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伊藤美緒(仮名)の物語(最終回)

英語に関しては、前にも言ったように最初リスニングに困った。徐々にではあるが、最初に勤めたカフェにいる間に、相手の言いたいことが分かるようになった。またいろんなフレーズを勉強して、スモールトークができるようになった。しかしいまだに聞き取りは難しいと思う。
オーストラリアに来て良かったと言う。最初は、こちらに来る前に大金を貸した知人からお金を取り戻すことばかり考えていたが、今ではこちらにいる時間を大切にしたいと思うようになった。自分の時間ができたのが良かった。自分でも人間として成長したと思う。
また、自分の価値判断で、他人を評価したくないと思うようになった。そうすれば、他人からも自分を評価をされることになると思うから。日本にいた時、障害児と接して、特にそのことを学んだ。こちらに来て、色んな国の人と出会うことも多くなり、既成概念で人を見ないように心掛けている。
オーストラリアは好きだけど、オーストラリアに永住するつもりはない。それよりも、トルコ、ヨーロッパなど、あちこちの国を見て歩きたい。7月にアメリカでロードトリップをする予定。でも、やはり家族や友達がいる日本が好きだから、最終的には日本に帰るつもり。将来、日本で教師になりたいと思っている。


著作権所有者:久保田満里子

 

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プロフィール

2008年よりメルボルンを舞台にした小説の執筆を始める。2009年7月よりヴィクトリア日本クラブのニュースレターにも短編を発表している。 2012年3月「短編小説集 オーストラリア メルボルン発」をブイツーソリューション、星雲社より出版。amazon.co.jpで、好評発売中。

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