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佐藤珠美さんの物語(1)

これは、ワーキングホリデーメーカーの佐藤珠美さんをインタビューして書いた記事です。

珠弥さんは神奈川県生まれの2001年生まれの23歳である。23歳というと普通は大学を卒業しているはずなのだが、今休学中とのこと。今年(2024年)の4月には大学に戻って4年生をすることになっているそうだが、その事情を詳しく聞いてみた。
珠弥さんは、現在、東京理科大学機械工学科の学生である。機械工学科に在籍する100名の学生のうち、女性はたった4名だと言う、男性が圧倒的に多い科である。中高は女子校だったので、環境が真逆みたいな感じだと言う。
 どうして機械工学を選択したのかと聞くと、子供の時から持っていた夢を実現させるためだったと言う。図鑑にあった銀河がきれいだと思ったのが、宇宙に興味を持つきっかけとなった。幼稚園の時は、図鑑を書き写してホッチキスで止めて、メモ帳を作った。宇宙に行くにはロケットがいる。だから、ロケット造りにかかわりたいと思って、理系を選んだ。ところが大学に入って間もなくコロナ禍に見舞われ、大学に行けず、家とバイトの往復で、学問に身が入らなかった。その間、色々なバイトをした。マクドナルドのマネージャーとかイタリアンのお店のウエイトレスをはじめ、家庭教師や、インターン、研究室のバイトと、せっせとアルバイトに励んだ。大学に通学できるようになると、通学に片道2時間かかるし、大学の授業はぴっちり入っていたし、勉強もしなくてはいけないし、寝る間もないくらい、忙しかった。
そのためかどうかは分からないが、3年生で必須の機械設計の科目を落とし、留年を余儀なくされた。機械設計の科目は、毎年4割が落ちるという難しい科目である。例えば錘を測るための歯車は、どういうふうに引っ張ればよいかとか、機械の仕様を考え最適なものを作るかというもの。ちなみに、ボーイフレンドも一緒に落ちてしまった。それが一昨年のことだった。その科目は前期の科目なので、去年の前期に取り直して単位をとることができた。そうすると、後期には大学ですることがなくなってしまった。つまり、4年生になるまで、半年暇になったわけである。その半年間を有効に使いたいと思って、せっせとアルバイトして貯めた百万円を元手にして、ワーキングホリデーでオーストラリアに来ることにした。ボーイフレンドも誘ったが、彼はこの間就活したいからというので、一人でオーストラリアに来ることにしたのだ。

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プロフィール

2008年よりメルボルンを舞台にした小説の執筆を始める。2009年7月よりヴィクトリア日本クラブのニュースレターにも短編を発表している。 2012年3月「短編小説集 オーストラリア メルボルン発」をブイツーソリューション、星雲社より出版。amazon.co.jpで、好評発売中。

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