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岡上理穂さんの物語(1)

岡上理穂さんは、2019年に出版された「中欧の不死鳥 ポーランド不屈の千年史」と言うポーランドの歴史を書いた本の著者です。
岡上さんがシドニー在住であることを知って、岡上さんに対して俄然興味が湧きました。なぜ岡上さんがポーランドに興味を持つようになったのか。またどうしてオーストラリアに移民として来たのか?色々聞いてみたいと思いました。フェイスブックで検索して岡上さんに連絡をとることに成功し、インタビューを申し込んだところ、幸いにも快諾を得られ、インタビューをすることが出来ました。岡上さんに感謝です。

久保田:「中欧の不死鳥 ポーランド不屈の千年史」を書いた動機をお聞かせください。
岡上:ポーランドの歴史はものすごく面白いんですが、余り日本人の間で知られていないので、この本を書くことにしました。それに歴史が複雑なので、随分誤解をしている人もいるので。
久保田:そうですね。私はこの本を読むまで、ユダヤ人の虐殺で知られているアウシュヴィッツがポーランドにあるので、ポーランド人も容認していたとばかり思っていました。
岡上:アウシュヴィッツの周辺地区は第二次大戦勃発後直ぐにドイツに併合され、ポーランド人住民は追い出されています。収容所自体、はじめはポーランド人とかロシア人捕虜を収容するためにできた施設なんですよ。ヒットラーはポーランドを占領し、指導者層を皆殺しにしたり、ポーランド人を強制労働のためドイツに送ったりとポーランド人は散々な目に遭ったんですね。それにユダヤ人を助けたら死罪ですよ。それでもユダヤ人を助けた人が沢山いて、実際、イスラエル政府が贈る賞「諸国民の正義の人」受賞者数のトップはポーランドなんですよ。
久保田:実は私は余りポーランドに興味はなかったんです。でも読む本がなくなった時、読書会の人から貸してもらい、それでは読んでみようか、なんて軽い気持ちで読み始めたんです。
岡上:そうですね。ポーランドはメージャーな国ではないから、興味を持たない人も多いですよね。でもショパンやキュリー夫人を知らない人はいませんよね。
「中欧の不死鳥」は、書きたいことをどんどん入れていったら、最初の原稿は700ページにもなってしまい、これでは長すぎると出版社に言われ、300ページ減らして出版したものなんですよ。18世紀以降の歴史は手厚く扱いたかったので、中世部分を中心に前半を大幅にカットしました。ちょっと残念でしたが、結果としては締まった内容になりました。取材をしたりして書き始めてから出版するまで4-5年かかりました。出版後、読者から直接感想を聞ける機会があまりなくて、残念に思っていたら、久保田さんから「大いに感銘しました」とメッセージが来て、とても嬉しかったです。

ちょさ

 

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プロフィール

2008年よりメルボルンを舞台にした小説の執筆を始める。2009年7月よりヴィクトリア日本クラブのニュースレターにも短編を発表している。 2012年3月「短編小説集 オーストラリア メルボルン発」をブイツーソリューション、星雲社より出版。amazon.co.jpで、好評発売中。

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