グルメgourmet

恵み物語megumi

キリン恵み物語 Vol.3 あかとんぼ

あかとんぼXキリン恵みビール

2010年2月4日掲載

 

 

 上品な鶯色の壁と木目の暖かさ、和紙の柔らかな白。硬くなり過ぎず、モダンにもなり過ぎず、上品で居心地の良いお店‘あかとんぼ’がプラーン(Prahran)にある。賑やかなチャペル・ストリートから、ひとつ小路を折れたグレビル・ストリート(Greville Street)に柔らかな明りを灯しながら、ひっそりと佇んでいる。

 

  

 

CHEF PROFILE
影山 晃氏 Mr Akira Kageyama

 

 


さらなる高みを求めて
 
 職人・影山氏は、伝統的な板前の白いあわせを着用し、黙々と鋭い目で料理を作り上げてゆく。その姿には人を寄せ付けぬほどの張りつめた真剣な空気が漂い、職人の雰囲気が料理にまでしっかりと現れる。

 静岡県出身。25歳の時に沖縄で約3年間修行。その後、自由な雰囲気の中で仕事するのではなく、職人としてのさらなる高みを求めて京都へ渡り、およそ7年間の修行。その後、今度は海外で挑戦する夢を叶えるため、知人を通じてメルボルンへやってきた。あかとんぼのオープンから7年半経った今、プラーンの隠れ家的な名店として常連客に愛されて続けている。

 

 ゆずれないこだわり

 シェフとしての一番のこだわりは素材選び。「うちで使っている魚はメルボルンでも一番。それは言えるし、絶対の自信がある。」 キッパリと言い切るだけの自信は、もちろんお客の評判にもつながっている。Good Food Guideでも毎年高評価を得ており、「Small is Beautiful!!(小さいお店ほど美味しい)」というセオリーの典型なのだとか(2008年)。

 

 

(写真右)背中から荘厳な雰囲気が漂ってきます。


 料理の作り置きが好きではなく、注文を聞いてから作るこだわりもある。そのお客のためだけに一品ずつ仕上げるので、待ち時間が少々長くなっても、心がこもった一皿に出会える瞬間と感動を呼び、本物の味を知る人たちが集まってくる。

 9割以上が地元の人で、週3回通ってくる人もいる。常連の中には自宅のダイニング感覚で頻繁に訪れる人もいるとか。故郷の味恋しさなどない人達の舌はとても正直だ。

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(写真中)「出汁が決め手」という影山氏

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(写真左・中)アメリカでは「スパイダー・ロール」と呼ばれるそう。

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(写真左)お寿司を手早く握る影山氏。写真もぶれてしまいました。

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夢はあかとんぼから発信する四季

 「すっきりとクリアな感じで重たくない。でも軽いのではなく、しっかり味がある。女性や日本食のビギナーの人にもいけるのではないでしょうか。」とキリン恵みの印象を語る影山氏。キリン恵みの凛とした味わいが日本酒にも似ていると感じるそうだ。今回選んでいただいた料理は、日本酒にも合う料理として2種、そしてソフトシェルクラブは、重厚な食感でキリン恵みとガチンコ勝負する。

 今後の夢は、メルボルンで懐石料理を手掛けることだそうだ。現在もリクエストがある時のみ提供しているが、本格的にお店のメニューとしても取り入れたいと考えている。「本当はもっと季節感を出したい。オーストラリアで手に入る素材に関しては季節感があまりないから。」

 

  


芸術肌の料理

 今回、ご用意頂いた3品にもそんな繊細さと力強さがごく自然に盛り込まれていた。たとえばディナーのみに出される春菊のおひたしは、噛んだ瞬間に広がる独特な香りと苦み、それらを引き立てる出汁の控えめな味は、食べる人を唸らせるほどの魅力がある。

 影山氏は言葉数こそ少ないけれども、本当に意味のある言葉、思っていることしか言わない。その中に日本食に対する情熱、アートをものすごく感じさせられる。

 

 



aka tombo あかとんぼ
URL: http://www.akatombo.com.au/
住所:205 Greville Street, Prahran VIC 3181
TEL: (03)9510 0577
営業時間:火~土 AM12:00-PM2:30/PM6:00-PM10:00
定休日:日・月曜日

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 インタビューの後、早速試食をさせていただきました。春菊のおひたしは、鮮やかな緑色に、春菊独特のざくざくした食感、香りが邪魔される事なく、上品なだしの香りと共に口に広がる。しいたけ、えのき、シメジとの相性も抜群、それぞれの食感、香りに松のみがアクセント。単純なようで、よく考え丁寧に作られた、とても満足する1品だ。

 ソフトシェルクラブの巻きずし。ソフトシェルクラブは、殻がやわらかく、殻も食べられるかになのだが、かるく、さくさく、かにの殻のうまみが広がる。以前にほかで食べた、ぐにゃぐにゃのものとは大違い。素晴しくおいしかった。
そして、寿司と刺身。さすがの一言。刺身はまったく生くささなどなく、魚のうまみがおいしく口いっぱいに広がる。寿司のシャリも重すぎず、味はあるのにじゃまをせず、するりと通る。これを食べれば「刺身は苦手」なんていう外国人はいなくなるだろうと思う。

 

  


 これからも、本当においしい日本の味を、ますますオージーに紹介していってくださる事を応援すると共に、こんな風に私たちの国の文化をメルボルンで広めてくださっている方に出会えたことをとても誇りに思います。ありがとうございます!

 

 

★この記事に関するお問い合わせやご意見・ご感想がございましたら、GO豪メルボルン編集部(info@tryber.com.au)までご連絡頂ければ幸いです。

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