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佐藤珠美さんの物語(3)

メルボルン到着直後はホステルに泊まったが、そのあとは、友達の紹介で友達の家で日本人4人と2か月くらいアパートをシェアした。それからブランズウイックのシェアハウスに移って3か月いた。そこは、フラットメイトというネットのサイトで見つけた。そこでは、韓国人、タイ人などアジア人ばかりの6人で住んでいた。部屋だけ借りてあとは共有で、週225ドル、プラス水道代や電気代払った。
今は友達の紹介でサザンクロスの近くのアパートでシェアしている。このシェアハウスを紹介してくれた友達は、以前宿泊施設を紹介してあげた人で、ワーホリコミュニティーでは、皆持ちつ持たれつの関係である。しかし、ここも3週間だけ滞在する予定である。
 オーストラリアには最初から半年の予定で来たが、一か月早めにオーストラリアを出て、2週間、友達とアメリカの横断の旅をして、4月の新学期に間に合うように日本に帰ることにした。こちらで知り合った日本人の友達が、友人と二人でキャンピングカーでアメリカを旅をすると聞いて、その旅に便乗させてもらうことにしたからだ。
インドネシアに5日滞在したことがあるけれど、現地の人とこんなに長く付き合うのは初めて。オーストラリアは多民族の国だと思った。ランゲージ交換を通して、異なるバックグラウンドの人に会えて、刺激的。たとえば、大学を中退してバリスタとして働いて、将来は自分のカフェを持ちたい人とか、オーストラリアの大学は大変だけれど頑張って卒業して、オーストラリアで働きたいと思っている人とか。そんな人たちの話を聞いて、自分の将来を考えるきっかけになった。
 メルボルンに来る前は文系の仕事に就くか、理系の仕事に就くかで迷っていた。人と話すことも好きだし、ビジネスにも興味があった。人とのコミュニケーションをとることも好きなので、文系の仕事をすべきかどうか迷った。今回将来のことを考える時間ができ、大学院に進学して研究をしたいという気持ちが強くなった。将来宇宙ビジネスに携われたらいいかなと思っている。


著作権所有者:久保田満里子

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プロフィール

2008年よりメルボルンを舞台にした小説の執筆を始める。2009年7月よりヴィクトリア日本クラブのニュースレターにも短編を発表している。 2012年3月「短編小説集 オーストラリア メルボルン発」をブイツーソリューション、星雲社より出版。amazon.co.jpで、好評発売中。

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