もはばからず号泣してしまいました。
奇しくも、5度目のGS決勝で初優勝を手にしたのは、MurrayのコーチのLendlと同じなのです。Lendlの初優勝は1984年のFrench Open、対マッケンローの試合。この年のマッケンローは年始から無敗で42連勝を誇っていました。昨年のDjokovicはこれに一つ足りない41連勝を誇っていましたね。しかしまあ、LendlはMurrayが優勝しても無表情のままなのですね(苦笑)。チャンピオンスピーチでそのことを聞かれたMurray曰く、彼はあれでも笑っているんだよということ。


Murrayが優勝したことにより、今年のGSの優勝者はすべて異なることに。
Australian Open / Novak Djokovic
French Open / Rafael Nadal
Wimbledon / Federer
US OPEN / Andy Murray
そう、つまり世界ランキング上位4選手、このコラムでもたびたび出る、BIG 4が独占しているのです。これでようやくいかにこの4人が2段も3段も上のステップにいることがわかっていただけたのではないでしょうか?Murrayもようやくメジャータイトルを手に入れたことで、BIG 4として認められるようになるでしょう。


さて、この後のATPトーナメントとしては、国別対抗戦のデビスカップが各国で開催され、その後は日本で唯一のATP 500トーナメントであるJapan Openが開催されます。このJapan Open、今年の第1シードはAndy Murrayです。Japan Openは凄いですね、Nadalの初来日だった2010年は、NadalがUS OPENを制覇し、キャリアGSを達成した直後でした。今回はMurray。これで日本でもテニス人気が出てくると良いですね。


今週はここまで。
実は今日の決勝が始まるまで、今大会を振り返ったコラムを書いていたのですが、両方載せるととんでもない情報量になるので、今回は割愛します。GS期間中は、週2回の更新となっていますので、次回更新は今週の金曜日となります。そちらの方に掲載するのでよろしくお願いします。
それでは。

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