中野不二男氏(6)
更新日: 2024-07-14
質問:ご著書で、皆にインパクトを与えているので、遅く研究の道に入られても、それなりの意義があったのではないでしょうか?私は「カウラの突撃ラッパ」を読んで、徹底した調査には感動しました。なんで、皆調べないのかなあと思っていました。あそこで詳しくは書きませんでしたが、オーストラリアの日本人戦争捕虜第一号の南忠男の乗っていたゼロ戦ですよね、あれがメルヴィル島からダーウィンに運ばれた時、すぐに見に行って、地元の研究会の人たちとウインチで持ち上げて、どういう方向に傷が入っているか、徹底的に見ましたね。僕が技術系の人間だったからと言うのがあるかもしれませんが、もっと調べれば、もっとわかることがあったのになあと、当時の資料を見て思いましたね。僕は人文系とか理系とかにこだわらないんで。当時の出版社は、もう少しここを調べたいんだがと言うと、追加の取材費なんか、結構お金を出してくれました。カウラに行って飛行機をチャーターしたりするお金も出してくれたりして、小型機をフル活用しましたね。
質問:先生のご著書で私が読んでみたいと思っている本、今でも手に入りますか?
「マレーの虎」は、もうありません。「ニュースの裏には科学がいっぱい」も「暮らしの中のやさしい科学」もどちらも雑誌の連載を本にしたものです。雑誌に記事を書くと原稿料がまず入ってきて、本にするとまた印税が入ってきて、それを6年くらいにすると文庫本にしてまた収入源になります。1985年に出版された「アボリジニーの国」は電子書籍になったので、いまだにお金が入ってきます。いい時代に書かせてもらった感じですね。
参考文献:
主な著書(ウイキペディア「中野不二男」より)
• Japanese pearl divers in Broome, 1980. オーストラリア・ナショナル・プレスクラブ/豪日交流基金ジャーナリスト賞
• 『カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットはなぜ死んだか』 文藝春秋、1984年。〈文春文庫〉1991年 第11回日本ノンフィクション賞
• 『アボリジニーの国』 中央公論新社〈中公新書〉、1985年
• 『大いなる飛翔』 講談社、1987年。新潮社〈新潮文庫〉、1991年
• 『マレーの虎 ハリマオ伝説』 新潮社、1988年。〈文春文庫〉、1994年
• 『レーザー・メス 神の指先』 新潮社、1989年。〈新潮文庫〉、1992年 第21回大宅壮一ノンフィクション賞
• 『先端技術への招待』 中央公論新社〈中公新書〉、1993年
• 『日本の宇宙開発』 文藝春秋〈文春新書〉、1999年
• 『ニュースの裏には「科学」がいっぱい』 文藝春秋〈文春文庫〉、2001年
• 『デスクトップの技術』 新潮社〈新潮選書〉、2002年
• 『科学技術はなぜ失敗するのか』 中央公論新社〈中公新書ラクレ〉、2004年
• 『脳視 ドクター・トムの挑戦』 大和書房、2005年
• 『暮らしの中のやさしい科学』 角川学芸出版、2006年
• 『子どもを理科好きに育てる本』 角川学芸出版、2007年
訳書
• チャールズ・パーキンス 『黒い私生児』 くもん出版、1987年
• アーミン・ヘルマン 『ツァイス 激動の100年』 新潮社、1995年
著作権所有者:久保田満里子
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