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渡辺鉄太さんの物語(8)

実は今日(12月7日)は国際紙芝居デーなんですよ。世界中で紙芝居をやっているんですよ。だから僕たちも日曜日に内輪で紙芝居、やったんです。オーストラリア紙芝居協会の仲間が何人か集まって。
日本に「紙芝居文化の会」っていうのがあるんですが、その協会ができた日でもあるんですが、ちょうど明日(12月8日)が真珠湾攻撃の日なんですよね。戦争中は紙芝居は戦争のプロパガンダに利用されたので、それに対する反省もあって、紙芝居を復興させた人達が、平和のためだけに使いましょうと宣言をした日なので、それで12月7日を「世界紙芝居の日」にしたんです。ヨーロッパとか中南米とかインドなんか、紙芝居が盛んなんですよ。今は皆ズームやフェイスブックでつながっていて、世界中に仲間がいます。子供向けだけでなく、大人用にも作っている人がいるんですよ。4コマ、8コマ、12コマとか、4の倍数が多いんですが。次のページの裏にお話を書いてめくっていくんです。ちっちゃくても大きくってもいいけれど、日本のは大体B4なんですよ。こっちの人は大きめが好きだから、A3でやっていますけど。最初ちっちゃいので作ってみて、これできそうだなと思ったらA3で作ってみたり。場合によっては小さく書いた物を拡大コピーしちゃうとか。
僕は自分で舞台も作ったんですよ。紙芝居の枠。あれがないと、やりづらいんですよ。舞台があって劇場みたいに開いて、終わったら閉じると言うのが約束事なんですよ。それがあると、皆集中するんですよ。紙芝居は、そういうマジカルなところがあるんですよ。音楽と一緒にやるって言うのも面白いし。シティの北の方のブランズウィックに、「あおぞら食堂」って日本語をやっている人たちがいるんですよ。食堂ではなく、日本語教室なんですけど、セレスという環境ハブみたいなところがあって、そこで日曜日の午前中に日本語教室をやっているんだけれど、そこに時々呼ばれるんですよ。皆お料理を作ったりとか、歌を歌ったりとか、絵を描いたりとか、餅つき大会とか、流しそうめんなどをやるんですよ。そこに音楽家の人がいて、三味線でもなんでもできるんですが、その人と一緒に紙芝居をやったことがあります。韓国の民話をやったんですけど、その人が沖縄の三線で歌をつけてくれて、楽しかったですよ。とにかく、何かやっていると知り合いが増えて、楽しいです。僕はお話くらいしかできないけれど、ほかの人から一緒にやりましょうかって、仲間ができるので、そう言う面が楽しいなって思います。聞いた人は皆喜んでくれるし。本は書いても、誰かが読んでくれるのを待っているところがあるけれど、お話を実演すると、すぐに反応があるし、その場で聞いている人と物語を共有できるところがあるので、喜びを感じますね。そういう活動は自分が何かをしてあげると言うのではなくて、他人から喜びをもらう感じです。

著作権所有者:久保田満里子

 

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プロフィール

2008年よりメルボルンを舞台にした小説の執筆を始める。2009年7月よりヴィクトリア日本クラブのニュースレターにも短編を発表している。 2012年3月「短編小説集 オーストラリア メルボルン発」をブイツーソリューション、星雲社より出版。amazon.co.jpで、好評発売中。

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