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おもとさん世界を駆け巡る(23)

おもとさんの舞台での緊張感が段々薄れていき、やっと少し慣れてきたかなと思った6月18日にグレート・ドラゴン一座は次の興業地、ニューヨークに向かった。パナマ経由で蒸気船ゴールデンシティ丸でアメリカの東海岸に出て、ニューヨークについたのは、7月11日のことだった。ニューヨークは1861年から始まった南北戦争が1865年に終わった後、エンターテイメントの中心として栄えていた。とはいえ、その頃は、ニューヨークを象徴とする自由の女神もエンパイヤステートビルもなかった。ニューヨークでの興行はレッド・ドラゴン一座と名前を変えて、7月15日からブロードウェイにある小さな劇場で興行をした。ニューヨークには2週間もいなかったが、タンナケルは新聞記者を11名日本食でもてなすパーティーをした。おもとさんはその準備でおおわらわだった。
 

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プロフィール

2008年よりメルボルンを舞台にした小説の執筆を始める。2009年7月よりヴィクトリア日本クラブのニュースレターにも短編を発表している。 2012年3月「短編小説集 オーストラリア メルボルン発」をブイツーソリューション、星雲社より出版。amazon.co.jpで、好評発売中。

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