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下村はやとさんの話(後編)

オーストラリアに来た時は、英語が全然できなかったので、どこにどんな植木屋さんがあるのか分からないし、どんな植物がオーストラリアにあるのか、そのレベルから分からなかったです。だから足を使って、いろんな植木屋さんに行って、これ買えますかなどと言って、調べました。英語の上達に役立ったのは、日本語を勉強している人と、ランゲージ・エクスチェンジしたことだと思います。
造園するときは、その土地にしかない木とか歴史的空間とか、いつもその場所でしか作れないような空間を作ることを心がけています。
ですから、今回の大会でも、オーストラリアでしかできない、私の庭を作りました。
メルボルン国際フラワーとガーデン大会には、開催6か月前に応募しました。まずコンペに出す提案資料を一か月くらいかかって作って提出しました。その提案資料に基づいて、応募者の中から16人が選ばれて、その16人が実際に大会で庭をつくったんです。
話は前後しますが、メルボルンに来る前は、ブリスベンに行きました。セカンドビザが欲しかったので、ファームに三か月いました。ファームでは、木の管理をしたり、植物の剪定(せんてい)、木を植えたりしましました。昔はよく虫に刺されてかぶれていましたが、今は慣れてきたと言うか免疫ができたのか、あまりかぶれることはなくなりました。
これからしたいことですか?これからも空間を色々演出していくことを続けていきたいと思います。8月にはマレーシアに行くつもりですが、それをマレーシアでもやりたいと思っています。たとえば、DJのいる空間を植物で装飾するとか、結婚式の空間を植物で演出するとか。人を驚かすような空間を作りたいと思いがあり、それをマレーシアでやろうと思っています。マレーシアに行ったら、植物を使った空間演出の仕事をやります。マレーシアでは、また違う植物があるので、まずその勉強をしなければいけませんが。
好きな庭ですか?最近行ったシンガポールの植物園の植栽には感動しました。空間づくりがすごいなあって、感じました。私はコンセプトにがっちりはまった空間づくりをしている庭が好きです。
好きな植物ですか?その土地や空間にマッチしている植物が好きです。この木のこの種類がいいっていうよりは、ここにあるこの木がいいみたいな感じです。たとえば、この神社にある楠がきれいだなあとか、そういう見方を、いつもしています。木に物語がある方が好きです。
木は生き物なので、その木が5年後10年後、どう育つかなあと想像して、この木はこのくらいの大きさになるから、ここに入れた方がいいとか、他の木と重なるから良くないとか、その瞬間の美しさだけではなく、5年後10年後を考えて、なおかつその時美しい空間を作るのを心がけています。

後記
はやとさんは、とても丁寧な言葉遣いをする礼儀正しい人なのが、印象的であった。国際大会に優勝したことも自慢することもなく、淡々と話す好青年だった。次はマレーシアに行って、ランドスケープデザインを続けたいと言うことだが、世界中で彼の演出した空間が見られるようになる日が来るのが楽しみである。

ちょさ




 

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プロフィール

2008年よりメルボルンを舞台にした小説の執筆を始める。2009年7月よりヴィクトリア日本クラブのニュースレターにも短編を発表している。 2012年3月「短編小説集 オーストラリア メルボルン発」をブイツーソリューション、星雲社より出版。amazon.co.jpで、好評発売中。

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